紙の本
古き大阪について
2016/01/23 09:14
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投稿者:東行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生時代に読んで以来数十年ぶりに再読。正統を含めて楽しく改めて織田作の
粋 を感じる事が出来ました。
紙の本
大阪ミナミのゲテモノ料理から
2021/10/08 15:00
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒門市場での食べ物屋経営がユーモアたっぷりです。働き者の蝶子と放蕩息子・柳吉のコンビも絶妙なバランスでした。
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「夫婦善哉」「俗臭」が良い小説だった。
生きることにたくましい人たち。
しかし太宰ほどに引き付けられないのは、何故だろう。
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◆学生時代はよさがわからなかった織田作之助。NHKのドラマがきっかけで、ふと読み返す気になりました。
◆あいもかわらず、ダメで過ちを繰り返す男と「生理に脆い」女の愚かで哀しく報われない・浮かび上がらない日々が記され、重ねられていく。なのになぜ、読後が暖かいのか。ただ生きている中の生にどうして肯定感を感じるのか。学生時代は気づけなかった。不思議な作家です。
◆「赤ん坊の泣き声が好き」ということに言及した小説が3篇。「赤ん坊の泣き声」=「生」を貴卑清濁に関わらず許し、愛する作家なのだと思い当たり、心が震えました。
◆成功しなくても報われなくても生き続けることが尊く思える。なんか、たまらないな。
◆一番気に入ったのはセンチメンタルな「木の都」。
【2013/11/26】
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NHKのドラマを観たかったのに、ずるずると見逃してしまったので
それなら原作を読んでみようと思い、手に取った。
「夫婦善哉」も「続 夫婦善哉」も終わり方がすごく良かった。
仕事がうまくいかなかったり、病気になったり、喧嘩したり、
人生は順風満帆な時よりも圧倒的に大変な事の方が多いわけで...。
夫婦の話ではあるけれども、生きる逞しさを蝶子と柳吉から
教えられたような気がした。
どれも似たような空気感の話だったけど
「放浪」「黒い顔」「聴雨」も好き。
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どの短編も、ストーリーの起伏はないが大阪の街のにおいと少しやるせないような独特の空気感で人情が心に染みる。みんな頑張って生きている。
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有名な表題作は、いかにも大阪的な小説で、軽快なテンポが小気味よい。柳吉はどうしようもない人物であるし、内容じたいも、起伏があるとはいえ、そこまでたいしたことが書かれているわけでもないであろう。しかし憎めないキャラクターであり、なんとも愛すべき空間が展開されている。とくに人物造形は秀逸で、むしろ、その生きかたに憧れすら抱いてしまう。ほかの収録作も同様で、いずれも大阪臭がぷんぷんするのだが、それがたまらなくよい。「俗臭」とか「木の都」とかはとくによかった。オダサクは有名なわりには太宰があまりにも凄すぎるせいでその陰に隠れてしまいがちであるが、本作を読めばなかなかどうして、埋もれさせておくにはあまりにも惜しい存在だ。昨年は生誕100年ということで、ドラマ化されるなど再評価の動きもあった。『夫婦善哉』の軽快なリズムはまさしく「夫婦漫才」そのもの。漫才がたびたびブームが起きてリヴァイヴァルするように、本作もいつまでも語り継がれる存在であってほしい。
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正続の夫婦善哉だけを読んだ.
こういうだめな男の系譜ってある時期まで綿々と続いてきたような気がするが,現代にもいるのかな.
