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投稿者:ぺやんぐぅ☆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある男が殺された。簡単に終わると思われていた捜査は、行き詰まってしまう。そこから主人公の刑事の粘り強い追跡が始まる。読み手には犯人が何となく分かるが、最後まではっきりとは掴めない。犯人がだれかよりも、犯人を絞る過程が細かく描写されていて、主人公刑事の思考回路に吸い込まれていってしまうようだ。書かれたのは私が生まれる随分前のことだが、新鮮さを持っていて、古さを感じさせない。推理小説が嫌いな人でも、一気に読める一冊だと思う。
紙の本
「カメダ」と東北弁
2020/10/10 17:06
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本映画史上の金字塔と言われる「砂の器」。そして、何度もテレビドラマ化され、内容を知っていることもあり、まだ読んでいませんでした。今回、一気に上下巻を読了。昭和30年代の小説の割にはテンポが良く、まさに名作と思いました。顔が潰された殺人事件が発生。目撃者も複数いることから、当初は楽観視されていた事件ですが、被害者の特定さえ難航します。上巻は、その特定にほぼ費やされています。手掛かりは「カメダ」と東北弁の訛。二転三転する展開は流石です。そして、鍵を握る人物の突然の病死。これは偶然なのか。下巻に続きます。
私は田村正和と仲代達矢の「砂の器」が良かったです。ただ、加藤剛主演の映画は観ていないので、是非観てみたいと思いました。
紙の本
丹念に丹念に
2023/03/10 16:36
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある男の他殺死体が見つかった。
そこから始まる捜査。
「カメダ」と訛りを手掛かりに地面を這うような捜査の過程が丹念に描かれる…
地道に積み重ねられる捜査が導き出すもの、垣間見えてきたものはなんとも苦い。
たぶん、最後は人間の中にある薄暗い場所を見る事になるのだろう。
身構えながら下巻を読もうと思う。
電子書籍
昭和の小説だが
2022/07/11 01:40
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり、昭和の古さは感じませんでした。カメダ、というのを、人名ととると……しかし-地名なら。そして、東北の訛り……。何度も映像化された作品ということですが、それだけのことはありますね。引き込まれました。下巻が楽しみです
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上下巻。昭和36年に発行された小説なので、今読むと「?」な部分が多々あります。当時は斬新なアイディアだったと思われるストーリィの組み立て方も、アンフェアな印象を受けるし、あまりにも刑事に都合よく物事が進みすぎる感じがしました。第二・第三の事件のトリックに至っては思わず頭を抱えてしまった程です。ラストも何だか拍子抜けしたような感じでした。ドラマの影響でこの本を手に取ったのですが、ドラマは、このつかみどころの無いストーリィを再編して上手くまとめていたと思います。ただ、放映期間が3ヶ月と短かった事が残念でした。
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旅行へ行く際、電車の中で読もうと
駅構内の本屋で購入。そのとき改装中で非常に狭いスペースで営業しており、強いて言えばこれ?と思って買ってみた。読んでみて、たんたんととてもゆっくりまどろっこしく進む話なんだなぁと思ってちょっとびっくり。ドラマは見てなかったけど
それでもチャンネルを回せば目に入ってきたし、特番もあった。案外ドラマのほうが良いんじゃないかと
思えた…。
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一時、松本氏の作品にハマッタ。でも電車ものはパス。中で1番好きなのが本書。初めて「らい病」という物をしったし、人生の不条理さを痛感させられた。自分で登りつめた頂点から突き落される、それも自分には何も落ち度がないのに。とっても辛く悲しい作品。映画では主人公を加藤剛さんが演じてましたよね。なつかしい!
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中居正広主演で2004年にドラマ化した「砂の器」の原作。
私はドラマ見てからこの小説読んだんだけど、見る前に読みたかったって思いました。
なんだか描写がキレイで、読みやすかった。
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事件解決の入り口に「カメダ」という方言(訛り)を取り上げたことが、新鮮でオモシロい。華麗な人間関係がさらに事件の成り行きを興味深いものにさせた。
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最近急に読み返した本。なぜかというと、AERAの記事で特集してたからなんですが。日本全国の様々な地名、出雲弁と東北弁との類似点など、推理小説としてのみならず旅ものとしても読み応えのある本書ですが、読売新聞連載時、松本清張は登場するほとんどの土地に行ったことが無い(!)状態でこれを書いたわけなのですね。各支局の記者からのレポートでこれほど複雑な物語を構築できる筆者の構成力に、うんうん唸りながら読み返しました。最初に読んだ時はハンセン病患者への昔の対応にショックを受けましたが、今は筆者の構成力にただただ感服なのです。
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ドラマをちょっとだけ(最終回の後半だけ・・)見てからの読書。 松本清張の「開けたカッコは必ず閉じる」ような几帳面なロジックはどれも読んでいて気持がいい。
当時の社会背景といまでは違うし ドラマはここに「宿命」というテーマを与えて人間味を増していたようだけど だったらそれこそ原作と同じくハンセン病の抱えてきた過去を描いてもよかったのでは? あともうひとつ印象的だったのが原作では汚いものとして扱われる「出世欲」「名声欲」がいまの社会ではすっかり正当なものになってしまっているんだな、と気付いたこと。 時代観の相違というのが面白く ドラマは(ちゃんと見てないけど) 原作のエッセンスを活かしながら人間ドラマに仕上げていたと思う。 DVD借りよう。
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1973年に発行された本だけど、私は最近読んでまったく古さを感じませんでした。携帯電話や当時の若者のファッション、女性の言葉遣いなどは時代を反映しているけど、むしろそれが良いアクセントになって新鮮に感じました。推理小説って面白いんだ!と思える一冊。
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高校時代、映画を見せられてその後に購入した本☆うーん、どぉかな??あたしは映画よりも面白かったです。はぃ。でも暗い。。暗かった。。。
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舞台となる昭和30年代の様子が懐かしい。汽車の窓から紙吹雪を散らす女ってのはどうかなぁ。現実離れしてないか。
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子どものころ(高校生のころか?)に観た映画版「砂の器」には痛く感動した覚えがある。つい最近まで放映されていたテレビ版「砂の器」も。主人公の歌の酷さに反比例した抑えた演技はなかなかのものであった。
今回読んだ原作はといえば、松本清張本人が言っているように、
「…普通、推理小説の形態をとった場合には、必ずや解決篇が必要である。…しかし、最後にいたって”絵解き”の部分がはいると、俄然”文学性”は地下にもぐってしまう、絵解きぐらい非文学的な通俗的な論理はない…。」(新潮文庫版より引用)
のである。謎解きに飛躍を感じるのである。