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語り下ろしで読みやすい。
メインになる話にはなるほどと思うことが多かった。
本筋とはちょっと違うが、日本の閉塞状態を変えるために「参勤交代」、一時的に国民が移動して田舎に住むシステムを提案していたが、私は似たようなことを国会議員に義務付けしたらどうかと思ったことがある。地方に地盤を持っていながら東京生まれ、東京育ちの議員ばかり。日本全体のことは体感しにくいと思う。
話題豊富で面白い。
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モノを見る視点って多様的であればあるほど面白いものです。ところが多くの人は(私だって)自分の物差しと自分の視点が「常識」のように思っちゃいます。物差しは2次元的にものを計るけど、世の中はもっともっと多様的で3次元はもちろん、価値だって全然直線的じゃないって思わないといけないのでしょうね。
この本では、自己と言う領域の拡大を示唆してくれています。自己って自己なんだけど、実は大きな地図の中での矢印なんだと(お釈迦様の手の上のような話だなあ)。
でも、全体的にはもう少し内容的にこなれていたらもっと面白かったような気も。読む側も整理しながらよまないと、胆の部分を確実に手に出来ないような印象もありました。
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この著者も理系だ。客観的で、どこか突き放したような思考を感じる。観察と理論の結果か?単なる感情論でないところがいい!しかし内容は、オタクではなくむしろ常識的で、社会との関わり重視。それが自分を育てる。簡潔で平易な中に、著者の胃袋の強さと大きさを感じる。
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吐いた唾、飲み込むなよ!じゃないですけ ど、脳は、さっきまで自分の一部だったも のとそうでなくなったものを極めて抽象的 にとらえているという話から始まり、思想 vs.自分とか、政治vs.自分とか、情報社会 vs.自分など、「個」と「外部」というよ り、「正直いって本当はそんな事より昆虫 採集していたい自分」と「外部」という正 直ベースの話が非常に読みやすいし、白々 しくなくて良いと感じられる一冊でした。
そういった流れから、そもそも対立概念そ のものに「メタメッセージ(良い○○、悪 い○○)」が含まれ、この「メタメッセー ジ」が情報の指向性を加速度的に強めてい くため、本質的な「自分」あるいは自分の 考えから掛け離れた虚構に嵌ってしまいや すいというのは、大変勉強になりました。
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昔の著書ほど読んでいてパンチが効いてくる感覚がないと思った。
これを先生に言えば『それが自分が変わったということ』ってきっと言うのかな^^
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「自分探しなんか意味がない」という著者の持論を展開。
自分の手柄を強調してより多くの報酬を求めたり、新聞のメタメッセージを見て中国や韓国はけしからんと言う意見に固執する人に対する違和感は分かります。電車に乗っていてもスマホや音楽に没頭する人も、他者と関わらないという表れと合致する気もします。そういう人の中には、他人と関わることで拒絶されるかもしれないと言う不安を持つ人もいるのかもしれません。
わたしの場合、一定のプライベートな時間も欲しいですが、やっぱり積極的に人と関わる時間も欲しいと思います。ひとりで行ける場所って限られますし、いつも独りなのは寂しいですから。
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人にお世話になって生きるのは当たり前のことであり、自分の体は自分のためにだけあるのではない。
自分探しをしても、今の自分は地図の「現在地」を示す矢印に過ぎない。
など、今著も養老節が炸裂(^^)
養老氏が語ったことを書き起こしているので、読みやすいです(コアな養老ファンには物足りないかな)。
養老氏の本を読むと、自分の考え方のレパートリーが増えるような気がします。
多くの人に読んでほしいと思っています。
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養老先生の新書新刊『「自分」の壁』。
自分や社会における様々なテーマにそって、好き放題に語った内容。
一理あるなと思うことから、一見全く参考にならないと思うことまで、鋭く指摘されている。
深いと思えるかどうかは読むひとの精神状態によるかもしれないけども、本としては読みやすく楽しめるようになっている。
それって冗談でしょ・・・と思っていると、案外本気の提案のようだったり、
取上げられている項目も多く(目次参照)、視点を広げる上で、良い内容だった。
ただ、同じ内容を養老先生が書いたのではなかったとしたら・・・興味を持たなかったかもしれない。
養老先生の指摘だからこそ笑って読める箇所多数。
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【内容(amazon内容紹介より】