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昨年は織田作之助生誕100年の節目の年。「夫婦善哉」は多くの出版社から出ているけど、続編「続 夫婦善哉」が収録されているのは文庫ではこの岩波版だけだと思う。この続編、2007年に未発表の遺稿から発見されたもの。正編が出てから67年、織田作之助の没後60年を経て、柳吉と蝶子の物語を再び読むことができるわけ。
相変わらず柳吉はダメぼんぼんで、そのたびに蝶子は振り回されるのもお決まりなのだけど、それでもやはり年を重ねて少しづつ変化しふたりの歯車はうまく回り出す。舞台を別府に移しているものの、正編と同じく情緒溢れる描写が読んで心地いい。
昨年製作された森山未來と尾野真千子のドラマ版はこの続編も取り込んだもので、今後「夫婦善哉」という時には正・続あわせて扱われるんだろう。だから、「夫婦善哉」読んだことのない人も、かつて読んだ人も、どちらも楽しめる文庫になっている。
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この歳になって、純文学にガッツリ嵌りました。
ええ、某文豪ゲームのお蔭なのですが、こんなに読み倒して居るのは学生以来なんじゃないか…。
昨秋ガラケーからスマホに替えて以来、青空文庫でどこでもこうした文学を読めるなんて、何て素晴らしい時代なのだろうとか噛みしめていたのですが、この『夫婦善哉』の続編は青空文庫に無かったんですね、残念。
なので、コレクションも兼ねて久しぶりに紙の本を買いました。
織田作『夫婦善哉』初読は十代の頃だったと思うのですが、只管蝶子さんが可哀想でならず、何が良いのかさっぱりわからなかったなと記憶していますが、この歳になって改めて読むと、しみじみと、染み入る様にくるものがありまして。織田作の作品には、多く「困った人たち」が登場してくるのですが、誰もかれもなぜか愛おしくなります。『天衣無縫』しかり。『六白金星』しかり。織田作自身と、その経験が下敷きになっているのだろうと思うだけでも、ファンとして作品に触れる事で幸せな気持ちになれます。
ありがとう青空文庫(笑)
この短編集には他に『蛍』も入っていて更に嬉しいです。寺田屋事件の話だと気付くのにだいぶかかりました。
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織田作之助の作品に出てくる男たちは、誰もが所謂ダメンズで、片や女性はとてもしっかりしている。ただ、男のダメなところも愛嬌があって、自分もあんなふうに脱力感満載で生きられたら楽かもな、とふと思うこともある。そんな男たちを甲斐甲斐しく世話する女性たちは、器量良しではないようだが、心根が美しく、素敵な女性たちだ。
怠惰な男性と甲斐甲斐しい女性の対比で男女の機微のようなものを浮かび上がらせている。男女間によくあるドロドロしたところがあまりない、読後は爽やかな感じもする短編集。ダメンズ好きな女性は是非。
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時間あったら読もうと思っていたけど、意外と読めず「夫婦善哉」と「続……」のみ。自由軒が出てきてちょっと笑った。いわゆるダメ男で、そもそも妻がいるのに駆け落ちていうどこまでもダメな男なのに、その男が結局ほっとけなくてしょうがない。少し病的なところもあったりするのかも。「続……」は最近見つかったものらしく、続きではあるけれど場所が移った番外編的なものにも見える。この後、どうなったのかも少し気になるけど、蝶子がやはり苦労するんだろうなあ。
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○目次
夫婦善哉/続 夫婦善哉/雪の夜/放浪/湯の町/雨/俗臭/子守唄/黒い顔/聴雨/勝負師/姉妹/木の都/蛍
○感想
織田作之助の、自身が育った「大阪」の庶民を描いた「大阪」の小説と、読んでいて感じました。登場人物の多くは本当にどうしようもない人達が多いのですが、彼ら彼女らがその「大阪」人としての奥底の意地というか心性が、最後に気張った行動をとるのかなと感じました。
なお、本書中に、自分自身が関西に住んでいたころに通ったことのある自由軒カレー等実在のお店も登場したりと、関西に住んでいる、または住んだことのある人には実感できることが多いかもしれません。
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表題作を含め十四の短編集
一つひとつの作品の中で登場人物が生き生きと動いてると感じました。
時に前向きに、時に反発し、時に流されながらも生気に溢れ懸命に生きてる人達が羨ましくも思いました。
落ちにしんみりし、ほっこりさせてもらいました。こんな感覚はなかなか味わえません。
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佐藤氏の解説の「その文章に嘲笑はあったか。嫌悪はあるか。蔑みはあるのか。______ない。「市民」としての......」と続く云々の箇所でその通りだと思った。シリアスな話なのに思わずくすっと笑えたり、逆に笑いたくなるほど哀れでも真に迫ってるから一概に愚か者として扱えない登場人物に心寄せたくなったりする。
作之助の作品は、「郷愁」と「青春」がぐるぐる廻って綿あめみたいに膨らんでいって作られていると思っている。