日本の未来を見据える
2016/04/03 23:12
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済の仕組みを見直し、再検討している。高度経済成長は実は為替要因が大きかったなど今までの通説的な考え方に疑問を呈している。著者は元大蔵官僚
経済に詳しくなくてもスラスラ読めます!
2016/03/08 13:41
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投稿者:黒酢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済の本を読むと、ナニナニの法則やら数式やらで、結構読むのがしんどくなります。
しかし、この本は、日本経済の過去の出来事について、数値データなどの客観的事実に基づいて、その本質を説明してくれるので、興味深く読めるし、説明もわかりやすいです!
トピックスは以下の通り。
・戦後の復興(1947~1953)
・高度経済成長(1955~1973)
・狂乱物価(1973)
・プラザ合意(1985)
・バブル(1986~1991)
・デフレ(1992~現在)
各トピックスが、なぜ、起ったのか?そして、なぜ、終わったのか(終わるのか)?ということが、素人にもわかりやすく説明してくれます。これにより、日本の戦後経済の大きな流れも把握できるので、非常によくわかった気分になれます(あくまで気分です)。
経済産業省、財務省、日本銀行などをバシバシと厳しく批判していますので、そういった面からも楽しく読めます。
個人的な感想としては、日本が高度経済成長をした一番の理由を知ったことにより、今後、このような成長をする可能性は非常に低いんだという印象をもちました。地道にがんばるしかありません!
それと、官僚には期待できないので、経済をよく知る政治家にがんばってもらいたいです。しかし、安倍晋三首相が経済をよく知る政治家の方にカテゴライズされる現実に、ちょっと暗い気分になります。コラ!政治家!もっとマクロ経済を勉強しろ!
あと、竹中平蔵元大臣についても汚名返上となる記述があります。小泉政権当時に、既に、インフレターゲットや日銀の独立性に関して官僚と戦っていたなんて!
とりあえず、経済の入門書としてお奨めです。
見えない現代革命!
2016/01/28 18:18
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投稿者:M マサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全体的に非常に面白い、何故今、アベノミックスの量的緩和策が行われて要るか、よく解る内容になっている。
1955年から1973年まで、日本の経済成長率は平均して10%近くに達していて、この成長期に、政府の政策が無かった事と、1ドル360円の楽勝レートが高度成長の最大の要因だと、意外なのは、東京オリンピックのインフラ整備の公共投資による経済効果より、貿易の自由化による経済効果の方が、影響が合った様だ。
固定相場制は、常に為替介入をする制度、(ドルを買いまくって360円を維持していた)
1973年2月から、変動相場制になるが、ダーティ・フロート(ドル買い介入継続)の裏の介入が続いていた、真の変動相場に移行したのが、1985年の「プラザ合意」為替介入をやめることに。
資本主義は問題の多い制度で、運営がまずいと恐慌になるが、社会主義より修正が利きやすい、
社会主義と資本主義の違いは、「ミクロ経済学の領域」への政府の介入の度合いの違いだで、官僚がマクロ政策をし、ミクロは分権化して市場に任せるのが資本主義になる。
バーナキン教授は、インフレ目標の定義に、資産価格は入らず、一般価格で判断する、また、資産市場には一定の規制が必要でバブルの要因になっている。バブルを起こさない経済政策よりも、バブルが起きたら、正しく処理することを、適切なマクロ経済政策を展開すべき。
しかし、政府の政策は資産価格から、引き締め政策をしていた20年がデフレが続いて行った、
リーマンショック後のアメリカや、イギリスは、大胆な金融緩和を実行し早めに、景気を復活させ、日本はお金を刷らなかったので、猛烈な円高が進み、リーマンショックの後遺症が長引いた。
「失業者を最小化すること」こそが、マクロ経済政策の目的。それが成功していれば、経済政策はおおむね正しい政策で、上手く行っていなければ、経済政策に不備がある。
マクロ経済から見ると、1ドル80円を放置していると、日本を代表する起業が赤字に陥るが1ドル120円ならば、多くの輸出企業が利益を出せ、みんなの恩恵が受ける。固定相場時は、1ドル360円なら、普通に仕事しているだけで、もうかって要るだろうと。
戦後経済史を振り返ると経済環境を最も大きな影響を与えていたのは、為替レートだった。その為替レートは、金融政策で決まる。
最後に、為替の安定は、政府の責任だと、失われた20年は、円高を放置した日銀の責任は大きいと、何が、「間違った常識」で、何が「物事を正しく見る眼」なのか、歴史から汲み取るべきだと締めている。
以上が、この著書の内容だ。非常に面白い、私自身、1ドル360円の固定は、国間同士の決まり事と単純に考えていたが、猛烈なドル買いが合った事は知らなかった、裏を返せば、円を沢山刷っていた事になる。
著者は、TPPを薦めているが、私自身は、TPPに関しては、長いスパンでの大まかな考え方には、著者には賛同出来るが、しかし、急速なグローバル化は、発展する前に、ローカル文化を破壊してしまう、やはり、日本のローカル文化からの産業が新しく産まれる為にも、無神経なグローバル化には、何か引っ掛かる物がある。
全体的には、非常に中身の濃い内容になっている。また、大蔵省から財務省へ、また、日銀のシステムが替わり、今のアベノミックスが有る。この辺の話も非常に面白い。ある意味、日本の見えない革命に、著者の功績が伺える。
