読書は最善ではない
2015/03/28 08:54
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投稿者:衒学舎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ときどき高校生向課題図書に含まれる本書。はたして推薦者は本書を読んでいるのか。「読書は知性を磨く為には必要不可欠、且つ最良の手法である」と思って推薦しているのではないか。
本書で述べられている「読書は他人の頭脳で考えること」は、即ち、どれほど読書をしても自分で考えたことにはならない、ということである。つまり読書は、数学の問題に対して解答を写すことと同義である。
著者ショーペンハウアー氏は、頭が疲れているときは読書、を日課にしていた。
また、古い中国の思想である道家が言う「本は亡き者の思想の残骸」を、東洋思想に関心を持っていた氏は知っていたのかもしれない。
氏は読書を否定してはいない。また私見であるが、数学の問題が解けない時に解答を見ることも良策であろう。
大切なことは、自分の頭で考えられるようになることである。それを改めて指摘される著述である。
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投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
読者に対する心構えを書き連ねた本。もちろん、それだけでも読む価値はあると思うが、面白いのが作者に対する批判なども書いているところ。そういうと難しく思えてくるかもしれないが、硬い文ではないし、ページ数も多くないのでかなり読みやすい。
積ん読している人には耳に痛いことも書かれているが、それがいい刺激になるかも。
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投稿者:たか - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近のハウツー物にはない指摘が満載で、今読んでも、ズシリと響く重さがあり、正直耳が痛い部分がほとんどでした。だからこそ、出会えて良かった本ですし、今後何度も読み返すことになると思います。
古さを感じさせない
2019/08/02 23:05
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投稿者:菜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の読書の姿勢についてだけでなく、ネットの情報に振り回されがちなところにも
耳が痛い文章がちょいちょいあって面白かった。
自分の頭で考えることを放棄して書いてあることを鵜呑みにしてないかな
とちょっと反省。
ドイツ哲学者の至言
2022/04/03 12:41
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツの哲学者、ショーペンハウアーによる「読書について」。
読書の面白さや魅力ではなく、自分の頭で考えることの大切さを説いている。
いわく「読んだ者を全て覚えておきたがるのは、食べたものをみな身体にとどめておきたがるようなものだ。(略)読んだ書物で精神をつちかう(略)だが身体が自分と同質のものしか吸収しないように、私たちはみな、自分が興味あるもの、つまり自分の思想体系や目的に合うものしか自分の中にとどめておけない」。
仰せの通りである。
ただ、思想も何も、活字自体が読まれないこの時代、ショーペンハウアーが生きていたら、読書について同じことを言うだろうか。
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投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る
<自分の頭で考える><著述と文体について><読書について>の三部からなる哲学者ショーペンハウアーの新訳。
「自分の頭で考えているか、そうでなければ誰の影響を受けたものなのか。
自分の思考を自分で把握できているか。」というのは常に自分のテーマであるので、特に<自分の~>を読みたくて購入。
ふせんを貼りながらじっくり読んだ。
恥ずかしいことにドイツの哲学者やドイツ語について無知なので<著述~>は具体的に理解することは出来なかったけれど、迷いがある時や思考が自立できないと感じた時にはこの本に戻ってこよう。
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本当の良書だけ読み、とにかく自分の頭で考え、咀嚼しろと。
そのためにも悪書を読むな、そもそも書くなと。
…でも…良書を見極められるようになるまでには、色々な書を読まなきゃ…なのでは…?
