紙の本
日常のことをさらりと書いています。
2021/06/11 19:47
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
平松さんが食べ物についての著書をたくさん出しているのは知っています。
食べ物から少し離れたエッセイを読みたくて、『小鳥来る日』を購入。
私もマンション住まいなのですが、共有の通路の掃除は少しだけお隣さんの領域まで掃くことにしていて、「落ち葉はどこまで掃くか」に共感しました。
ほかにも、着眼点は鋭く感じてもふわりさらりと文章にしていらっしゃって、読みやすいです。
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【あなたの胸に幸せがコトリと届く】グールドのピアノ椅子、靴下を食べる靴、セーターを穿くおじさん、旅は「せっかく」でできている…。日常にひそむ奇跡を描く72篇。
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平松さんの本はこれまでに何冊か読んだが、すべて食べ物に関するものだった。
この本は、食がテーマというのではなく、生活の中で見聞きし、感じたことが書かれている。
食べ物のエッセイは、いわば『動』のエネルギーにあふれ、元気が外へ向かってほとばしっているような感じであるが、この本は、『静』
思いのエネルギーが深く内面に向かっている。
こもっているというのではなく、内面を深く探っているというか。
「あるもの」と「ないもの」のお話でもある。
象徴的なのが、レース編みのこと。
レース編みは、編み地の部分と、何も無い部分の組み合わせでなり立っている。
失われた靴下や手袋の片方。
古びた店が取り壊されたあとの空間。
まだ咲いていない梅。
「無い」という物が「ある」
そういう事を考えながら読んだ。
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平松洋子さん、立ち食いそばレポート、大好きです。さて、蕎麦はさておき、庭に小鳥が飛んで来ると嬉しく幸せな気持ちになります。「小鳥来る日」(2016.3)、生きていることの悦びを感じる・・・そんなエッセイ、ユーモアたっぷりで面白く、そして懐かしさと温もりがある72編のエッセイです!「五月の素足」「猫の隊列が通る庭」「いまどきの同棲時代」「化粧ひとり芝居」「本屋さんは町の縮図である」「落ち葉はどこまで掃くか」「旅はせっかくでできている」「端っこのおいしさ」「ストッキングで闘う」etc
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平松さんの文章からは、その人柄のまっすぐな感じとか、柔和なものの見方とか、食に対する愛情だとか細やかさだとか、そういうものが伝わってきて、読むと背筋がピンと伸びる感じがする。
話は全然変わるのだけれど(いや、そうでもないか。)わたしは、ある人の本を何冊か読んで、この平松さんの文章を感じざるをえないもやもやに、何度も襲われることがある。
いや、そんな本読まなきゃいいんだけどね。もっと違う浅い次元で、その本を必要としてる下世話な自分がいるのです。
平松さんの文章は、彼女が実際に体験して、本当に思った事柄を、自分の言葉で伝えてるのが分かる。本当にこの言葉通りのことを感じたんだって、分かる。
でも、その「平松さん的文章を感じる人」は、違う。実際に体験もしたんだろうと思う、ある程度自分の感想も持ったんだと思う。でも、彼女の言葉じゃないのが分かる。人の言葉を借りて書いてるかのような、ぎこちなさと違和感が、まるで見た目の予想に反した味の食べ物のように広がっていく感じがする。だってそもそも、自分の言葉だったら、わたし平松さんをきっと思い出さない。
書いている内容が、食と日常と旅と、結構かぶっているのがまた、そう思わせる理由なのかもしれないのですが。でも、よく本棚の一部を紹介したり諸表も書いたりしているそのひとの本棚に、平松さんはいない。うーん、ねぇ?