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警察組織の内部事情がめんどくさい。素人には刑事と刑務の違いがよくわからないし、誰が何やら、語りは理屈っぽいしどっぷり嵌まるのは難しい。後半は問題点が大きく浮かび上がってくるので、これがどう解決されるのか楽しみになってくる。
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7年ぶりの新刊。文庫化に2年。
待った時間の分だけ味わいも増したか?
否、元々が佳いからである。
複雑に絡み合う個々人の思惑を丁寧になぞり、読み手に若干の忍耐を求める中盤までの展開から一転、クライマックスに向けて目まぐるしく状況が変化する一気呵成のスピード感。
これまでにも何度となく読み返してきた横山ミステリに、これからも幾度となく手に取ることになるだろう一冊が加わった。
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これから下巻読みますが、たしかに読み出すと止まらない。それにしても主人公、ここまで抱えて大丈夫なのか。。
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一時期、筆者の作品を立て続けに読んだが、
最近全然と思っていたら
作品自体が数年ぶりということで。。。
感想は下巻を読んでから。
ただ、組織の体質だとか権力争いだとか、
そのなかで理想を保ちつつ現実と折り合うために
苦悩する人物だとか、謎の真相や仕掛けではない部分が
やっぱり物語を厚く見せて、そこに引き込まれる。
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現場部門と管理部門の戦い。
お互いのプライドをぶつけ合って一歩も引き下がらない。
エグい職場環境やな。
ここまで表現した警察小説は初めてです。
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高校生の娘が家出して行方知れずになった刑事の話
留置所の話が刑事課に筒抜けっていうのは本当かな〜仕事柄そこが気になりわ
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元刑事ながら人事で刑務部門の広報に配属された現D県警広報官警視の三上義信。記者クラブとの軋轢に苦慮する彼に、昭和64年に起こった誘拐殺人事件の被害者遺族に、警察庁長官視察の決定とその際の遺族宅への訪問の旨を伝えるよう命令される。
しかし遺族はこれを拒否し、三上は刑事部と刑務部の動きからこの事件の裏に何かあると察知し独自に調査を始める。
”横山秀夫ここに在り”
上巻を読んでいてそんなふうに思いました。序盤の広報の改革に乗り出す三上の心理描写。それを読んだだけで、横山さんらしい重厚な登場人物の心理描写がひしひしと伝わってくるのです。
そしてその横山さんの描写力はとにかく精緻です。記者クラブとの特ダネを餌にした心理戦や人間関係や各社の思惑といった微妙なひだも、
そして刑事部に戻りたいと思いながらも、家族のため自らの思いを封印し動く三上の心理描写も圧巻の一言に尽きます…。
個人を捨て、家族のため組織の不条理や矛盾に目をつむろうとしながらも、それでも現れる様々な思い。反感や不信、そして家族をめぐっての自らへの責めや遺恨。
そして横山作品だからこそ書ける警察の管理部門や人間関係、力関係の圧倒的なリアリティ。
この二つがものすごい濃度で絡み合い、そこから生まれる緊張感は全編にわたって途切れることはありません。
横山さんが7年間の沈黙を破って発表した作品、さらに文庫化する際にも改稿を加えたそうで、横山さんの魂が読んでいる自分にも伝わってくるようでした。
横山さんの魂がまだ下巻でも味わえるのか、と思うとワクワクするような作風の作品ではないと頭では分かっていながらもワクワクが止まらない自分がいます。
2013年版このミステリーがすごい!1位
2013年本屋大賞2位
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警察の広報官として働く主人公。警察内部の権力争い、警察とマスコミとの駆け引き、娘の家出を機に引きこもりがちな妻との関係‥主題の未解決殺人事件64。
広報官の仕事にひけめを感じながらも、苦悩と葛藤を繰り返しながら毎日を懸命に生きていている姿に思いを馳せながら一気に読みました。
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県警の広報官を主人公にした警察小説
1週間しかなかった昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件
”ロクヨン”をキーワードに、警察と記者、中央と地方、刑事部と警務部、組織と個人、折り重なった対立構造の中で、話がスピーディーに展開していく。
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旅行中読もうと思って買ってみたのだが、読み始めたら止まらない。
善玉、悪玉がはっきりしており、おなじみの刑事ドラマの舞台である刑事課ではなく、広報という脇役とかで出てくる部署が中心にもかかわらずすらすら読める。
作者の感情が入っておらず、伝えるべき情報がバランスよく入れ込まれているため読者の脳に混乱が起きない。
