一気読みしやすい終末SF
2017/04/28 22:06
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ページ数が少ないので一気読みできます。
終末ものの作品であることに間違いないとは思いますが、
物語を読み進めるに連れて、謎が明らかになるということも面白いポイントだと思います。
しかし、謎が明らかになった段階で物語が終了しているので、
登場人物がこの先どういった行動を取るのかというのを知りたい読者には、満足のいくような結末ではないでしょう。
新たな「幻想の未来」
2016/02/18 19:08
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は章ごとの文体変化に戸惑ったが、読み進めるうちに作品世界にのめり込んでいた。抒情的側面を併せ持つ、面白い味のファーストコンタクト物。
巻末インタビューでは、「ソラリス」や「幼年期の終り」に言及されているが、本作を読む間にずっと頭を占めていたのは筒井康隆の「幻想の未来」だった。いずれにしても、新たな才能の誕生を素直に喜びたい。
中途半端な終わり方
2016/02/09 22:51
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界の新しい終わり方の提示としては、なかなか斬新なアイデアだと思う。
ただ、日本のSF作家によく見られる、「きれいに書こう」という意識が強すぎて、少年時代の描写がいまいち薄いのが残念。
子供って、もっと残酷で、もっと聞き分けのない生き物だよね。
物分かりがよすぎる子供は、それだけでモンスターだ。
少年時代の夏はいつも、もの悲しい思い出を残していく。主人公のひとりであるタキタ少年も、転校生ノイに初恋に近い想いを抱くが、そこんところはもっと掘り下げて欲しい。
せっかく、余韻に浸れるきれいな場面が多いのだから、もっと大切に書いて欲しかった。
その他には、物語をもうすこし長くしてもらった方がいいかな。
せっかく、良い感じになってきたところで、唐突に終わってしまったのが不満である。
「幼年期の終わり」や「ブラッドミュージック」とは言わないまでも、同じ系統の話なのだから、視点人物をはっきりとしぼって、涙の中で終わらせて欲しかった。
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こことは別の宇宙が出現して
こちらの世界を緩やかに侵食する
それはとても静かな終末の始まりだった
***
なんとなく不審な動きも多かったので
オチというかネタというか
だよね、と思ったりもしたけど
設定は面白かったし、文章もスッと読めてよかった
交互に挟まれるデザイナーの人間くさいストーリーが
別の軸のちょっと次元の違う話とメリハリがついていてよかったと思う
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終末好きとしては外せない。本作では緩やかな滅亡を予感させつつ、それでいて日常が維持されている、そんなややもすると中途半端とも言える状態が維持されている。それでいて、明るい未来があるわけではないという閉塞感もある。オチはまぁ途中である程度読めてしまうんですが、ラストの切り方は結構好きでした。
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今年の読書はじめの一冊。
大晦日明けの電車の中で読みました。
舞台設定としてはSFなんだけれども、どちらかというとファンタジーな印象。あとものすごい男性目線(男性作家だからね!)。
男性にとって一番理解しがたい隣人が女性なのかもしれない。
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ファーストコンタクもの(かもしれない)。優しい世界の週末が描き出されていて、世界の終わりが見えているのに悲壮感ではなく、ジュブナイル小説のようなみずみずしい感じが、この作品には漂っている。
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この非モテ男子の心をくすぐる独特の世界観、「どうして世界は僕を孤独にするんだろう」的なセンチメンタリスム・・・映画化するなら新海誠で!
