経営学を幅広く俯瞰できた
2019/04/24 11:44
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投稿者:ルイージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
他のレビューにもあるが、もうけっこう前に出た本だけど、内容は幅広くて、古典から最新、右から左までいろいろな論文を引用してて、経営学の論点を幅広く紹介してくれていた。もちろん詳細は他の本を読む必要があるけど、入り口としては全体像を俯瞰して見られ、文章も読みやすかった。例えばマイケル・ポーターの「競争戦略論」が、経営学全体のどのあたりに位置するのかも、大変よくわかった。
学術的経営学が手軽に
2018/05/28 19:41
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営学と言えば、日本ではドラッガーやポーターなどの名前が出てくるが、本書の初めにドラッガーは経営学では扱わないというところから本文が展開される。この文章を読んで驚かれる読者は多くいるのではないだろうか。その文章の後では、ドラッガーのような思想的な内容ではなく、統計学などを駆使した純粋に学問的な経営学について身近なビジネスの話題を取り上げながら紹介されていく。中には、日本のビジネス界の常識とは真反対の内容が記述されていたりするので、他の経営学関連の本とは一線を画す。ちゃんとしたエビデンスを基に練り上げられた本書を読む価値はあると考えられる。
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投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営学と、それと混同されがちな自己啓発の区別を行なった上で、他方で著者のバックグラウンドである経済学などと比べると歴史の浅い経営学の現状を論じる。自然言語でどこまで論じることができるのか、事実の発見をより評価すべきでないか、といった問題意識は他分野にも通じるものがあると感じられ興味深かった
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「ポーターが古い」とかっていう単純な議論じゃなくて、歩みを止めずに科学になろうとする経営学がどこに向かっていて現時点ではどのようなものなのかというのをざっくりと俯瞰する良書。
紙面の都合上、数あるトピックの中から一部を選ばざるを得ないが学部の授業で学ぶ経営学の先にはこんなものが待ち構えているのかとわくわくさせる。
しかし一方で大学に入ったばかりでこれを読んでしまうと大学の経営の授業に失望してしまう可能性も。
そうならないためにも受動的に授業を受けるだけでなく、『ハーバード・ビジネスレビュー』からはじめ、色々な論文に触れて自分の頭で考える習慣をつけられれば、すぐにではなくても経営学という分析ツールを使うというところまで到達できるようになるのではないだろうか。
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経営学のトピックをいくつか抽出し、フロンティアの議論を紹介した1冊。個人的には、その紹介されている内容よりも経営学はどうあるべきかについての方に興味があった。
①日本の経営学と海外の経営学(p35)
日本の経営学はケーススタディーが多いのに対し、欧米では理論→統計分析のアプローチが多い。定性的な研究では一般化がしにくいが、深く入り込んだ分析や統計では見えてこない(平均的でない)事例も分析できる。そうした長短を意識し、研究に臨みたい。
②多種のフロンティア
いくつか気になったものをピックアップ
・ 競争優位は一時的な連鎖である
・ 何を知っているかよりも、「誰が何を知っているか」を知っておくこと(トランザクティブ・メモリー)
・ 弱い結びつきの方が幅広く多様な知識を得られる。強か弱のつながりどちらを重視するかは、ソーシャルを扱う目的により異なる
・ リアル・オプションによる段階的な投資方法
③経営学に未来はあるか(Part3)
「理論偏重による理論の乱立化」、「“おもしろい研究”が事実の分析を妨げる」、「平均値では独創性を分析できない」など、現在の経営学における課題を挙げている。これらを解決するための進化を通して、やはり方法論を学ぶ重要性を感じさせられた。多種の主張がなされているが、その主張がなされた背景を理解し、論理的に他者を納得させるような研究をするためには、それぞれの研究方法や方法論をしっかりと学び、使えるようになる必要があると思った。
また、あとがきにある実証的か規範的かの部分も経営学にとって大事な問いであると感じた。
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-引用-
トランザクティブ・メモリー
組織全体が何を覚えているかではなく、組織の各メンバーが他メンバーの「誰が何を知っているか」を知っておくことである。
人が組織として学習することの強みの1つは、このように各自がスペシャリストとして、それぞれの文やで深い知識を記憶することにあります。
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ちょっと背伸びしてこういう経営学をかじってみました。
この本は、最新の経営学のフロンティアの面白いトピックを
エッセイ風にまとめたもの。
ちょっと読み始めるのにハードルがありそうですが、
読んでみるととても面白く読める本だと思います。
まず、最初の掴みがうまい!
