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津村記久子さんの描く世界ってなんでしょう
特別ではない日常なんだけれど、不思議な空気が
ふわっジワと。
二編とも冴えない男子の日々
でも、彼の中にある『真摯な優しさ』にグッと惹かれます。
「サイガサマのウイッカ―マン」
「バイアブランカの地層と少女」
タイトルが???だったけれど、読み終わって納得でした。
装丁のデザイン、中表紙の金紙はまだ謎ですが。
≪ 人のため 祈る心は 希望の灯 ≫
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不思議なお祭りを思いつくなぁ。主人公の回りが最後に良い方向に向いて嬉しかった。
バイアブランカの方では、主人公がお金がかからないからという理由で玄米と野菜入りの味噌汁を食べている部分を読んで、まるで土井善晴さんの一汁一菜のようだと思った。
どちらも他者のために祈り、奏功している。
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高校生、大学生にしては家のことをよく見て考えているなあと思った。自分を省みると、経済的にも人としても親に甘えてばかりだったんだなと思う。当時はそれで当たり前だと思っていたのが恐ろしい。働くようになって分かるようになった親の経済力、我が家の温かさ。箱入りと言われて初めて、自分が温室育ちだと気がついた。この本の主人公たちの、人間としての深み、みたいなものが好ましい。
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感想
祈る姿。他人の幸福を心から望むことは難しい。澄んだ心を持っているつもりでもどこかに翳りはある。それでも。あの人の幸せをお願いしたい。
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不幸から守ってくれる代わりに、身体の一部を持って行ってしまう神様サイガサマ。
但し、ひとつだけ絶対に持っていってほしくない体の部位を、粘土や石膏、編み物などで作り、申告物として奉納することで、失うことを回避できる。
主人公のシゲルが住む町では、冬至の日に人を模した巨大な籠の中に町民の申告物を投げ入れ燃やすという一年に一度の祭りが恒例になっている。
時間が経ってしまったので記憶が薄れているけれど、高校生の主人公・シゲルを中心に、祭りの準備をめぐり、不登校の弟やバイト先の公民館の人々、高校で別れ別れになってしまったセキヅカなどと関わっていくことで話が展開される話。
2作目に収録されている『バイアブランカの地層と少女』は、京都で観光案内サークルをしている大学生が主人公。
海外カルチャーに興味のある私からすると、地球の裏側に住むアルゼンチンの少女とオンライン上でやりとりしながら思いを馳せていく様がとても共感できた。
なかでも、大の飛行機嫌いのくせに、急に思い立ってアルゼンチンへ旅経とうとする臨場感に、とてもわくわくし、そうだよな、大学生ならお金さえあればふらっと行けるよな、と無性に羨ましくなった。
タイトルの『これからお祈りにいきます』という言葉が指すように、2作とも宗教に関する物語。
アニミズムの日本らしい作品で、外国人にも勧めたいと思える小説だった。
そのわりに、記憶が薄れてうまく作品の良さをレビューでアピールできないのが残念。
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『バイアブランカの地層と少女』のが特に好きやった!自分の為じゃなくて誰かの幸せや希望をお祈り出来るって素敵なことやなぁと心がふんわりした。
そっと、自分ではないけど大切な人の幸せを祈れることがみんなで出来たら、それこそ平和な世界になるんじゃないかと本気で思う。
疲れた時に読みたくなる本!!!