かといって理系作家の文章ではないので、紋切型の登場人物造形であるにしても『人間』が小説の中で歩いて、悩んで、苦しんでいる。
この作家はお金とって他人に読ませるものを書くという意識があると思う。
横山秀夫といえば『半落ち』で周囲が絶賛し、ネタバレされたので後回しになっているが、この本を読む限り面白いんだろうなと納得する。
広報官である主人公がマスコミと刑事課と上司の板挟みになるというシチュエーション。
上巻は過去の事件の被害者宅に長官が出向く手筈を整える仕事と、事故を起こした妊婦の実名報道について抑える仕事が進行する。
事件自体はものすごく、地味な内容だ。
現実に過去の大きい事件の被害者宅に長官が出向くというニュースはたまにあるし、交通事故なんてしょっちゅうだ。
15分のニュースに1分も映らない。新聞だって小さいスペースしか割かない。
しかし、これがこじれてこじれて、読んでいてはらはらしてくる。
主人公の動きも、被害者宅詣でやマスコミの懐柔という地味な仕事が中心になるのだがそれでもページをめくる手が止まらないのだ。
主人公のプライベートはというと娘が父親とそっくりな自分の顔を憎み呪い家出するというバックボーンがあり、娘の捜索に特別に配慮する通達を上司が出したため、彼は自分の矜持や考えを捻じ曲げねばならずますます窮地に陥れられる。
この上司が本気で嫌な奴で、その娘も礼儀知らず(まあ、この年頃だったらこんなもんだけど)で、そもそも自分にも娘がいるならそれを取引に使う卑怯なことよくできるなというむかつき度マックスな奴で、ついつい作者の術中にはまっていく。
とにかく、面白い。
それにつきる。
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著者の本は以前にも読んだ事があるが、今回も前回同様にフィクションなのにどこか、ノンフィクションと錯覚してしまう程の妙なリアリティがある。14年前に起こった悲劇がまた蒸し返され、その狙いの真相を追い続けていく主人公の三上。
真相が明るみになり、個人としての想いと組織に飲み込まれまいと必死に葛藤する姿は、読み手にも痛い程伝わってきて辛くなった。
内容はずっしりと重いのに、いつの間にかこの世界に引き込まれてページをめくる手が止まらなくなった。
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警察小説は読みなれていないため、すごく難しかった。
刑事部・警務部・マスコミに挟まれる広報。本当に大変そうで、辛そうで、「だれか助けてあげて」とこっちが泣き言を言いそうになった。
この話のメインは「64」事件なのだろうが、他にも気になる事柄が目の前にあるのに、そちらは解決しない。
どころか、救いも無くなってマイナスに近い。
一応は解決を見せる「64」の事件も、普通のハッピーエンドではない。
読み終えたときの達成感よりも、もやもやが胸に残り、脱力感もあった。
こういう大人向け小説を読んでいると、「大人の事情」を突きつけられて、たまに嫌になることがある。
自分はこんなにも潔癖だったのだな、と自覚する。
ドラマ化、映画化するらしいが、いったいどんな形に仕上げてくるのか。
この重苦しさが少しでも晴れてくれるのならば、観てみたいと思えるのだが。
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とにかく上巻は説明や主人公の心情がくどくてあまり面白くなかった。
ここから全体感想 - - - - - - - - - -
D県警警務部広報官を主人公に刑事部、警務部、マスコミの対立、翔子ちゃん誘拐殺人事件、新たな少女誘拐事件等D県警内の出来事を描く。
なるほどこれは面白い、伏線の回収も素晴らしい。
が、そう思ったのは下巻までで、上巻は説明や主人公に心情などくどすぎて、この時点ではなんでこれが賞をと思って待ったぐらい。
下巻できれいにまとめ上げられて納得はできたが、もっと短くきれいにまとめることができたのではと思う。
ただ刑事部、警務部、上層部、マスコミの対立などは、踊るや相棒などの掲示物とは明らかに一線を画しており、リアルで生々しい。
リアルを追求したという意味では仕方ないだろうが、できれば娘の家での事件や64事件を解決して欲しかった思いが強くなったラストだった。
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下巻を早く読みたくてたまらない。
上を読んで決めた。今後は横山秀夫を「好きな作家」と言えるくらいには著作を読む!・・・ただし、この人の作品って絶対「連続しては読めない」気がするんですよね笑 読み過ぎると食傷してしまう気がする笑
『クライマーズ・ハイ』でもそうだけど、「仕事人としてどんな行動規範・信念・決意を持つべきか」ということを問われている気がして、背筋が伸びる。
主人公は迷う。仕事は大変だ。プライドを持って信じた道を進むべきなのか、組織の歯車であると自覚してやるべきことだけに取り組むのか。家庭もある。世間からの目も気にする。同僚からの目は出世に影響がある。揺れる。
人生は、仕事は、選択の連続だ。主人公の三上がどんな選択をするのか、読者は固唾をのんで見守ることになる。
続きが気になる!!!
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警察小説、との帯。
推理物かと思ったけど、組織の思惑がメイン。
時効近くの誘拐事件を軸に話が展開。
広報官の三上が最初悪人かなあと思いつつ自分の仕事を自覚するあたりが面白い。