アメリカの経営学者たちは、ドラッカーを読まないらしい。。
これは、最新の経営学は、統計を駆使して、
現在の経営学の真理を追求しようと試みているからだそうです。
確かに、論文というものはそういうものなので、
読んでみると当たり前なのですが、
ハーバードMBAを初めとするケーススタディーが有名なだけに、
経営学はケーススタディー中心の学問だと勘違いしていました。。
研究とMBAで勉強することは、
違っているということなんでしょうか。。
その他、因果関係と相関関係の違いなど、
面白いトピックが満載の一冊です。
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経営学という学問の本としては初めてよんだかも
ポーターやミッツバーグの本は読んでいますが、それが経営学という
学問としては一部であること。いろんな流派。ディシプリンがあって
いろんな研究や理論があること。また、学者どおしの葛藤があること
がおもしろく読めました。
筆者の本をもう少し読みたいと思いました。また、経営学という
分野も読んでみたいと思いました。
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どうしても結果と戦略の相関関係が嘘臭く感じる。全て学者が都合がいいように、後づけしてるだけ?
だいたい、なんとか戦略だとか言って経営判断なんかしてないんじゃないだろうか。
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世界の経営学は何を研究しているのか?を紹介してくれた良書。普段からビジネス書や経営戦略に興味がある人は知的好奇心として読むのがいいのではないか。
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経営学のフロンティアが平易な言葉で色々紹介されている。読んでいて面白かった。産業組織論にも通じる点があると感じた。
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2013年一冊目の本を読了。経営戦略の中でも、今フロンティアで研究されているトピックを紹介する本。
1章から3章でまず経営学という科学について紹介。そのあとの章でフロンティアのトピックについて紹介。フロンティアのトピックで面白かったのは、一時的な競争優位の連鎖(4章)、トランザクティブメモリ(5章)、知の探索と知の深化の両利きの経営(7章)、ソーシャルと両利きの経営の関係、ストラクチュアルホール(9章)、超国家コミュニティ(11章)、事業計画におけるリアルオプションとCVC投資(12,14章)。
また、本書内で紹介されている理論で実証のために使っている数値の取り方、とくにイノベーションを特許そのものだけでなく特許の引用データを使っている点も興味深かった。
著者も、16,17章で触れていた通り、経営学がどれだけ実践に役に立つかという点で課題はあるにせよ、常に新しい視座を提供してくれていることは間違いない。継続的に新しい理論に触れていく必要はあると改めて感じた。
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はじめてこのような本を読んだ。
私自身、経営学部出身でもないし、経営の本も今までほとんど読んだことがなかった。漠然と、経営学ってどんな研究してて、どのように役に立ってるのか疑問だった。この本は、そんな私の頭の中に、「経営学」というもののベースを与えてくれた気がする。
とにかくこの本がすごいのは、ありとあらゆる経営学者の論文などを紹介、引用して、それがどのように使われて、発展して、そして役にたっているのか、未来はどうなのか、などありとあらゆる情報を教えてくれることだ。
そしてなにより、経営学者の研究内容だけにとらわれることなく、それがどのように実践されているか、いろいろな角度から教えてくれる。
この本をベースとして、ほかにも経営の本をよんでみたいなぁと思う。
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日本での経営学を見ていては分からない世界の経営学の潮流をエキサイティングにまとめた本。実務家にもこれから経営学の研究を試みる人にもお勧め。
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この本に書かれていることは経営学として科学的に検証され、多くの学者にコンセンサスが得られることだということがすごい。
1)近年は競争優位が持続できなくなってきており、その状況下では攻めの競争行動が有効
2)トタンザクティブ・メモリー(誰が何を知っているかをしっていること)を活用するのが組織の記憶力を高める上で重要で、これは自然に形成されることが理想で強制的にやると効率が落ちる
3)イノベーションには知の探索と深化の両利きの経営が重要で、これは経営者の認知の問題ではなく、組織・ルール作りの問題
4)ソーシャルには3つの枠組みがあり、どんなソーシャルな関係(強いむすびつき or 弱いむすびつき)が機能するには「目的」「知識・情報の質」「事業環境」が重要な要素。
など日頃会社で議論の対象となる話題に対する現在の経営学の知見がわかりやすく解説されてます。
超お勧めです。