紙の本
モヤモヤが残る
2022/10/29 09:11
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
子ども時代をニュータウンで共に過ごした女友達3人が20代後半になって立場や経済力に差がついている中で、互いに張り合い、悩み、それぞれの道を歩んでいく話。この著者の小説はラストでハッピーエンドになることが多いですが、本書では解決策が示されないままなのでモヤモヤが残りました。頭が悪くて見栄っ張りで独占欲の強い男でも、金持ちであれば夫にするのかという1点だけでも考え方は様々で、私は本書のような結論もありだよなぁと思いました。
電子書籍
知りきれトンボ感が
2022/03/12 16:53
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投稿者:K - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもラストは解決策スッキリの垣谷さんですが、こちらの本はまだ解決しないまま終わる珍しいラスト。
でも現実でも国政まで行っても自分の理想を実現するのはほぼ出来ないのが現状。
バブルって恐ろしい時代ですね。
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際ありえなさそうだし、
半ばから感じたけどやっぱり当たった。
最後まで読んでもモヤモヤが残る作品だったかなぁ。
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ニュータウン住宅を軸に据えた、人生小説。
設定も主人公たちの思想も生々しくて、ページは滑らかに進む。
ただしそれはワイドショー的な興味であり、書き口は教科書的で、展開は少し大人しすぎる。もう少し派手な方が好みだった。
あと、あとがきがちょっと余計に感じた。
3-
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前半は金銭面と人間性でみみっちい話が繰り返され、こんな本を読んでいると自分まで小さくなりそうだと思いながら読んでいた。後半は話が飛び跳ね過ぎて纏まりが無くなってしまった感じ。一気に読めるんだけど、後味も良くなくて今ひとつでした。
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「家」と「女」の話。下世話だけどリアルでおもしろーい!色々な生き方がある、とはいえ将来のことを考えると息が詰まる。琴里のような暮らしをしている女性は多いだろうと思う。様々なテーマに対する問題提起を含んだまさに社会派エンタメ!
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「家は誰にもあって然るべきなのに、どうしてこれほど翻弄されなければならないのだろう。」
ニュータウンに住む主婦の、この言葉にしみじみとうなずいてしまうお話。私は家のローンを抱えているわけではないけど、借家暮らしにもリスクや不安は当然ある。
持ち家だとしても、この小説のように集合住宅の場合、修繕やなんやと話し合いの必要な局面は多く、またそれがうまくいかないことの方が多いんだろう。家の問題だったのに、いつのまにか人間関係のもめごとになってしまうややこしさ。ただ、この小説の面白さはねじれにねじれた問題がなかなかほどけない、そのややこしさの中にある。
ニュータウンがさびれている、とテレビ番組が言っているのに対し、ミスリード、風評被害だ、と主婦が思う場面が印象的。緑の空間、駅から続く道の美しさなど、ニュータウンにもいいところはある。それに高齢化やシャッター通りはニュータウンに限った現象ではないじゃないか!と。なるほど確かにそうだ。結論ありきの主張に流されてはいかんね。
家のことと並行して、主婦の娘の恋愛問題も語られている。こちらは家のことに対してちょっと非現実的な展開で、リアリティはないけど、話のスパイス的な印象を受けた。
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おいしい話には裏がある。というか。
全体通してなんとか読んだという印象。
テーマはそこじゃないはずだけど、女って怖い。
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戦後中流層の『斜陽』物語。
ハッキリ言って、人間は生まれた時から格差の中に放り込まれる。
本当は一部の成金を除いては、格差の上階層へ移動することなど不可能なのだ。
