紙の本
騒がずに、しかし、じっと苦しむ&考える
2020/07/12 20:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトはどうせいつか死ぬ。本書は、それを十分実感させる程度の病に罹ったとき、やってくる苦しみとか混乱の話。それらが非常に厄介であり、病自体は死ぬほどの重篤さではないから、いつしか他人に理解されず、ごくごく個人的な苦労に成り下がる。
本書は、その経験を無理やりにも、乗り越えられたヒトの話。よくあるがんの闘病記とは一線を画し、そして、健康なヒトには、各種の闘病記よりも、こんな話のほうが有用なんだなとふと思う。
紙の本
こんなの書ける?」
2017/09/14 19:25
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分のことをこんなにさらけ出せるなんて。
すごいです。
とにかく内澤さんが好きだ。
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201308/癌を患った著者の身体にまつわるエッセイ。こういう視点・考えのものってなかなかないし、かといって不快さもなく読みやすい名著。老若男女問わず読んで欲しい一冊。
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乳癌を患った著者の「身体」についてのエッセイ。
元気なときと、そうでないとき、というのは癌に関わらず、気持ちが大きく違う。
普段ならばなんでもないことが、ちょっと風邪を引いていたり、小指をケガしていたりといったような実に些細なことでもままならなくなってしまう。逆にほどよく運動すれば、仕事もこなせるしご飯も美味しく食べられる。自分も「身体のいいなり」なんだな、とつくづく納得した。
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全然ポジティブじゃない感じの闘病記。でももし私が癌になったら同じように感じ、考えるかもと思う人は結構いると思う。
ただし、スタイルはクールながらも筆者の実際に行っている事、その行動力はやっぱり秀でている人ならではだと思う。
全く余計なお世話なのだが、ひとつ気になったのは、配偶者とのこと。そもそも相手のどこが良くて結婚したのだろう?関係があまりにもクールなので。
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―――なんか癌なのに 元気になっちゃったんだよ―――
講談社エッセイ賞受賞作。
アトピー、腰痛、無排卵性月経など、生まれてからずっと百パーセント元気で健康だと思えたためしのない著者が、乳癌になった。
癌の治療にと、はじめたヨガで、人生は生き生きとよみがえる。
著者のひねくれた物言いが、私には心地よかった。
―――人間なんてどうせ死ぬのに、なぜみんな致死性の病気になると深刻になり、治りたがり、感動したがり、その体験談を読みたがるのか―――
癌になりました、の本の最後が、そして彼女は死にました、ではなく
元気になっちゃいました、だからイイのだ。
癌じゃないけどだるいし、百パーセント健康じゃない。
そんなひとってたくさんいて、ひとって切羽詰らないと動けないんだと思う。
著者は癌になったからこそ、自ら動いて健康へ近づいた。
癌は、そのきっかけだった。
もちろん、癌にもレベルがあって、彼女は運よくとても軽度の癌だったから、という大前提のもとである。
じゃあ、わたしは?
まだ何も発症していないうちから自ら動けるかどうか。
身体のいいなりになるか、意志をつらぬくか。
そこが問題だ。
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自分の身体に無関心ではいられない年になってきた。おぼろげな不安はいつもある。なのに、見て見ぬふりをしてやり過ごしてしまうのを、止めてもらったような気がする。ちゃんと身体の声に耳を傾けよう。とりあえず、できることをやろう。と思って、ヨガを始めてみるあたり、影響を受けやすい。でも、なかなかよいです。結果オーライ。
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筆者が38歳の時に診断を受けた乳癌という病。フリーランスの人間が病気になるとはこういう事だと身をもって体現しているということと、ともすれば思い内容を軽快な筆致で書けるのは筆者の力量であると思いました。
本書はずっとずっと読もうと思っていましたが、僕の心の中の本棚に『積ん読』状態になっていて、最近文庫化されたのを機会に読んでみることにいたしました。内容はというと、筆者が38歳の時に乳がんと診断されるという衝撃的なオープニングで、この手記は始まるわけですが、筆者の筆致の軽快さとフリーランスという『寄る辺なき』立場の不安定さというコントラストが最後まで綴られていて、自分のしたい仕事をフリーランスという立場で行うことの「負」の部分が浮き彫りになっていて、こういう仕事の形態を選ぶと、自分が病気に倒れたときにはこうなるかもしれませんよ、というシュミレーションが出来るかもしれません。
