紙の本
「四季」を聴きながら
2021/01/01 23:05
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2019年に直木賞を『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』で受賞した作者の2011年の作品(この作品は本屋大賞の3位、この年の大賞が三浦しをん氏の「本を編む」、こりゃ強敵だ)。何の予備知識もなく読むというのが私の基本的な読書スタンスで、直木賞受賞作が浄瑠璃作家の近松半二を描いたものだということだけは受賞時の報道で承知していたので、この作品も時代物なのかと思っていたら、時代物は時代物でも18世紀のイタリア統一前のヴェネツィア、作曲家ヴィヴァルディが死去したことから始まるお話だった。これは、予想外。途中からは彼の作品「四季」(これしか知りません、ご勘弁を)をCDで聴きながら読んでみた、だからどうなのかと聞かれると辛いが、18世紀のヴェネツィアの雰囲気が少しでも味わえるかなと思っての行動だった
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ヴェネツィア
2019/11/06 19:32
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴィヴァルディについては全く知りませんが、18世紀のヴェネツィアに自分も入り込んだように楽しめました。
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「音楽」のような小説
2015/11/14 11:27
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品で初めて大島真寿美さんを知りました。
「ピエタ」というと、ミケランジェロの有名なマリア像を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、この本は18世紀のヴェネツィアに実在した孤児院ピエタを題材とした小説です。あの有名な作曲家ヴィヴァルディの死から、物語が始まります。
流麗な文体、交錯するストーリー、俊逸な感性、小説を読む面白さをまた一つ発見できた傑作です。
(なお、どうしても「ヴィヴァルディ=四季」という図式になっている感じがありますが、ヴィヴァルディは非常に多作で、素晴らしい曲が数多くあります。もっと評価されるべき天才です)
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴェネツィアって不思議な都市。
島と島が橋で結ばれてたり、運河が張り巡らされてたり。
だから、本の中で本土っていう言葉も出てきてた。
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伝記ではない!
2018/09/20 16:53
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作曲家ヴィヴァルディの伝記物かなと思って読んだら、ヴィヴァルディに関わる女性達の話でしたね。最初、読んでるうちは、なかなか入りこめなかったんですが、読み進めるうちに18世紀のヴェネツィアの風景、情景が浮かびあがり、優しい文章で温かく優しく包みこんでくれ、ラストシーンは、ウルッとしちゃうくらい美しいですね。ヴェネツィアの歴史も覗くこともできて、イタリアに行きたくなりました。ヴィヴァルディの曲を聴きながら読むと、さらに良い作品になるかもね。
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単行本は2012年本屋大賞の第3位。
確かに『本屋大賞』っぽい傾向で、これが上位に食い込んだのも頷ける。
1枚の楽譜を探索するというのが物語の軸になっているが、謎そのものは割合にあっさりしていて、『ピエタ』の娘たちとヴィヴァルディとの関係、或いは登場人物の心情が主眼になっている。
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ピエタ慈善院で暮らす孤児たちの音楽の先生はヴィヴァルディさん。成長してそれぞれの役割の中で暮らしていても彼女たちはいつも音楽と共にある。よりよく生きよと奏でる音楽と共に。
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最近、仕事が忙しく、なかなか本を読む時間もなかったのだけど、出張が入って車中の友として漸う読み進む。
18世紀のヴェネツィア、作曲家ヴィヴァルディと、彼を慕う女性たちの物語。
登場人物の心の機微が見え隠れする文章は、昔々に岩波文庫で読んだ中世のフランス文学のような香りともどかしさ。
失われた楽譜を巡り展開するお話がぴたりと嵌るラストがきれい。
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作曲家ヴィヴァルディの死の直後から、物語が始まります。
場所はヴェネツィアで、語り手は、ヴィヴァルディに音楽を教えられた「ピエタの娘」、エミーリア。
ミステリ、という程の謎でもないけれど、色々とばら撒かれていたパーツが、最後にはきっちりとかみ合い、すっきりとした読後感でした。
中世の話なので、勿論、ヴィヴァルディを始め、歴史上の人物も登場するのですが、敢えて名前を書かれていないマリア=テレジアや、伝説の娼婦ヴェロニカの存在に、ちょっとにやりとしてしまうのも、楽しい仕掛けです。
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文庫化につき再読。
単行本時レビューへ
⇒ http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-929.html
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アントニオ・ヴィヴァルディの話かと思っていたけど、違った。彼に関わった女性たちの交流の話。ピエタのエミーリア。ドゥオド家のヴェロニカ。コルティジャーナのクラウディア。ヴェネチアのカーニバルなんかも登場するが、とにかく静かな物語。
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子どものころ、NHKで日曜の夜によくやってたアニメを見ているようだった。異国のまったく知らない世界。名前に音引きが入ってる、それだけで憧れたような。
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音楽や風景とあわせて、映像で見たい一冊。
作曲家ヴィヴァルディを軸にして、まったく無関係であったはずの女性たちがつながっていく。表紙を見て少女時代の回想がメインになるのかと思っていたけれど、そうではなくあくまで年を重ねた彼女たちの物語でした。
かつてのようではなくなったピエタの様子、そしてヴェネツィアの様子がやっぱり切ない。
「時は流れるのだ。容赦なく。」
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ヴィヴァルディ先生が亡くなってから、ピエタの娘・エミーリアが過去を旅する 的な。ヴェネツィアが舞台。
静かな感じで物語が進んでいくけど、エミーリアの過去だったりヴェロニカの楽譜だったり、謎要素なんかもあったりして、飽きずに次々読んでしまう。
登場人物は主に女性、色んなキャラクターがおって、みんないい
特にコルティジャーナのクラウディアさんは本当に素敵な人だと思った。
ヴェネツィアに行ってみたくなった。
感動した。人生について考えた。
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18世紀の作曲家ヴィヴァルディと、彼を慕う何人かの女性たちを巡る物語。
ヴィヴァルディの死から物語が始まるのだけれど、感傷や感慨に浸るのではなくて、
むしろそれをきっかけにして、主人公の世界が広がっていく感覚が心地よかった。
失われた幻の楽譜を探すうちに彼女がどんどん積極的になって、行動的になって、
気付けば彼女は晴れた空の下、ヴェネチアの河に浮かぶゴンドラに乗り、穏やかな波に揺られ、
昔話を語り合える友と一緒に歌を口遊んでいた。
まるで死んでしまった作曲家が彼女を連れ出して導いたみたいに。
物語の傍らにはいつもヴィヴァルディの音楽が流れていて、ゴンドラを運ぶ水の音が聞こえていた。そして「ピエタの娘たち」の話し声も。
「音」が「空気の振動」であるのならば、彼が作った音楽も、彼女たちが息をしたその空気も、きっと今でも、私たちのすぐ近くにあるはずだ。
とても暖かい小説だった。