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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.9

評価内訳

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紙の本

世界正義を「騙る」蛮行を防ぐため、世界正義を「語る」ススメ

2022/02/28 17:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あごおやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

民族の歴史も政治体制も、宗教も文化も異なる世界各国ならびに人々の間において、「国境を越えて妥当する正義の探究」の意義・必要性を説く一冊。
法的拘束力の観点からそもそも国際法は「法」と言えるのか?…という議論が従来ありますが、本書は、法が「正義への企て」である以上、国際法(世界法)は「世界正義への企て」である、従って、国際法が射程とする「世界正義」とは「何なのか?」を先に詰めよう、というスタンスです。定義が曖昧なままでは、「グローバル化により権力強化と利益増進に成功した者たちが、グローバル化によって犠牲にされている人々に対する支配や搾取を合理化する『勝者の正義』のイデオロギー装置として、世界正義の言説が容易に利用される」という危険性を回避できないからです。
本書では、議論のテーマとして「国家体制の正統性」「世界貧困問題」「戦争の正義」「世界統治構造」を挙げますが、その前段階として、第2章において「メタ世界正義論」なるものが取り上げられます。すなわち、そもそも世界という大舞台で正義が機能するのか、正義などというものを振りかざすから平和が脅かされるのではないのか、「世界政府」なるものが存在しないのに正義を語る意味はあるのか、といった疑念に答えます。
第4章の世界貧困問題では、世界における年間の貧困死者数がホロコーストのユダヤ人犠牲者の3倍に上る中、アメリカなどの経済大国が、自国が信奉する正義の押しつけのためには多額の軍事費を投下し容易に国境を越えながら、他国の経済的貧困の解決には、僅かな経済援助を出し渋る欺瞞的態度を問題視します。その根底に、例えばロールズが「政治的リベラリズム」への変節に伴い、国内的にはリバタリアニズムの能力自己所有論を批判しながら、世界の貧困問題については能力自己所有論を振りかざして分配正義のグローバル化を拒む、というダブルスタンダードがある、と指摘します。
第5章の「戦争の正義」では、「最も正しい戦争より最も不正な平和を選ぶ」というキケロの言葉に象徴される「諦観的平和主義」を「結局、正義理念を密輸入せざるをえない」ため自壊的である、と排除した上で、「積極的正戦論」「無差別戦争観」「絶対平和主義」及び「消極的正戦論」の四類型を示し、戦争の正義論を展開します。このうち、「自衛権行使手段としての戦争を承認しつつ正当戦争原因をそれに限定する消極的正戦論」を基本とし、戦争を正義の規律に復せしめるべきである、とします。
第6章では、世界正義を保持するための統治構造はいかにあるべきか、を検討します。「世界政府」は専制の極限形態であり、EUに代表される「多極的地域主義」は対立の先鋭化を招き、NGOなどの「世界市民社会」は、「途上国の国民に対する答責性を担うことなく、その政府の政策選択に支配的影響力を行使」する影の部分を抱えている、とします。著者は、脆弱性を共有した国家による、非覇権的・非階層的な秩序からなる「諸国家のムラ」構想がふさわしい、とします。これは、ネグリ=ハートの「マルチチュード」の概念に近いものでしょうか。
ロシアのウクライナ侵攻は、軍事力による露骨な現状変更の蛮行であり、断じて許されるものではありませんが、一方で、イラク侵攻の際にアメリカが語った正義を額面どおり受け入れることもできません。普遍性のある理念でもって世界の安定を図ることは迂遠で、単なる理想論だと片づけられます。しかし、世界において正義を「騙る」ものが台頭し蹂躙を企てることを防ぐには、普遍性のある正義概念を世界が「語る」ことが必要だと思わせる一冊です。

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紙の本

世界正義の考え方

2020/01/16 10:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る

国境を越え覇権を裁く正義としての世界正義は実現可能か。世界政府が専制化した場合の個人の避難場所はない現状を非難し、主権と人権の共起源性から世界正義実現を熟考した哲学的思考書。

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紙の本

深く広く

2019/05/28 16:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る

世界正義論として本書で扱う個別の論点が扱われる理由か明らかにしたうえで、それぞれの論点を掘り下げるのみならず論点横断的な考察もふんだんになされる。 正義概念等これまで著者が獲得してきた概念や精緻な論理的分析を道具として、既存の概念や学説を批判的に検討する議論が行われている。そのような議論の中で、少なくない数の見解やそれに関する一般的な理解の問題性を明らかにしたところに、本書の価値があるように感じた。

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2013/02/21 11:04

投稿元:ブクログ

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2013/06/15 07:29

投稿元:ブクログ

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2018/10/13 08:22

投稿元:ブクログ

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