三年かけての描き下ろし。 出版社・編集者も、作者とともによくやったと思う。
2024/02/04 07:07
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に映画的で、作者による創作メモによれば、いかに描くかを念入りに検討したとのこと。
創作の方法論は、ちょっとした漫画の教科書になるし、映像作品を読み解くことのヒントにもなるだろう。
日本で言えばガロ系だし、アメリカで言えば、アンダーグラウンドコミック。
かなり絵が上手いのだが、(美術系の学校にいたっぽい)あえて勢いを残す作画は、一見雑に見えるかもしれないが、骨格を捉えていて、気持ちを揺さぶってくる。
物語的には、謎の失踪事件を経て壊れていく女性と、彼女の隣人である少女が描かれていく。
謎が横たわっているのだが、ミステリではないので、謎の解明などはなく事件が積み重なっていく。
描き進められた。
そういう言葉が似合う、力強い物語。
問いかけ。
大きな事件は起こらないのに何かぞくぞくした感じがする
2020/09/20 13:49
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投稿者:かっぱ - この投稿者のレビュー一覧を見る
外国人たる奥さんと,その家の隣に住む女子中学生の交流を描いた作品.
夫が失踪して精神が崩壊気味になってしまう奥さんと,彼女をほっておけない中学生.状況が改善しないまま淡々と進む物語.
江國香織の小説のような,大きな事件は起こらないのに何かぞくぞくした感じがする作品.
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
ツミが修学旅行先からお土産をリサの夫の名前で送ったことから事態は大きく動く。
やっちゃいけない事なのはわかりそうなもんなのに、リサが外国人なことで物語っぽく感じてたのかな。
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
幸せに見えた一家から突然夫が失踪。
残された外国人妻は病んでいく。
高校生の娘は反抗期とはいえ冷たすぎないか?
隣の少女の視点というのが確かに岡崎京子的。
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投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人の夫と外国人(北ヨーロッパ?)の妻と高校生の娘。 幸せな家族。。。だったのに夫が失踪? 妻は何か少しおかしくなっていって 隣の仲のよい中学生の女の子はおばさんのこと心配しているのに娘の方は?。。。でも何か変な話。 失踪した夫があまりにも謎だからかな?
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これ、漫画、とかコミック、とかって呼んでもいいものなのか…?すごい。面白い。もたらされる感情が、短編映画をみてる時のようなもので。
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舞台を観終わったような感じ
しばし放心
なんでダンナが失踪したか、
まったく触れられないのに
すごく現実的な感じがする。
リサがボールドの山田さんと重なり、
可哀想で可哀想すぎて痛かった。
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この作家にはこの作家の文脈があって、それが最初は入ってこなくて苦労した。ストーリーに理由はなくていいんだ、この人の場合。
最後の部分で描きたかったことの大体はわかった気がした。すべてて描かれているのは、外人の女と隣の少女。最後の場面は罪の意識。
この唯一無二な彼女の世界を作り上げようとした彼女に拍手を送りたい。
ステキな話。
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夫に失踪された外国人妻と隣に住む少女の交流の話。作者の計算された尽くした表現技法と少しずつずれていく優しさの交錯、その展開のうまさに引き込まれました。
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圧倒的な面白さ。
もっとも好きな作家になる予感。
岡崎京子さん復活、いや、継承者としてそれ以上のお仕事をしてくださることを期待しています!!
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感想がうまく言葉にならない。
夫が失踪して壊れてしまったリサ。母であるリサから目を背けるニナ。リサが大好きな、罪作りなツミちゃん。
「好き」という感情は難しすぎる。
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読後に残る余韻。知ってはいるが、知らないふりをしてきたことを思い出させられ、気まずくも、どこか安堵感も覚える。この作品にしかない力がある。
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旦那が蒸発して取り残された外国人妻とひとり娘。娘は思春期のため、隣家の少女がなにかと奥さんと関わる。よかれと思ってしたことが逆効果だったり、なにげないことが重要だったりする。激動の日々だったはずなのに、少女の記憶はあやふや、というのがリアル。
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「すごかったです」と思わず言葉にした。
鎌倉の長谷にある、馴染みのカフェが2ヶ月の夏季休業を終えてオープンした翌日。雨の中を久しぶりに訪れて、ふと手にしたのがこの本だった。漫画。しかし何やら奥深そうなのが気になった。
美しい花たちの彩る庭。そんな家に暮らす、美しい外国人の奥さん。ある日、夫が突然いなくなる。そこからの転落劇。周囲の人たちの反応。冷たさや優しさ。それらをみていると、転落なる現象につながるさまざまな事象がただ日常として漂う姿に唖然とする。ただ、生きているだけ。何か大切なものを守ろうとしながら、ただ生きているだけの重なりが、感動でもあり、おぞましさとしても現れる。
その現実的描写に、圧倒される思いがした。
「すごかったです」の感想を受けて、店主はひとこと「えぐいでしょ?」といった。「ここにあるのは、だいたい、えぐい本なんです」。本棚を見渡し、確かにそうかもしれないなと思った。
「えぐい」というのは、むごたらしいとか、残酷な、という意味合いではない。容赦のない事実、といったようなことではないかと思う。そこには、現実を美化しようという浪費はない。こうです。だから?と、ただ淡々と事実をつきつけてくる。決して道徳者という姿勢をとらない作者が。
そういう「えぐさ」を持った言葉を綴れるひとに、私は憧れる。かっこいいと思う。
なんとなく、の美しさ、ごまかしを超えて。ただ、現実をみることができたなら。
いま、私のこころにあるのは、そんな気持ちだ。
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「極悪人は誰もでてこない。それでも、いきていけなくなるときがあるんだよ」
旦那の失踪によって壊れていく異国人の綺麗な奥さん
何がいちばんの原因とかではなく、少しずつの積み重ね
中学生のツミちゃん、高校生のリサちゃんの世代別の感覚、行動が読めてよかった。
リサちゃんは男の人に逃げて、ツミちゃんは良かれと思って大変なことをしてしまう
異国人の奥さんは、どれほど不安な思いを抱えていたのかとても辛くなる
元通りにしたいの
人生を
もし人生最期に壊れた状態だったら、今までの幸せとかどうなるんだろ