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共感・という感情が常になくとも良いならば、沢山の本を読みひとに出会うことができる。
客引きのチンピラ吉田・チーママのみさを・オカマのミミィ、と、現実ならば肩書を与えて他人事にしてしまえる人物が共感を超えて迫ってきた。
彼らが叫ぶとき、私も解放された。
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本編の地下の鳩は、登場人物、設定ともに共感出来なかったが、なんとか読み終えた。
西さんの作品ははじめてだったが、ちょっと読みにくいかも?でも何か人間の弱さを見せられた感じ。
2本目のタイムカプセルは面白く、一気に読んだ。多少ミミィに共感出来る部分があったのかもしれない。
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西加奈子3冊目、なんだか印象が違った。とにかくお腹が空く、中華料理が食べたくなる。そしてタイムカプセルの方では自分に重ね合わせた、嘘をついている自分か、正直な自分か。
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大阪が舞台のお話。
登場人物の「みさお」はよく食べる。一方の男は飲んでばかり。みさおはお金を使い、男は寄生する。
年をとって死んでいく。永遠の若さなどなく、皆あきらめながらも何かにすがって、期待して?生きていく。
混沌とした話しで難しかったな。後半のミミィの話は軽く読めて面白かったけど、人のかかえるトラウマとか、それでも生きて行こうとする情景がしっとりと伝わってきた。
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西加奈子さんはこういう小説も書くのか、と驚かされた作品。
夜の世界に住む人々の生活を描いたもので、全体的に薄暗い雰囲気も漂う。
いろんな人がいろんなことを考えながら生きているという当たり前のことを、思い出させてくれる。
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夜の飲み屋のに関わる人々の心の底をすくいとったお話し。ただ飲みに行くだけでなく、そこで働く人の人生を思いながら飲むとまた違う楽しみ方が、日常生活でもできるかも。
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読書日数 13日
大阪のミナミの街で起こった、一組の男女と一人のオカマ(という表現は適切ではないかも)の物語。
「地下の鳩」では、街角のコンビニで自転車の鍵を落としたクラブのママ、みさをと、昔はイケメンで、女に不自由していなかったが、そのイキリ癖が傷になって、今ではキャバレーの呼び込みとなった吉田との出会いから始まる。
そこから「みさをが食べ続け、吐き続けるのを、吉田がただただ見ながら飲む」という不思議なデートが繰り返されていくが、その時のお互いの心情の変化が、なんとも言えない感じたった。
ところが、ミミィというおかまが起こした事件がきっかけで吉田は怪我をしてしまう。それをきっかけに、二人は仕事を辞めて香港に旅行に行く。みさをはそこで「自分をリセットするために、とにかく今のお金を食べ続け吐き続けながら、自分というものを削ぎ落としていく」のを吉田はヒモとして見届けながらも、本当に自分にとって必要な女となっていく。
「タイムカプセル」では、一人のオカマ、ミミィが経営する「クラブあだん」で起こった一つの傷害事件がきっかけとなる。
ミミィは島で育った幼少期、とにかく苛められていて、なかばトラウマのようになっていたが、それと同時に「性同一性障がい」に気づいていく。
だが、小学校の時の卒業する時の手紙で「嘘」の夢を語って、みんなからの拍手を貰ったのだが、そのことがなんとなく心に引っかかっていて、それを事件を起こしたことをきっかけに、帰らないと決めていた故郷に帰って、タイムカプセルを掘りに行く。
この短編集では、互いのエピソードが少し火リンクしていて、「ミナミで起こった二つのエピソード」が同時に進行しているという変わった短編だった。
そんな中で必死に生きようとしている3人の男女の姿に、引き込まれるような感じがして、少し泣け多様な気がした。
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器用に生きている人が多い(もしかしたらそのように見せるのが上手な人)の中で生きる不器用な人のしんどさが迫ってくる感じ。何冊読んでも飽きないのは、このしんどい感覚の場所でみんな生活してるからなのかな。
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西さん。
この感じをなんて言ったら良いのか分からない。切ないような、歯痒いような、やるせなさ。吉田やみさをの生きるやり方に、呆れたり、時には嫌悪したりしながら、どこかで、あぁ、その感覚は知っている、と思う。共感というのともまた違う。でも、なんとなく、分かる、と思うこの感じ。
ミミィさんの話は切なかったね。ひどいいじめの経験に、ずっと脅かされていて、一方でいじめた相手に強い憧れを感じていて。いじめた相手とよく似ている、全く違う人を刺してしまった彼女の衝動の根は、なんて深いんだろう。
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大阪心斎橋の裏筋に生きるキャバレーの客引き(吉田)、スナックのチーママ(みさを)、おかまバーのママ(ミティ)。みんなが一人称の主人公になり生きざまを示す。それぞれの過去、それぞれの交わり、それぞれの負い目。それらを背負いながら生きていく様子が泥臭く、人間っぽい。彼らが自分であっても少しもおかしくない、そんな気持ちにさせる。
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夜の街でキャバレーの呼び込みをする男とスナックで働く女、ふたりの出会いとみちゆきを描く表題作と、同じ街でオカマバーを経営する「ミミィ」を主人公にした一編を収める。もがけども希望のかけらさえ見えてこない彼らの生き様にせつなさが募る。男のささやかな自意識をこともなく見透かしてしまう描写が尖っている。
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西さんのこういう話、好きじゃないんだけど。
一作目の「こんなことばかりだと思った」でため息が出た。
どっちかと言うと好きな二作目の「私は全身全霊で嘘に正直だった。ー略ーそしてそれは私だけではない」で、よく言ってくれたとうれしくなった。
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1.10.2016〜11.10.2016
・地下の鳩
・タイムカプセル
吉田目線になったりみさを目線になったり、ちょっと読みにくかった。なんか暗かったなー。単純に、こんな風にはなりたくないな、ちゃんと働こうって思った作品でした。
タイムカプセルの方がおもしろかった。ミミィの話術、オカマの話術ってすごい。すらすら読めました。
心に残った箇所。
私は全身全霊で嘘に正直だった。この体で、正直に嘘をついてきた。
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西さんの中では好みのジャンルではなかったのだけど、後半のミミィの話、好きだった。なんというか、ミミィのキャラクターが完璧で。
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描写があたたかい。まるで自分のことを丁寧にあたたかく見守り評議んしてくれているようなそんなきもちになった。直接的でないはずがあたたかい気持ちになった。ありがとう。ありがとうございますと思いました。