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自他共に認める藩で一番の臆病者の伊東七十郎が、いわくありげな刺客を命じられる。
逗留先の木賃宿では怪しげな連中に弄ばれるものの、そのあまりに真っ直ぐな心根のお陰で徐々に信頼関係を結んでいき、、、。
時代物といっても有名な藩や武将に纏わる話ではなく、また下町を舞台にした人情物でもなく、成長と友情と淡い恋心を伴う清々しい青春物語でした。
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藩一番臆病な男がまさかの暗殺者として抜擢、その意図とは、また果たして彼は立派にお役目が果たせるのか・・
まずこのアイデアが面白い。
臆病者なりの戦い方、臆病者なりの筋の通し方、臆病者ゆえの律義さなどから、彼は臆病だが立派な武士の心を持った男だったことがわかるという趣向が秀逸。
特に第12章での感動の嵐・・すべてはこの章のラストフレーズのための序章に過ぎないとさえ思わせます。
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理不尽な世の中で辛い目に合わされながら、どうすることもできない「弱者」たちが、それでも手を取り合って踏ん張り、ぎりぎりのところで一矢報いる。「スイミー」のような力強い陽の物語ではないが、じんわりと、それでも生きていこうか、くらいの気にはなっていく。希望のほのかさの加減が、ちょうど良い。
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藩内で最も弱く臆病な伊東七十郎が刺客を命じられた。雨で川止めとなり、木賃宿での滞在を余儀なくさせられる。そこで盗賊一味と関わりあっていくのだが、果たして使命を果たせるのか?どんな結末になるのか?あっという間に読破。読後感良好。
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情けなく臆病な主人公に最初は頼りなさしか感じなかったけれど、それでも最後の部分は踏ん張れる強さがある。
普段とここぞと言う時のギャップから、格好いい!と思っちゃった。
力を貸してくれる人たちもまた理不尽な人生を押し付けられた苦労人なので、これから幸せになって欲しい。
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藩で一番の臆病者と称されている軽格な身分の伊東七十郎が刺客を命ぜられる。
川止めが解除されるまで、木賃宿で悲しい宿命を追っている一癖も二癖もある連中と相部屋となり、共同生活を送る。武士としてふれあうはずのない人達の悲しい宿命を知り、いつしか七十郎は、大切な友として、この者達を守りたいと決意し、刺客として対峙することになる。
感動する一冊。誰かの為に思えると、人は強くなれるんですね。
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泣ける。
日本人の情にこれでもかって訴える、涙なしでは読めないお話。
細かく計算された背景とストーリーが素晴らしい。
ラストも良い感じに終わって、読後感が爽やか。
是非読んでくださいまし。
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武士としての矜持、人のとしての生き方を描く葉室作品は、読むことに飽きない。
世の中でひっそりとそして慎ましく生きていくのも悪いものでは無いと考えさせる。