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http://kumamoto-pharmacist.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-1db2.html
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神保町の古書店で買いました。
(2013年8月17日)
読み始めました。
(2013年9月21日)
読み終えました。
二十歳の頃、読んで以来。
(2013年9月23日)
たぶん、最初に買った岩波文庫は、この『読書について』です。
自分の本棚のその本に、No.1 と書いてあるので。
☆1つでしたから、中学生にも買うことができました。
最初に買って、たぶん最初に読んだ岩波文庫です。
「匿名」という漢字が読めなくて、辞書を引いた記憶があります。
(2013年9月24日)
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読書の素晴らしさについて書かれた本かと思って読んだら大違い。自分の頭で考えることの大切さを説いた本だった。
読書とは自分でものを考えずに、他人に代わりに考えてもらうこと。本で読んだ知識を自分の血肉にするには反芻し、じっくり考えなければならない。
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出版されている9割は悪書だと言い、評論者もそういうことをきちんと言えない輩ばかりだと罵る。
また、言葉の乱れにも提言。
読書好きなので「読書について」との題名の本は、ほっておけなくて手に取る。古い感覚だなと思いながら読むが、1800年代のものとは。ここまではっきり、バッサリの論調は、珍しく、逆に懐かしいと思う。そんな前の話とは思えなく、驚きはするが現代人の私の感覚とは合わず、共感しずらい。むしろ訳者が、なぜ今本書を訳して出した?と疑問を感じる。
著者の下記には共感。
読書するとは、自分で物を考えず、代わりに他人に考えてもらうことなので、楽だが怠惰な時間。
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読書法を身につけようと思いつつも、
その手の本がいまいち受け付けられず、それでも買った本。
内容としては、読書法については3分の1ぐらいの量で、
残りの3分の2は書き方について記されていると思う。
読書法というよりも、情報の取り入れ方、といった意味合いだと思うし
書き方というよりも、取り入れた情報をもとにした生き方、といった
意味合いだと思う。これらの具体的な意味合いをもとにして、
読書とのつきあいかたを、この本ではわりと痛烈な文体で読んでいける。
私がこの本から受け取ったメッセージとしては、
読書だけで生きていけると思うなよ、というものだ。
ただ読んだだけで、ただ量を多く読んだだけで、だから何?
それでお前は何が出来るの? 何をするの?
という風に、読書なんてものは、あくまでも人の書いた文章を
読んだだけであって、自分からは何にも生み出せていない、
という点を突きつけられたように思う。
さらに、世に溢れる本や、もしくは文章を軸にした情報媒体は
適当な単語と文体と文法で書かれている、読むに値しない文章ばかりだ、
とさえ批判する内容も多い。同じような意味の単語を、しかし微妙なところで
差異のある単語同士を、みだりに扱い、言葉を乱用していると批判している。
そんな批判がつらつらと続く内容に、ちょっと耐えて読み続ける必要がある。
読書について読みたかったのに、なぜ言葉の使い方に関する痛烈な批判や
注意を促されなくてはならないのか…というように、耐えて読むしかない。
しかし、書き方の批判は、書く側になったときに
その痛烈さと難しさが身にしみて感じるようになる。
というのも、自分もまた、ただ文章を読んで感動しているようだけど
それは実際には、その誰かの文章や思考を反芻しているだけに過ぎないからだ。
「読書は自分で考えることの代わりにしかならない。
自分の思索の手綱を他人にゆだねることだ」
この一言が、自分の考えを文字に乗せて表現しようとしたとき、
一気に重く辛く感じるようになる。
読むだけでは、何かを得ているように感じる。
しかし、何かを成し遂げてはいない。
そのことをきつく指摘されたと思う。
本を読み、感想を持ったり、批判をしたりするのは、すごく楽だ。
そこがひるがえって、文章を書く立場になると、まるで筆が進まなかったり、
ちゃんとした日本語を扱えているかどうか不安になったりする。
それは結局のところ、本を読んで得たものがあっても、
しっかりと自分のものに出来ていない証拠だと思った。
自分で何らかの形に仕上げ直せて、それで初めて、
読書を活かせたことになるのだと、改めて思い直させてくれた。
本を読むことを、いろんな視点や面から考えさせてくれる本でした。
本ばかり読んでる人や、読書さえあれば! という人は
読んでみると面白いかも。いずれにしても、読書から何かを得るだけに満足せず
何かを成し遂げないと、著者の批判先になってしまいますが。
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ショーペンハウエルの読書についての本。
どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、よほど数冊で、きちんと整理されている蔵書のはおうが、ずっと役に立つ。
古典を読もう。
大事な本は2回読もう。
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そんなに岩波文庫との違いは感じなかったけど、罵詈雑言が特徴的。なんかの新訳でもそう思った記憶。そこに時代性がよく表れるのかな。
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本を読むことが好きな人間で、この短小篇に凝縮されたショーペンハウアーの言葉に耳が痛くならない人はいないと思う。厳選された、価値ある書を取捨選択することを覚えなければ、その文化そのものが衰退する。正しい言葉を使い、良書を見極めることが、教養ある人間の責務だと。
文中ショーペンハウアーは、現代社会は生活のスピードが上がり、情報量が増しているのだから、こうした手を打たないわけにいかぬと論じているわけだけれど、ここで言う現代は今より100年以上も過去なのだ。この書は時代を超えて読まれ続けるだろうけれども、時流の大勢は常に彼の主張と反対に進んでいるし、その傾向は悪化している。古典、名作を読み継ぐことの重要性を、ここまで痛切に思い知ったのは初めてだった。