投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
特に大きな感動はないかもしれない。
抑えたグルーブをずっと感じて、
大きな盛り上がりも見せずに終わる
でも、そのなかで繰り広げられる基本テクニックは
秀逸です。
職人さんの仕事を見ているような出来栄えの作品です。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
堀江さんの著作は大好きですが、この作品は簡単なようで、ちょっと気を抜くと訳がわからなってしまい、読了まで苦労しました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
この作家の一番の特徴かもしれない、何にもないような、何かある感じがゆるい会話の中で延々続き、最後に急に展開する。それが最も顕著に表れた作品かも。何でも屋の様な探偵と、相談に来た客と、探偵の助手のような女性。嵐の終わりを待つ間の会話で小さな事件?のストーリーが進んでいく。
少しだらだら感じたので、私のこの作家に対するポイントとしては低め。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
激しい雷雨に足止めされた探偵と助手と依頼人が、探偵事務所の中でとりとめのない会話をしている話。
一冊を通してひたすら3人の会話。
離婚した元妻子の居場所と現状を知りたいという本筋は途切れつつも消えず、合間に探偵・助手・依頼人それぞれの回想が挟まれる。
動かない場面で奏でられる会話は、物語より音楽に近く流れを愉しむもの。
静かな場所での一気読みがおすすめです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「雷雨がやむまでもうしばらく」
と言って語り続けられる取り止めのない3人の会話。
安楽椅子探偵の様相もあり、世間話の様でもあり、
なおかつ、上質なミステリーでもあります。
飛び立った飛行機が着陸点を見つけられないまま
高度や見下ろす風景を変化させつつ飛び続けるような、
そんな感じにも似ています。
どこに到達できるのか読者は乱気流に揉まれながら
リアルに雷鳴に脅かされながらも
読み進めずにはいられません。
登場人物は枕木さん、熊埜御堂さん、郷子さんの3人だけなのに
それぞれの話題の中から個性溢れ、謎を抱える人物が登場して
一時も飽きさせませんでした。
近頃ミステリーを多く読んできて、純文学よりの本は久しぶり。
それでもミステリー感覚でのめりこめた本です。
本を閉じるのももどかしく、再読してしまいました。
ただし、甘いコーヒーの飲みすぎでお腹いっぱいにはご注意を。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ネスカフェ好きやなあ、枕木さん。電車とか職場なんかで他人の会話が耳に入ると不愉快だったり退屈なのにこの3人の会話を読み続けるのが楽しいのはどういうわけだろう。あ、でもクリーニング屋のマダムのくだりは電車で他人の会話聞いてるみたいだった、、。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
独特の雰囲気、自分も同じ空間でお茶を延々と飲みながら話を聞いているような感じは面白いものの。落とし所が早い段階で見切れてしまうため、読後感に虚しさが残る。飛行機の、しかも長距離移動で、見たい映画も無くて、手持ち無沙汰に読むような時にはいいけれど、といった感じ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
堀江敏幸の文章は、内容だけでなく、余白のひろがりを感じさせて、読んでいるだけで心地よい。その人がいるだけで心が落ち着く貴重な友人との会話のように。
その心地よさを心ゆくまで堪能させてくれる、ふしぎな「探偵小説」だ。依頼人と、探偵(なんでも屋)と、その助手の話であるはずの3人の会話は、脱線、迂回、遅延をくりかえし、くりかえして、まるで糸がゆるゆるとほどけては、また絡まってかたちをつくる。その果てない運動のような会話がつくりだす、見たことのないほど心地のよい小説の空間がある。
定番中の定番たるネスカフェにクリープ、スプーン印の角砂糖を入れた「三種混合」インスタントコーヒーであるとか、お腹がゆるいときに冷たいコーラを飲んではいけないのだとか、釣りかけていた魚を逃したときの手ごたえと、風船を放してしまったときの手ごたえとは、同じようでいてまったく逆なのだ、とか。この、話の本筋にはまったく関係のない細部が、小説世界にゆたかな奥行きをあたえて、読む者をあそばせてくれる。もう会えないひとを思うとき、話していた内容よりも、そのときのしぐさを懐かしく思い出すように。
