紙の本
天武VS天智(というよりその末裔の桓武)
2019/11/16 00:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
何故記紀で月読尊の記述が少ないのか、資料だけではなく祀った神社も少ないのか、に迫った本。天照と須佐之男に比べて月読尊は後から作られた神だと色々な資料で言及されているけれども、じゃぁ誰が作ったのか→天武天皇でしたという説。他にも「天皇」という言葉や三種の神器制定など現代に続く流れを作ったのも天武。結論からいうと、月読=天武天皇、そこから天智天皇系返り咲き&以降ずっと天智系が続く地盤を作った桓武天皇が、天武系への恨みから歴史からほぼ抹消したのでは、とあったけど、天武系が滅んだのってほぼ藤原氏のせいのような気がしなくも…。
三部作のひとつらしいので、他のシリーズも文庫化して欲しいです。
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我が国の三神の一神「ツクヨミ」の謎を追っていきます!
2020/05/21 11:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の「三神」の一神とされるツクヨミの謎を解き明かすべく執筆された労作です。三神とは、アマテラス、スサノヲ、そしてツクヨミなのですが、我が国の史書、古事記や日本書紀には、ツクヨミについて僅かな記載しかなく、その正体は謎に包まれています。同書では、ツクヨミの正体を様々な文献から明らかにしていこうとする内容になっています。構成は、「第1章 三貴子の謎―ツクヨミ誕生」、「第2章 三種の神器の謎―ツクヨミの御霊代・勾玉」、「第3章 天武天皇の謎―ツクヨミの正体」、「第4章 陰陽道の謎―ツクヨミ族の学術」、「第5章 桓武天皇の謎―ツクヨミの怨霊」となっています。なかなか興味深い一冊です!
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ビックリ論評
2020/07/22 01:14
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも古代史の話は関さんの解釈に頼っていて、
別の角度が欲しいなあ、と思っていることと、
“ツクヨミ”というテーマが気になったので読んでみた。
けれども。
読んでいていろいろ引っ掛かったのだけれど、
天武の血統が途絶えた件を「無血改革」と述べていたのがダイジェスト。
天皇からつながる貴種が途絶えたところを指して「無血」はひどすぎる。
全体的にただ天武天皇が好きなだけの妄想文。
全体を通して気になったのが、天皇の全能感。
治世の期間に起こったことがすべて
時の天皇の意思で起こったように考えるのは、
日本人の気質を無視しすぎ。
持統天皇は天武天皇の妻ではあるけれど、
同時に天智の娘でもある。
なんの躊躇いもなく持統を“天武系”とする本書には肯けない。
むしろ藤原鎌足の息子、不比等を重用した持統は天智に近い。
天武天皇の周りを天智、鎌足の血縁の女人で固めたのを
“天武への畏れ”と書いているのだけれど、
ちょっと思考が平和すぎる。
周りの女人を自分たちの息のかかった人物で固めて、
家系図ごと乗っ取ろうとしたと考えるほうが自然じゃなかろうか。
天智が即位すると各地で火災が起こったりと、
明らかに奈良では歓迎されない王だった。
人気者の大海人(天武)に刺客を送り込むのは、
考えようでは当たり前だと思う。
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アマテラス、スサノヲと並ぶ三貴神のひとり月読尊。だが記紀の記述は極端に少ない。その理由は何か。古代史上の謎の神の秘密に、三種の神器、天武、桓武、陰陽道の観点から初めて迫る。
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三貴神と言われる、「ツクヨミ」に関する考察本。
三貴神で「アマテラス」や「スサノオ」は古事記や日本書紀にいろいろな話が詰まっているのに「ツクヨミ」に関しては、誕生の記述のみでその後がほとんど語られていません。
ずっと不思議だったのですが、この本ではその理由について考察されています。
この奈良時代になるとほとんど文献もなく、正確なことが判明しにくいので、いろいろな説が出てきてしまいますが、ひとつの捉え方として面白いなあと思える内容でした。
祀られている神社自体も少ない神様なので、旅先などで見つけたらぜひお参りしたいなあと思いました。
(以上、ブログ全文です。)
