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紙の本
時期的に、なにを今更感満載ですが
2015/10/10 03:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今のところ「米澤穂信、最高傑作!」と呼び声の高いこの短編集、『さよなら妖精』・『犬はどこだ』が実は好きな私としては、「どこまで変わったのか」というのが気になるところ。 ずっと、ある意味“青春”を描いてきた人が、大人になってしまったのか?
そしたらもう、「うぉお、いつの間にこんな乾いた文体を!」というくらい、ハードボイルドな冒頭の一作目で度肝を抜かれてしまいました。
『夜警』・『死人宿』・『柘榴』・『万灯』・『関守』・『満願』と続きます。
連作短編ではなくて、ひとつひとつが独立した物語。 けれど、すべての作品が「誰かの願いが叶う・もしくは叶いかける」話ではあります。
その“願い”がたとえどんな種類のものだとしても。
完成度としては『夜警』がいちばんかもしれませんが(そして表題作の『満願』は連城三紀彦に並び称されているのもわかる出来栄え)、あたしは『万灯』にやられました!
日本(日本人)と先進国とはいえない外国(外国人)との関係性というか、そういう部分が少し『さよなら妖精』を思い出させるからかもしれませんが(内容はまったく違うけど)、米澤穂信の独自性ってこのあたりなんじゃないだろうか!
勿論、すべてが完璧というわけではないし、少々甘いところも見受けられますが、『犬はどこだ』の甘さっぷりに比べたら(好きだといっておきながらひどい言い様ですが)ものすごい成長を感じてしまうのであります。
短編集は長編に比べてなんとなく物足りなさというか、不完全燃焼感があったりもすることもあるのですが、やはり短編ならではの切れ味と「これ以上必要ない!」という省略の美学ってあるよなぁ・・・と思い出させていただきました。
新作『王とサーカス』は『さよなら妖精』の登場人物の一人が主役(成人後?)だそうですが、『犬はどこだ』の続編もお待ちしております。
紙の本
暗い美しさ
2017/06/14 19:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい風景をベール越しに見ているような気分になった。ベールをめくると見ていた風景が一変してしまうような考え。この中では「満願」が気に入っている。
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やや物足りなさを感じました
2016/02/28 16:00
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投稿者:まき - この投稿者のレビュー一覧を見る
「このミステリーがすごい」「週刊文春2014ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい2015年版」3冠に惹かれ購入しましたが、やや物足りなさを感じました。
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頼もしい新人
2015/11/28 04:49
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編6作からなる著書だが、どれも読みごたえがある。短編ながら、ここまで掘り下げられるのは、なかなかの力量であり、頼もしい新人だ。「死人宿」「柘榴」なども良いが、やはり表題作の「満願」がベスト。いずれも読み進むうちにゾクリとさせられた。
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うだるような闇を
2015/01/27 05:06
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひょっとしたらまだ熟れきってはいないのか、少なくとも到達点ではない。 限りなく黒に近い鼠色、高めに見積もってもブラック止まり。渾身の力でぐちゃっと潰されたかのような感覚は味わえなかった。草木も眠る丑三つ時ではなく永遠にうなされるような熱帯夜が欲しい。 もっと後味の悪い黒を。
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死人宿が面白い
2014/12/23 12:12
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投稿者:とんとろり - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は短編集は余り好きではない。しかし著者によっては読む。
このミステリー短編集を読んで私は松本清張、横山秀夫、連城三紀彦を感じた。
いずれも短編の書き手として優れた作家である。
米澤穂信のこの短編集はそれに匹敵するのではないだろうか。
どの作品も最後にそれまで読んでいた表の風景をひっくり返す。
そして人間は簡単に測れないものだと思わせる。そういうと荒唐無稽の話かと思うがリアル感があるのだ。
下記六つの作品が入っているが、読者には内容に好き嫌いはあるだろう。
○夜警 警官の発砲事件の話
○死人宿 温泉旅館で自殺者助ける話
○柘榴 離婚葬儀中の2人の小学生の娘の頭の中は。
○万灯 バングラデシュの地下ガスの発掘権を争う商社マンの話
○関守 桂谷峠 車落下事故の話
○満願 かって世話になった弁護士の下宿先の殺人事件
どれも面白く読めたが、私は「死人宿」が良かった。これは本格推理である。
主人公が好きだった女性が山奥の温泉旅館の主人になっていることがわかり、訪ねていくのである。
この旅館の露天風呂の脱衣カゴの中に1通の「遺言書」とおもわれる文が落ちていて、その日それを女主人が持ってくる。
宿泊者は主人公の他に3人。
この旅館は高い崖にあり、その横をアユの通る川が流れている。
崖から投身して自殺する人が多く、女主人はこの文の人を見つけて救ってやりたいと
主人公に誰がかいたものか見つけて欲しいと依頼する。
結局、私は解らないまま最後まで読んでしまった。
後で再読して「伏線はここだったのか」であったのである。
私は事情があってこの20年間温泉旅館に行っていない。
この温泉が作者の全くの想像かも知れないが、秋になるとこんな感じの露天風呂に行きたいと思う。