謎をしかけて伏線を張り、すべてをきれいに回収してみせるような、小賢しい小説の対極にある、何度もくりかえし訪れたくなる部屋のような小説。コーヒーの染みみたいなブックデザインも秀逸。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「過去のかすかな愛おしい…
日常がめくるめく一瞬を連れてくる…
愛の記憶がせつないに着地するラストが秀逸」
(マキヤさん)
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
久しぶりに,好みの小説に出会った気がする。主人公たちの数時間の邂逅を軸に,場所や時間をいきつもどりつしながら,何となく,気持ちが昇華していく物語。文章が端正で,かつ,どの主人公もほどよく個性があって,優しい。著者は男性なんだけど,読んでいるうちに女の人の文章かと思っていた。さとこさんが面白すぎるからかなあ。しかし,枕木さんのコーヒーの量がハンパなくて,読んでるうちに自分の口の中も,もったりしてきました・・・。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
『河岸忘日抄』にちらりと登場する探偵の枕木さんが主人公の小説だった。河岸~は大好きな小説なので、連作のようでおもしろい。ただ、探偵も依頼人(熊埜御堂氏)も出てくるのに、いっこうに事件らしきものが起こらない。雷雨に閉じ込められた事務所でコーヒーをのみつつ小腹がすいたらスパゲティを食べつつ、昔の案件の謎や回想話、友人知人について、記憶をたぐりよせてはただ話しているばかり。なのに、充実。たのしいのである。やがて、空が明るくなってくる頃、熊埜御堂氏は帰っていくのである。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
雨の降る中の会話に、私も加わっていたっけ、なんて記憶が混同する。
閉ざされた空間の中で語られる話は、本の中の会話でさえ、蠱惑的。引き込まれる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
謎解きを思わせる煽り文句だが、実際は豪雨に閉ざされた事務所内で探偵と助手と依頼人の3人がするすると、お互いが語った言葉から思い出されることを話続けている。手品の旗の様。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
いくつかの小説賞はとってはいるがまだまだ無名な作家堀江敏幸氏の『燃焼のための習作』を読了。帯に完全にだまされた。『終わらない謎解き、解け合う会話、密室の探偵と助手と依頼人』とあったのでてっきりサスペンスか推理小説かとおもったらところがどっこい全く違い一つの部屋の中でかわされる三人の会話を高密度ですべて収録した形を取る不思議な小説だった。嵐の中事務所に来た依頼人と探偵と途中で事務所に戻ってきた助手の女性とがかわす珍妙なやりとりから三人の人となりが浮かび上がってるという巧みな仕掛けに気付けば面白いし、気付かなければこんなに読みにくい小説は無いかもしれない。好みは分かれるだろうが、密度の濃い読みにくさに耐えられそうな方には是非挑戦してほしい小説だ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
どうも私にとって堀江さんは読むタイミングを選ぶ作家さんの様です。
以前『いつか王子駅で』の感想として「本を読むには、やはりそれに適した時期(というか、読み手の精神状態)があるようです。何度か読みかけては挫折したこの小説なのですが、今度はじっくり楽しみながら読むことができました。」と書いていました。
今回はそのタイミングでは無いのに無理やり読了したような気がします。
運河沿いに建つ雑居ビルの中の事務所に嵐で閉じ込めらた三人、探偵のような事をしている中年の男・枕木とその助手の郷子さん、依頼人?の熊埜御堂(くまのみどう)氏。全編、この三人の思いつくままに繋り続ける会話で出来た小説です。
一気読みする本では無いですが、それにしてもとぎれとぎれに読み過ぎました。おそらく何かの仕掛けがあるのでしょうが、それがつかめぬまま読了。
いつか読み直せば、また評価が変わる話だと思うのですが。