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本来、変化に対して前向きであるはずのリベラルは、この国では「●●反対!」という形でしか自己主張できない。本来、あり得べき社会への理想を語るべき保守は、この国では「戦前のすべてが悪かったわけではない」という逃げを打つだけで、何が良かったのか悪かったのかを掘り下げようとしない。こうした中でどこに足場を築けばいいのかという問いに対して、変化してきた世界・社会の現実を見つめながら答えようとしている。
アベノミクスは「過小評価されている」とおおむね支持。集団的自衛権については現実的な国際関係を考えて「当然」。「日本は特殊」と思考停止するのではなく、現実を見据えよ、大人になれ、と説いている。これに賛成するにせよ、しないにせよ、著者の思考は明晰で、これだけあたまが切れる人が「現実」をどう捉えているのかという点で、本書は一読の価値がある。
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2016年の選挙は憲法改正まで見通した大事な選挙になるので、それに向けて参考にしたく読みました。
内容が現在の安倍政権をベースにしているので、読むなら今しかない本でもあり、リベラルの立場から現代の日本の政治課題を考察しているので、是非手に取ってもらいたい本です。
日本の政治に決定的に説明責任が欠けているので、議論が進まず、結果恩恵を受けてない若年層が政治に絶望、無関心になっている点、政治は不利益も必ず含むものなので、論争は反対意見を殲滅させるのではなく、今回はこの理由でこちらを優先、という妥協点の模索が真の民主主義である事、については同意見。
耳目を集めた集団的自衛権については、非常に良い考えるべき視点をもらえた。
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テレビで売り出し中の新進気鋭の政治学者に興味があったので購入。政治学者らしい切れの鋭さを期待していたが、保守にもリベラルにも配慮した内容で、公平さやバランスのよさを感じられる面もある反面、物足りない部分もあった。2015年時点での安倍政権の現実的な政策を評価しつつも、リベラルへの期待も忘れない。武力介入で国際紛争は解決しないと書いているが、一方で明確な解決法を示しているわけでもなく、政治やイデオロギーの対立に起因する紛争が解決しなくなっていことこそ問題であり、絶望の原因であると感じた。
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2015年の作品。安倍政治、野党の状況、集団的自衛権、沖縄基地問題などについて、日本の戦後の政治を構造的に捉えたうえで分析しようとする視点が、ふつうのマスコミの記事とは趣が異なっていて面白い。
ただ、ある程度基本的な知識を持つ読者を対象にしているせいなのか、途中の説明がない断定的な表現が多く見受けられ、少々文章がわかりにくいと感じました。
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雑誌、VOICEでの著者の論説を読んでみて、他の主張も読んでみたいと思い購入した一冊です。いままで、漠然とした認識であったものが、正確な言葉になって頭の中に入り込んできた感じがありました。たとえば、ロシアのとの外交が重要なのはなんとなくわかるが、その理由については。。と言う認識でいましたが、「政治・経済的に弱いポーランド以東の東欧諸国や複雑な事情を抱えた中央アジア諸国との問題を安定するため」などなど。日本国内の問題や、外交について国際政治学者さんの主張を読むことができたことは、有意義でした。
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最近よくテレビで見る方なので、どんな論調かと手に取りました。ニュートラルなものの見方をしている感はありますが、いかんせんエッセー的すぎるかな、とも思います。すでに話題がちょっと古いのですが、読みやすかったのでよしとします
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タイトルに惹かれて購入。なぜ絶望しているのか? ○民党も民○党も国民の辛さを真に理解した政治を行っていない不満があるから。そして、地方自治体の長や国・地方議員は名前を連呼するだけの選挙運動、地縁血縁で票を入れることを民意とする国民に絶望しているから。本書は残念ながらその解を提示してはいない。国際政治学者としての政策提案としては面白いものがある。ただしカタカナ語を多様する筆致には辟易したが……
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日本の状況を努めて客観的に見ていると思う。
しかし、妄想の世界に生きる人々が多数の現実。予想が当たることはあっても、提言が活きることはなさそうに思えてならない。
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冷戦期は安全保障を語るのはジャーナリストでも学者でも、危ない人というレッテルを貼られた。
外交の基盤は情報で、情報の基盤は分析。
我々が恐れるべきは、我々自身の無責任な冷戦思考。冷戦思考には様々な悪癖がある。
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決して「日本に絶望」していないけど、「政治の勉強がしたい!」と思ったら、目の前にあった一冊。笑 すんなり理解できる章となぜか難解(おそらく自分の知識不足。。。)で「???」になる章と理解にばらつきはありましたが必死についていきました。笑
しかし、「政治を知ろう!」と思ったら「歴史」「経済」「民族」など多岐にわたる理解がないと関係性を理解することができないことを思い知らされる。。。さあ、また勉強しよっ!