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投稿者:上総介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後に経済で起こったことを取り上げ解説しているが、
なるほどと思うことが多い。ただし、電子書籍は字が
小さい。
マイナス金利を当てた方
2016/03/27 17:55
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投稿者:のな - この投稿者のレビュー一覧を見る
YouTubeの番組でマイナス金利を予見されていた方。本の内容はデータに基づいた、非常に分かりやすいないようだった。
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投稿者:かめきん - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい観点を提供してくれるという点では簡潔明瞭の良書であると思う。
しかし、いかんせん新書220ページ程度でこれだけの話題をカバーしようとすると、
どうしても根拠統計や詳しい数式説明が省かれてしまう。
自分で調べれば分かる時代ではあるが、少々大雑把であると感じた。
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当たり前のように知っているはずの経済の歴史の間違いを正しく理解して、現在から将来にかけて、経済状況を見誤らないようにするための一冊です。固定相場制に関しては大きな勘違いをしていたのでとても為になりました。思ったより、小説や教科書で習う経済事象に関して、今でも大きな誤解があるようで、世に喧伝されている真実とは違う事柄が多くありました。
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今年(2016)初めに出版された、高橋洋一氏の新しい本です。その一か月程前には「地政学入門」という本も出されていますから、凄い執筆活動をされていますね。
出される本が私の興味をそそるものが多く、この本もその一つになります。帯に書かれているコピーに思わず惹かれました。高度経済の要因は殆どが為替であり、通産省の指導はあまり関係ない、バブル期には物価は上昇しておらず、していたのは資産価格のみ等、彼の根拠には実際のデータの裏付けがあって、私としては納得できるものが多かったです。
真実が分かられば、現在日本経済が低迷していて、それに対する解決策を官僚が示すことができないのも理解できますね。この本を読んで、これからは益々、誰か(年金等も含めて)に頼ることなく、自分の将来は自分で責任を持って設計する必要性を感じました。
以下は気になったポイントです。
・高度経済成長は通産省の指導のお蔭というのは「嘘」、高度経済成長を支えたのは主に為替要因。1ドル=360円の圧倒的に有利な為替レートが輸出産業と高度経済を支えた(p13)
・1ドルが360円から前後しそうになったときには、日本政府が猛烈に為替介入した。円を刷る必要があり、日本国内はインフレ基調になっていた(p14)
・狂乱物価の原因は石油ショック、これは理由の一つ、固定相場制から変動相場制に変わる時期で、為替維持のためにマネーが大量に市中に供給されていたので、物価が上がったことが原因。狂乱物価は主に貨幣現象により起きた(p15)
・プラザ合意以降に円高誘導したのではなく、それまでこっそりやっていた「円安誘導にするための裏介入をやめた」だけ(p16)
・バブル期に異様に高騰していたのは、株価と土地価格だけ。一般物価は健全な状態であった(p20)
・傾斜生産方式は、アメリカからの援助を引き出した点で政治的な意味では成功であったが、経済的には殆ど効果無かった(p34)
・戦後のインフレを脱するための方法はシンプル、工場を復活させれば良い。生産手段が復活して供給量が増えれば物価は落ち着く(p38)
・預金封鎖は財産税のためであった、当時の猛烈なインフレのために、財産税はあまり意味がなかった、インフレによる増収の方が大きかった(p46、47)
・農地改革は経済的には大した効果はなかったが、地主層が増えて共産化を防ぐことができたことは良かった(p52)
・GHQがドッジラインにより金融を引き締めてしまったため、復興しかかっていた日本経済は深刻な不況になったが、朝鮮戦争による特需のおかげで助かった(p63)
・業界を保護してほしいときは、通産省に「指導」を頼むが、それが気に入らない時は「カルテルを心配して公正取引委員会に駆け込む」という使い分けをする(p79)
・銀行、証券の相互参入は、ずっと前からやっていたこと。迂回して持っていた株をダイレクトで持てるようになっただけ(p137)
・日本のバブル崩壊による損失は、世界の平均的な数字、財政��ストはGDPの14%(世界:13%、日本:14%)、生産損失(世界:20%、日本:18%)であり、歴史的なバブルとは比較できない普通のレベル(p149)
・この20年間に他の先進国がGDPを伸ばしているのに対して、日本だけがGDPを伸ばしていていないので、不良債権が早期に片付かなかった(p173)
2016年2月11日作成
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文系の観念論、バイアスのかかったイデオロギーの本は暑苦しい(笑)。
きちんと、データに基づき、100%ではないにしても、より精度の高い分析に基づく話には説得力がある。
今まで、悪賢い官僚の出す情報に、何ら疑いを入れることなく、プロパガンダ道具として利用されてきたマスゴミ・メディアの発する情報に辟易している者としては、痛快な本である。
内容は以下のとおり
プロローグ 経済の歩みを正しく知らねば、未来は見通せない
第1章「奇跡の成長」の出発点に見るウソの数々
第2章 高度経済成長はなぜ実現したのか?