「自分探し」なんてムダなこと。「本当の自分」を探すよりも、「本物の自信」を育てたほうがいい。脳、人生、医療、死、情報、仕事など、あらゆるテーマについて、頭の中にある「壁」を超えたときに、新たな思考の次元が見えてくる。「自分とは地図の中の矢印である」「自分以外の存在を意識せよ」「仕事とは厄介な状況ごと背負うこと」―『バカの壁』から十一年、最初から最後まで目からウロコの指摘が詰まった一冊。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
養老/孟司
1937(昭和12)年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年東京大学医学部教授を退官し、現在東京大学名誉教授
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【目次】
まえがき
第1章 「自分」は矢印に過ぎない
第2章 ほんとうの自分は最後に残る
第3章 私の体は私だけのものではない
第4章 エネルギー問題は自分自身の問題
第5章 日本のシステムは生きている
第6章 絆には良し悪しがある
第7章 政治は現実を動かさない
第8章 「自分」以外の存在を意識する
第9章 あふれる情報に左右されないために
第10章 自信は「自分」で育てるもの
あとがき
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恥ずかしながら、初めての養老さんの本です。が、自分がこれまでうっすら思っていた違和感を紐解いて言語化くれるところがあり、勝手に親近感をいだきました。ありがとう養老さんw
特に個人を主張することについて、私個人としてはしんどかったんですけど、改めて「世間」という存在との共生が重要だなと感じました。
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つらつらいろんなテーマについて述べられてる。参勤交代制度だとかぶっ飛んだ提案があったり、全体に統一した主張みたいのが見当たらないのが物足りない気がしたんだけど、まぁそれすらも本書が訴えたかったことなのかも。
メタメッセージってのが面白かった。例えば新聞で取り上げられる順番に重要性をリンクさせて考えてしまったりだとか。
世間だとか自然だとかの一部としての自分をもっと意識してみて、個を主張する必要があるんかってのが大きなテーマだと思うけど、どうなでしょうね。
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個性を発揮することよりも、協調性をもち周りとうまくやっていくことが大事だ。この話から、ロバートハリスを思い出した。彼もそのようなことを言っていた気がする。
自分の存在は世界で一つ。唯一無二の存在であり、何もしないでも存在が個性を発揮している。
納得し、共感した。
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その部分ごとにはよく理解しながら読んでるつもりなんだけど、読み終わって自分が何を理解したのかわかんなくなった。世の中は白か黒かはっきり言えることなんてあんましないぜ、一つの考えに固執せずにはっきりしない気持ち悪さを抱えながら生きろ、みたいなところ?養老先生のやらかい考え方はやっぱり好きだなー。帯には「自分探しなんて無駄なこと!」って書いてるけど、養老先生冒頭からめっちゃ自分探しとった。帯は先生が書いたんじゃないよね?
http://blog.livedoor.jp/h_ohiwane/archives/52096092.html
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哲学的な所もあるが、基本的に昆虫や解剖学者として生きてきた中で学んだ事を中心に自分中心で考える現代の問題について書いている。
「お前は、お前だけのものではない」と言う考えが希薄になり、自分が良かったら他人がどう思っても関係ない、迷惑かけても構わない。そして、自分なんて価値が無いから死んでも構わないと考えて起こした事件を
ニュースで見ると、なんて馬鹿なんだろう。と思ってしまうが、この本を読んでいると、自分もその考えが全くない分けではないと感じた。
印象に残ったのは自分とは、地図の現在位置を示す矢印位の役割でしかないと言う話。
脳卒中になった脳神経解剖医の体験で、自分が固体から液体になる感覚についてはなしている。境界線があいまいになっていくと言う事の様だが、非常にインパクトのある話だが、実際に自分の感覚として分からなかった。
また死には3種類あると言う話の中で、一人称の死、二人称の死、三人称の死についての説明で私達にとって「死」とは二人称の死だけだと言う話はなるほどと思った。
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・自分が地図の中の矢印というのは新鮮
・過剰な絆や連帯は問題とするのは賛成
・信用や世間の話は、大家の専門家がいるので....
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初めて養老さんの本を読みました。
自分を冷静に客観的に分析できる人で
だから自分が何をするべきなのか。損得ややりたいやりたくないでなくてもっと鳥瞰して見ていて結論を出しているのでホントに頭が良いなと感心します。
苦労するような環境に身を置くことで自分に自身を持たせる、できることが仕事の範囲。その生き方見習いたいです。
せめて心にゆとりをもって仕事できるようにしたいです。