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前著「シビリアンの戦争」が興味深かったのをきかっけに著者のブログもちょくちょくフォローしていた。ブログ読者にとっては既読の項目も結構含んでいる。
ナショナリズムを嫌悪しつつ空想的平和主義にも懐疑的な穏健保守、といういわば「ビジネスパーソンの気持ちいいところ」が立ち位置の人、という印象を抱いていただけに、この割とラディカルな書名はやや意外かつ期待値は高かった。お、あえてこのタイトルなら予定調和でない何か新しい視点が得られるかも、と。
その観点からいうと、安陪政権に対する評価が総じて肯定的なのはやや肩透かし。もちろん「肯定している」ことそれ自体への不満ではなく、それなら別にこの書名でなくてもよいのでは、という意味で。これだと文字どおり「日本に絶望している」想定読者層の一部は途中で投げ出してしまうのではないか。
その意味では、圧倒的に迫力があったのは「非正規、女性」にフォーカスした労働市場の論考だった。こういう人々にまっとうに報いないで何のための国民国家か、民主主義か、という一連の主張はもっとも切実に響いた。繰り返しだが、読むべき人たちが外交・安保部分で「ちっ、政権万歳か」とここまでたどり着かないとすれば、それはもったいないという思いだ。
要は、国民国家という形で経済の際限なきグローバル化を一定程度せき止める(そのための防衛コストも税金として国民に負担させている)以上、その枠内の人々の不公平は許容すべきでない、ということと理解した(結果としての格差もさることながら、「世代」とか「性別」といった基本的には変えようのない前提条件の不公平の是正)。私はこれに強く共感するし、この点の進捗のあまりの遅さこそが著者のいう「絶望」なのかもしれない、というようなことを思った。
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そうか〜。なるほどと思うところをピックアップ。
日本のくびきとは何か?
どんな国民よりも差を際立たせること、くびきを意識させることに居心地の悪さを感じる。格差という概念や言葉に敏感。一体感を損なう、空気が読めない行動や言説への反発と制裁の厳しさ。社会的弱者と向き合うことは社会の欠陥を認めることであり、一体感への脅威となる。
日本の労働者の4割を非正規が占める。先進国の時給は1500〜2000円水準。ワークセイム=セームペイ
保育、母子手帳でなく本来は親子手帳。男女とも保育所のお迎えに間に合うか夕方になったらソワソワする社会が普通。いいね!
日韓関係2000年の経済危機に韓国が知米派になったことから変化。
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講演などの話を聞くと分かりやすい話をしてくれるのだが、Amazonプライムの件などネットでは叩かれている。三浦さんとはどんな人なんだろうと読んでみた。
感情に訴えるタイトルは嫌だったが、分量も少なそうだったので。
内容について
なるほどそう言う見方か!と言う学びも所々あった。
しかし、全体を通じて個々のセンテンスの修飾が強過ぎて、内容を追うのに疲れた。
話は上手いが文章はあまり上手くない感じ。人にはお勧めできない。
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テレビで見て著者に興味を持ち、読んでみた。テレビでの印象の通り、基本的には自民党政権を自明のものとし、そこに改善を提案するスタンス。
リベラルを自認するも立民党の力不足は明白でお話にならないといったところか。
内容は分かりやすく現状(2015当時まで)のおさらいに役立った。しかし、タイトルから期待した現状打開の提言についてはさほど感心するところはなかった。そこは物足りない。
内容メモ
ーー自分の感想
●著者の基調ーコンパッション(共感)
ーー著者の言わんとするところが今ひとつわからない。共感はいいとして、もうひとつ踏み込んで論じて欲しかった。というか、共感に熱がない。
●日本の二大政党制は
日本の社会福祉制度などはリベラルの努力の成果でなくほとんど保守政権の政策の都合から推進されたものである。
リベラルの政策はいつも自民党に取り込まれてきたからリベラルの存在意義を示すことが難しかった。
日本の政争は従来保守と保守のせめぎあい。経済利権vs統治利権だ。
ーー確かに自民党はずっと中道左派だったと思う。しかし安倍さんのもとで右翼思想が強く示され、グローバル化で状況も変わった。そろそろこの体制も終わるべき。リベラル弱すぎる。結局自民党を超える理想の高さすら示せていない
●リベラルとは
国民国家の枠組みで身を護るのが保守
国境を越えて世界の人に共感するのがリベラル
ーー日本のリベラルは内向きで世界で起こっていることに無関心では? 人権や平和を守るための軍事介入が行われているとき日本は国際協調すべきかなど他人事すぎて考えてないだろう
●集団的自衛権議論の泥仕合
安全保障論議を法律論に押し込めて議論する伝統
それぞれの勢力が勝利宣言するためにも、論点を字句解釈に矮小化する手法をとった。それこそ日本の政治的、知的伝統の積み上げであり、本質的でないことが本質的という複雑な状況
ーーこうして敵を殲滅することなく和をもってウヤムヤのうちに決着。和を尊ぶ美風のようであるが建設的な議論が展開されにくい。報道を見てるとイライラする。論点がずれているので、後に役立つ議論にならない
●闘え左翼 ただし正しい戦場で
いつまでも平和と憲法に拘泥すべきでない。
闘うべき論点は
非正規・女性・地方。
国民の4割が今や非正規労働者。
ーー非正規が4割もいるのか。(本書は2015年出版)
なんでこれを最大の争点にしないのか。最低賃金は1,500円から2,000円にすべきだしできることはたくさんあるだろう。リベラルならではの政策をアグレッシブに打ち出せばいいのに。
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いろんな政治の出来事に持論を話す本
なんか読みにくかったおすすめはできないかも。まあフラットな立ち位置。少し自民よりかも。
わかる人には良いのだろうけどずっと語り口調なのは読んでいて辛い。入門書を名乗るならわかりやすくする工夫みたいなのが欲しかった。
右派左派、弱者、地方、女性、非正規、外交、自衛
自民党、キャッチオール
野党再編、分断が少ない日本、統治利権:地方重視か経済利権:大企業主義か
国内の平等のために、国外の平等には目をつむる