ただ、筆者も乳癌を宣告される前は腰痛、アトピー性皮膚炎、ナゾの微熱、冷え性、むくみ…と様々な病を身の裡に飼っていたのでありました。しかし、筆者が癌治療の副作用を和らげるために始めたヨーガのおかげもあって、体調が回復し、筋肉もつき、さらには仕事も舞い込み始め、事態は少しずつ好転していくということも起こってくるのです。そのうえ、長年アトピーの関係で控えていた化粧もするようになり、女性らしさもとりもどしていくのです。
そして、女性としては重大であろう乳腺全摘出を決断するのです。文庫版には本書が単行本で刊行されてからの『後日談』が追加で収録されており、『癌とのつきあい方、自分の仕舞い方』と銘うたれた内澤旬子×島村菜津さんとの対談と、豚を飼い、配偶者と離婚したということも記されております。量はそんなに多くないのでさらりと読めるのですが、内容はとても深いので、これはぜひお勧めしたいと思います。
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腰痛、アトピー、ヨガのこと。そして乳癌。友だちの死、東京事變「告知」
「因果を問われることには徹底的に反発してきた。癌だけでなくあらゆる病気は、いや人間に降りかかるすべての不幸には、理由はないと思っている。ただどう対処するか、どう向き合うか、それだけだ」
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死ぬかもしれないけど死なないかもしれない、そんな状態で生きなきゃいけないことの過酷さを実感しました。治療費もかかる上に病でろくに働けず、サポートしてくれる人もいなかったら?病と貧困。なんて恐ろしい…
だけどそんな状況下でも色々なことに冷静に対処し、生きていく内澤さんはすごい。癌の友人を亡くして落ち込んだエピソードや、傷のある再建した乳房への思いや、苦しくなるような箇所もあるんだけど、それでも一貫して静謐で知的で、夢中で読みました。
癌になってしまった人におすすめしたいし、私が癌になったとしてもまた読み返したい一冊。
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千葉県旭市で豚三頭を育てて食べるまでのルポ「飼い喰い」の著者(43才、出版時点)が、「飼い食い」執筆と同時進行で書いたもうひとつの著書。乳房全摘⇒再建の合計4度にわたる手術と、その後の治療経過の記録。タイトルどおり、カラダのコンディションに左右されるように人生が回っていく様子をドライに記述。
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闘病記、なんだと思う。内澤さんの自意識との葛藤が面白い。同年代の女性にはぜひ読むことを勧めたい。単純に、面白いから。
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恵文社一乗寺店来店記念に購入。
時間がなかったので、ちょちょらに買った割にすごく面白かった。
闘病記じゃない闘病記。いや、筆者は闘病記ではくくられたくないと思う。
妙齢ならでは。
老齢ではなく、かといって、子どもが居るわけでもなく、、という。
すんごく親近感がわいた。
絶対死にたくない、とまでは思えない。
かといって、なにもせず、病と闘う気力がある訳ではない。
対談と後記で、離婚したことを知るが、うん、それがいい。
そして、読み進めていった筆者のイメージが、くるっとひっくり返った、対談にあた筆者の近影。
こんなに美人だったのか、、、。ちょっと裏切られた気分だよ、、ママン、、(笑)
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著者の癌り患前の生活は「そりゃ体の声を無視しすぎやろ・・・」と思うが、それも出産を経て自分の体と向き合う経験があった経産婦であるためなのかもしれない。ヨガと出会ってからの著者の変化が驚異的。がん闘病記であるかもしれないが、それは単にきっかけにすぎず、がんであるということに動じずに自分の考え方で体の声に対峙していく著者の姿勢が読後に残る。みんなもっと「身体のいいなり」になるべき。
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割かし気に入ったエッセイだったので、単行本を読んでいたにも関わらず文庫版のコレも読んでしまいました…。
まあ、取り立てて内容に違いなぞ無いんですけれどもね…あ、最後の、誰かさんとの対談は単行本の方にはありませんでしたねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
アトピー性皮膚炎やら鼻炎やら…そういったアレルギー持ちの人は癌とかには罹り難いみたいな記述をどこかで見た記憶がありますけれども、アトピー持ちの著者はこうして乳がんになっている現実があり…健康なんてどうなるかわかんないな! と率直に思いましたよね…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
けれども、著者は乳がん手術をした後、身体が今までにないくらい健康になってしまったんだとか…乳がんとか診断されたけれども、実際は違ったのかも…? と僕などは思うんですけれども、こればっかりは分かりませんね…。
ともかく人は必ず死ぬんだ!! ということを病気になって初めて自覚させられたとか…そんな感覚が芽生えましたね、僕ん中で。
もちろん僕は男性なのであまり乳がんになる確率は無いのですけれども…他の癌に罹患した際は本書を読むと少しは気晴らしになるかもしれんですな! おしまい…。
ヽ(・ω・)/ズコー