しかし、これからも景気は上向き続けるという幻想のもとにローンを組み、不動産を手に入れることで、自分もなんだか中流になっちゃった、とみんなが浮かれ踊ってしまった時代があった。
後からバブル期と名付けられ、その時にはすでに泡ははじけていた。
…などと冷静に書いているが、もう、自分とかぶり過ぎて、小説とは、ラストのクライマックスで泣くものだろうが、ダブルヒロイン(母と娘)の母世代の事情が説明されるくだりで、号泣したくなった。
収入にそぐわないローンを組み、世帯主の給料は半減し、年金支給年齢は上がり、不動産価値は下がり続け、子供はまともに就職できない。
集合住宅は老朽化で、建て替え問題で住民は揉める。
娘世代は、幼なじみ3人組のそれぞれと、たらい回しされる、土地持ちナルシストボンボンが描かれるが、このあたりは、何の苦労もなく不動産で暮らせる、真のお金持ちがうらやましくはあるが、あまりに自分とかけ離れ過ぎて憎しみさえわかず、お坊ちゃまキモ~イ、と笑える部分である。
頼子同様、節約に悩みながら必死で生きてきたが、もしかしたら、世の中の価値観というものが、戦争などという大事件無しにして、ぐるんとひっくり返ってしまった時代に遭遇してしまったのだろうか。
人生ゲームの上がりは「持ち家一戸建て」ではない。
雇用の安定は、無いが前提。
そういう時代になった。
とても考えさせられ、身につまされる内容だったが、やはりこの人の文章は読みやすく面白い。
最終章あたりで「そんなに上手くいくわけないじゃない」と思わせる部分があるのは「七十才死亡法案、可決」もそうだったが、それを差し引いても面白かった。
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住宅ローン返済に苦しむ織部家を舞台に、限界集落化するニュータウンや老朽化による建て替え問題、世代格差に資産格差など現代社会の様々な問題を、ユーモラスに描く長編小説。
バブル崩壊の歪みがいまだに庶民を苦しめる。政治の不味さが最大原因だが、当時の国民の浮かれぶりは私も含めて、今となっては情けなく恥ずかしい。
登場人物のそれぞれの生き方は、バブルの後片付けをしている私達自身だ。明日に何を見出だすのか。人生に最も大切なことである。
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住宅ローンって、これほどまでに重くのしかかるのか・・・あんまり実感わかない。お金持ちのダメダメくんを友達の間で、たらいまわしするのは面白かった。現実味には欠けるけど、オンナ特有のこわさが描かれていた。自分の周りにはないけど、こういう世界もきっとあるのだろうなあ。ロンドンで琴里が友達にきっぱりともう会わないと告げるシーンはいいなあと思った。友達って何だ?と考えてしまう。
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なかなか面白かった。
ツイッターで知ってこの連休中に読んだ2冊目。
家を買うというのは人生の中でも大きな決断。
ところが時代やその時の経済状況など自分ではどうすることもできない部分の影響を受けるし、簡単にはやり直せないし。
自分が30を過ぎてそろそろ自分の家探しを意識し、親の家探しの結果の意味もわかる年頃になっていたということもあり味わい深く読めた。
究極的には幸せとは何かということがテーマの本なのだろう。
そしてその答えは人それぞれという他なく、それが実感としてわかってきている身としては最後はなぜか安堵感のある本であった。
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設定とか背景については面白かったが、小説としては紋切り型。まあ七十歳死亡法案を書くような人というあたりでそうなのかなとは思ったが。他のジャンルで書いたほうがよかったのでは。
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バブル崩壊に巻き込まれ「頑張ってるのにどうして今はこんなに苦しいんだろう」と思っている世代向け小説。このキャッチフレーズは誤りじゃないけど実に面白い。
終わりの、ずっと友達じゃなくてもいいって下りが好きだ。
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まさしく「斜陽」
それぞれに抱えたベタな事情
現実から遊離した「ヨーロッパでは…」
貧しさ辛さを人のせいにして
ヌクヌクとした惨めさに閉じ籠る
岡山の豊かさがなければ
危機はクリアできなかったわけで
田畑を売ってそれをしたのだとすれば、
切り売りで建て替えるのと変わらないんだよな