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4765086.html
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失礼ながらタイトルがおかしい・・・
「桓武天皇 天智系「日の都」に秘された
天武天皇 天武系「月の都」(ツクヨミ)を考察」とかなんとかな感じ・・・
「ツクヨミ 秘された神」と前面にツクヨミを出してくる内容ではないと感じた
ツクヨミの直接的というのかそういう話しを期待していたが違った
著者が、古事記を編纂した天武天皇がツクヨミを作ったのではないか、それを干されていた天智系桓武天皇が干された恨みで記録を削除したのでツクヨミに関わる記録は多く削除されてしまった
と考える理由を書いた本
著者あとがきにも、最初は長編小説に仕立ててみたが、先に論考をまとめる運びとなった旨記載有
ツクヨミについてはさておき興味深いお話しも沢山あった
【覚書】
三種の神器がらみで三種の神器がどのように代々の天皇に継承されるのかや宮中三殿の話し
陰陽が重なり、五行が偏り、地震が起こる
「惑星シミュレーション」
神社の大原則「心御柱(しんのみはしら)」
陰陽道の呪術的作法にのっとった日本国技の相撲の儀式
日本の風土に適した木材建築と宮大工の素晴らしい技術
渡来人についての記述
東漢(やまとのあや)一族
百済王氏(くだらのこにきし)一族(百済の王族貴族階層)
「雲太、和二、京三」(古代巨大建築物ベスト3 出雲太郎、大和二郎、京都三郎)
出雲大社、東大寺大仏殿、京都御所
伊勢二十年に一度の遷宮について
遷宮のための、ヒノキの森林管理
建築技術の継承(1回目補佐役 →二十年後の2回目熟練技術者 →更に二十年後の3回目後進指導)
祟り神
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を継承する理由一考察
祇園祭りの由来になった神泉苑(御池通)の御霊会(ごりょうえ)、家康の風水断ちのための二条城造営による神泉苑の破壊
書籍検索サイト
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SP/EB/Top
http://www.kosho.ne.jp
https://www.jcross.com
http://iss.ndl.go.jp/sp/
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三貴神の中で全く実像が見えてこない月読に主眼を向け書かれた内容は、九十九黄泉と理解解釈展開をしつつあった自身の読みをちゃんと正してくれるものだった。先帝、神武代より脈々とつながる我が国の大切にすべき歴史を伊弉冊伊奘諾天照素戔嗚にまとめ大陸から伝来したと言われる道教を神道に集合させ周代に実現できなかった聖道をやり切った天武帝=ツクヨミとした戸矢説を僕は大いに支持したい。お陰で聖徳太子の役割と中臣鎌足、中大兄皇子の実際も理解できたような気にもなった。感謝感謝の良書。意味もわからず伊勢参りをする人々には強く勧めておく。
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なんでこんなん借りたんやっけ…?忘れた。
日本史は苦手やけど、古代史や神話の時代は割と読める。
いうても古事記も日本書紀も読んだことないけど!。
古事記に 、伊弉諾尊(イザナギノミコト)が禊ぎをしたら、
左の目を洗った時に、天照大御神が出来た。
右の目を洗った時に、月讀命(ツクノミノミコト)が出来た。
鼻を洗った時に、須佐之男命(スサノオノミコト)が出来た。
みたいなくだりがあって、三種の神器はそれぞれを体現している。
八咫鏡は天照@伊勢神宮
勾玉は月讀@宮中
草薙剣はスサノオ@熱田神宮
と、まあ3本の柱なのに、古事記にも日本書紀にもたくさん書かれてる天照とスサノオに比べて、ほんのちょっとしか書かれてない月讀ってなんぞや? という本でした。
神社でも天照やスサノオを祀るとこは何万とあるけど、月讀は85社のみ。
不思議~。
一定の結論は書かれてるので、まぁ、古代史ミステリーみたいにサクサク読めて面白かった。ちょっと想像を断言してるような向きはあるけど、読み物としてはOK。
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三貴子の内、一番影の薄いツクヨミ。
ツクヨミに関しての書籍は少ないらしい。
ツクヨミ=天武天皇という大胆な説!
考察には納得できる部分もあったり、これはこれで一つの説として受け止めた。