第3章 奇跡の終焉と「狂乱物価」の正体
第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?
第5章「バブル経済」を引き起こした主犯は誰だ?
第6章 不純な「日銀法改正」と、痛恨の「失われた20年」
終章 TPPも雇用法制も、世間でいわれていることはウソだらけ
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戦後経済史で言われている通説(通説と言っても、俗説的な部分が多いけれども)を経済学の観点から鋭く批判する本書の主張には共感できる。またバブル期以降は著者が政策形成の現場にまさにいた時期だけに、生々しく描かれていて面白かった。バブル期以降の経済史はまだ通説というほど十分な研究がなされていないと思うので、これから書かれるであろうバブル以降の歴史の検証にとっても重要な一冊。
なお、叙述は平易でロジックは明快。読みやすい本だと思います。
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今後の経済を見ていくために、歴史をしっかり振り返る必要がある。
そのような視点で、これまで当たり前に思っていたような戦後の経済史の実態を著者の視点で解説していきます。
本文では、いかについて、すべて間違っているとしています。
・高度成長は通産省の指導のおかげ
・1ドル=360円時代は為替に介入していない
・狂乱物価の原因は石油ショックだった
・「プラザ合意」以降、アメリカの圧力で円高誘導するようになった
・バブル期はものすごいインフレ状態だった
一面的にみてしまうと、信じてしまいがちなことが、よくよく見てみると、異なっていた、そんな話はたくさんあるものです。
報道もそういう面があるかもしれません。
そのあたりしっかり見抜く必要があります。
<目次>
プロローグ 経済の歩みを正しく知らねば、未来は見通せない
第1章 「奇跡の成長」の出発点に見るウソの数々
第2章 高度経済成長はなぜ実現したのか?
第3章 奇跡の終焉と「狂乱物価」の正体
第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?
第5章 「バブル経済」を引き起こした主犯は誰だ?
第6章 不純な「日銀法改正」と、痛恨の「失われた二十年」
終章 TPPも雇用法制も、世間でいわれていることはウソだらけ
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戦後経済を振り返ってみればこんな感じなんでしょうね。冷静に振り返るとわかるんですが、当事者になると盲目になってします。現状を冷静に見ることが必要かと。ここ20年の日本経済の対策は失敗続きで本当に心配になります。
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戦後日本の高度経済成長はその大部分が為替、金融政策のおかげであるということがよく分かった。一般的には「官僚たちの夏」や本田宗一郎伝説のような特定の人物達の努力が日本の成長に結びついたのだというような属人的な物語が受け入れられているが、その背景には金融政策が相当な追い風になっていた事を忘れてはならないのだと感じた。
巷の経済論議では産業政策的な官僚の知恵に根ざした政策や構造改革的なものがことさら大きく言わがちで、金融政策や財政政策は軽視されている。金融政策、財政政策、構造改革。バランスある議論と政策が日本では求められているはずだ。本書では金融政策と民間企業の活力の大切さがよく理解出来るだろう。
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戦後荒廃後も民生工場が多数残存し、資本主義の土壌があったので原材料があれば復興できる状態であった。経済成長は民間主導、自由貿易によっていた。民間躍進も技術力だけではなく、固定相場制の為替による高レートの恩恵を受けていた。固定相場制の維持のために政府によるドル買い円売りは金融政策を封じることになる。ニクソンショックは金本位制の限界から予想された話しで急なインフレはオイルショックで始まったわけではない。バブル経済は一般物価の高騰は顕著に見られず、株、不動産のみの値上がりだった。デフレの今は、金融政策によりマネーサプライを充実させてマイルドインフレを目指し、需要を拡大する必要がある。
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戦後から現在に至るまでの歴史を
経済観点で
平易な言葉で分かり易く綴った良書。
官僚であり事象のまさに当事者としての史実の記述は
とても臨場感があり、
データアナリストとしての数理モデルによる論理説明は
とても説得力があった。
固定相場制は、為替介入しまくりの制度
プラザ合意まで 介入してた、は全く知らず。
バブル経済の原因は?
失われた20年とは?
馴染みの経済ワードで、
分かってたつもりだけど正確には分かってないこと
これらを的確に明示しており、
1日で一気に読了してしまった・