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図書館で。
ジュヴナイルというかヤングアダルトというかラノベというか。まあこういうのは高校生ぐらいの時に読むと相性が良さそうだな~とイイ年したこちらはちょっと冷めた目で見てしまいました。
ひと夏の思いでとか転校生の女の子とか白いワンピースとか。男子が好きそうなキーワードだなぁ…。個人的にはタキタさん(だったかな?)の話をもっと掘り下げた方が面白かったかもなぁなんて思いました。デザイナーの話とかは…まあ、ちょっと色々と舌足らずなような。
まあ年食っちゃう前に読む方がこういうのは良さそう。それにしてもクラウドリソースの空いた所で二次元(3次元?)の女の子の胸の大きさを計算してるとかやけにその辺りだけリアル(笑)でなんか世界観がそぐわないな~なんて思いました。
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SF。近未来。終末もの。
”涯て”の存在が一番の見どころ。
アニメ『DARKER THAN BLACK』のゲートを思い出した。
青春SFに分類したい。
あまりに抑揚のないストーリーだったが、読後感は悪くない。☆2.5。
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分かりやすい展開というか、小説にメリハリを求めてしまう俺にはちょっと物足りない作品ではあった。ただ、とても美しい小説だと思う。
思い出と意識があり、時間軸が現在と過去と未来を自由に行き来できる世界であれば、俺たちは永遠に生き続けることができるのだろうか?死後の世界とはそういうものなのかも知れない。
こういう小説はいつもの読書空間、布団の中とか通勤電車の中とかではなく、気持ち良く晴れた秋の日差しを浴びて公園で…みたいな環境で読んでみると、沁みるんだろうなぁ
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最初の設定は「蒼穹のファフナー」そっくり。
話が進むと、どこかで見たアニメのよう。
SFとしてもイマイチかな。
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〉あの夏、ぼくは子供だった。
〉半ズボンとビーチサンダルと、汗ばんだり乾いたりするTシャツだった。
〉世界の「終わり」が始まったのは、もうずいぶん昔のことだ。
〉つまり「涯て」が世界に現れたのは、ということだ。
ノスタルジック終末お仕事SF、かな。
球状の侵食異次元空間の進行を止めるために記憶を「思い出す」仕事をしている老人と、
その子供時代の少年、
それから老人の依頼を受けた3Dアバターデザイナーの青年。
三者の視点を交互に描きながら、時間の流れが世界とは違う「涯て」という存在について語る物語。
球状の異界が侵食してくるって言うと、「時の果のフェブラリー」(山本弘)とか「闇の中へ」(グレッグイーガン)っぽい。「正解するカド」の四角…は違うか。
あとネタバレになるけど、涯ての存在はやっぱりあの大きいアレが想起されますね。
ゲームデザイナーの著者による第3回ハヤカワSFコンテスト佳作入賞作品。
ハードSFっぽい読み応えと、読みやすさを両立しつつ爽やかで穏やかな読後感が素敵。面白かった!
今日発売の天冥の標の前に読み終わるかなと思っていたけど一気に読んでしまった。
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なんとも表現し難い、というのが率直な感想。
ひとつの結末を迎えたといえばそのとおりなのだが、何の出来事も起こっていないとも言える。
気に入らなかった部分を先に挙げてしまうとすると、まずは文体。
「〜だった」という過去形が多すぎて、リズム感が悪い。
二つ目は構成。
この作品は、少年と少女のパート、老人が懐古するパート、ゲームクリエイターのパートの3つから成り、場面転換が多い。
それがやや苦痛だった。
私はゲームクリエイターのパートは不要なのではないかと思う。
書き方次第で、他の2つに集約できるはずだ。
良かったのは、少年と少女のパートで、子供らしいワクワクとか、ドキドキが伝わってきたところ。
それだけに、素直なボーイミーツガールが読みたかった。
結末は、始まったのに終わってない感じ。
それに、私は過去を思い出すことも美しいことの一つだと考えているので、ラストは人間の尊厳が奪われているような印象が強い。
ロマンチックSFかと思ったら、結構怖い話だった。
そうか、そう考えたら、あのラストで終わっていいのかもしれない。
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難しく書けば難しくできそうなことをライトに表現しているので読みやすい。あと、次元が複数あるわけではないので理解しやすい。もうちょっとノイのパートが多くてもよかったかな~