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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今は見かけなくなった様々な職業を集めた一冊。
灯台守や新聞社伝書鳩係などは、詩的な感じもします。
靴磨きも、私が住む街では全く見かけなくなりました。
「平成の仕事」についても、このようにまとめられるときが来るのでしょうか。
おもしろい一冊でした。
紙の本
一生懸命
2016/06/10 21:08
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
今は見なくなった仕事だが、一生懸命に生きようとしてさまざまな仕事があったことが分かる。身一つで生計を立てていく人間の臭いが感じられる職業があった。
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消えた仕事というか、今は主流ではない仕事を1つにつき2ページで紹介している本。割合としては絵が1ページ、文章が1ページである。
かつてそんな職業があったということは知っていたとしても、それが主流であるか否かはわからないもので、たとえば、デパートで服を着てそれを売るマネキンさんがモデルやアイドル並の花形職業だったんだりする。
だいたいの職業は、人力車からタクシーになるように機械化されたり、ほそぼそと継続しているが、時折ビジネスモデル自体が破綻し、継続出来なくなった仕事もあり、興味深い。
全部を一気に読もうとすると疲れるが、すこしずつ興味のあるページからだけでも読むと面白い。
しかし手間暇掛かっていそうな本だ。
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今回の本は、かつて日常生活の中で見かけた職業に焦点を当てている。本を読んで初めてこんな仕事があったのかと知った。
例えば、「泣きばい」は、街中でうその身の上話をして、人の同情を誘い、同乗した通行人にものを売りつける詐欺商売と紹介されている。主に戦後から昭和30年代にかけて見られた仕事で、売るコツとしては人を引き付ける話術と演技力。生活が懸かっているだけに必死だったのが目に浮かんでくる。
今でも違う形であるのが「代書屋」。公的書類を専門に書く人で、中には外国人と恋に落ちた日本人女性のために愛の翻訳をする人もいたそうだ。今では、就職活動塾、アメリカの大学・大学院に出願するエッセーの添削など違う形で残っているともいえる。
「トップ屋」とは、週刊誌等で目立つ記事を狙って書く記者のことで、数人でチームを組んで記事を売り込んでいたとある。今は、ルポライター、ノンフィクションライターなどに姿を変えた。
「つぶ屋」とは、昭和6年ごろに登場した詐欺商売の1つで、失業したサラリーマンを装った悪い奴が本物のサラリーマン宅にやってきて金をめぐんでもらっていた人たちのことを指す。先に取り挙げた「泣きばい」同様、口のうまさと演技力がものをいう。あの手この手を駆使して金を稼ごうと考えるものだ。
人間社会の俗なる部分を垣間見ることができる今回の本。たくましく生き抜いてきた声なき先人の息遣いが伝わってきそうだ。
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昭和までは見られていたが、今では機械に代替された業種、もしくは完全に廃れてしまった業種の紹介。
女性の花形職業や職人だけでなく、詐欺の通称まで紹介されているのが面白い。
当時の仕事が「箍を外す」「油を売る」などの語源にもなっています。
今より不便ではあっただろうけど、そこに働く人々の確かな息遣いを感じます。
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さまざまな職人の仕事にも感心したけれど、戦後や高度成長期の時代の隙間を埋めるように、新しいニッチな職業を作り出してきた人々の創意と努力に頭が下がります。
もう一つ、放浪詩人の高木護がついた職業リストが面白い。
作男、チャンバラ劇団、思想団体委員、担ぎ屋、闇市番人、飴屋、易者、豚小屋番人、密造酒、金属回収、プレス工場、ボロ選別工、ぽん引き、どぶろく、砕石工場、山師、演劇興行取り仕切り、乞食見習い、流し、アベック旅館番頭...
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自分がリクエストした本でなく、面白そうだから手に取った~赤帽・馬方・円タク輪タク・沖仲仕・押し屋・三輪タクシー・車力屋・蒸気機関車運転士・人力車・灯台職員・都電運転手・乗合バス・バスガール・街角メッセンジャー・木炭バス・渡し船の船頭・杣・炭鉱夫・屋根葺き・井戸掘り師・質屋・下宿屋・カストリ雑誌業・新聞社伝書鳩係・電話交換手・藍染め職員・鋳物師・桶屋・鍛冶屋・瓦師・木地師・炭焼き・提灯屋・蹄鉄屋・袋物師・文選工・棒屋・和傘職人・アイスキャンデー屋・赤本の出版屋・おばけ暦売り・疳の虫の薬売り・氷屋・畳屋・ポン菓子屋・荒物屋・エレベーターガール・演歌師・大ジメ師・行商・金魚売り・雑貨屋・駄菓子屋・天皇陛下の写真売り・豆腐売り・毒消し売り・富山の薬売り・泣きばい・風鈴屋・蛇取り師・薪売り・マネキンガール・ロバのパン・カフェ・カフェー・テン屋・ミルクホール・サンドイッチマン・チンドン屋・三助・活動弁士・門付け芸人・紙芝居屋・公娼・傷痍軍人の演奏・ジンタ・大道講釈・のぞきからくり・パンパン・幇間・水芸人・伯楽・オンボウ・風帯屋・代書屋・代書屋・トップ屋・貸本屋・損料屋・電報配達・髪結い・口入屋・女衒・奉公市・タイピスト・ドックかんかん虫・鋳掛屋・下駄の歯入れ・こうもり傘修理業・箍屋・羅宇屋・洗い張り屋・靴磨き・屎尿くみ取り人・屑屋・バタ師・よなげ師・エンヤコラ・ショバ屋・つぶ屋・丁稚・寺男・倒産屋・ニコヨン~大体解るけど、昭和と言っても長いからなぁ…。昭和になってなくなった職業は知らないし、田舎の方も知らない。寺男ってまだいたよ! 澤宮さんって幾つなんだろう?1964年生まれだって!!な~んだ、昭和40年代の生まれかぁ~、昭和30年代をよく知らないような気がしたんだ! 昭和30年代が高度成長のはじまりで、1950年代後半なんだけど、30年と50年代後半が結びつかないようだ
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辛うじて「ああ懐かしいね」と思う仕事(”仕事”の枠に収まるのか疑問なものも…)もあったけど、大半は直接的には知らない職業。
その中でもなんとなく聞き覚えのあるものもあれば、全くの初見なものもあり、興味深く読めました。
一番気になったのは伝書鳩(新聞社伝書鳩係)。本当に各新聞社で飼われて活躍してたんだ!と今さらながらに知りました。鳩って、鳩の帰巣本能ってすごい!!
この本を読んでいて唐突に思い出したことがありました。
幼稚園の頃、傷痍軍人のハモニカ吹きを日劇(今のマリオン)近くで見かけたことがありました。
母に可哀想だからお金をあげようと話したところ「ニセモノかもしれないからダメ!」とピシャっと言われ悲しくなったけど、確かに騙った人も多かったのでしょう。この本にもそういったことが書かれてました。
戦後30数年の頃で、その姿は幼心に異次元から来た人のように感じたけれど、それと同時に「日本ではかつて戦争があった」ことを初めて意識した瞬間だったように思います。
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昭和の中でも大分古い昭和だった。昔に思いを馳せたり、やはり未来は「ワーク・シフト」が必要なのね…と思ったり。イラスト、もう少し細密なほうが好みだけど、ほのぼの感があって、これはこれで。
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昭和の消えた仕事というより、今ではもうない、若しくは少ない仕事を紹介している本。調べ物には良い。見開きで解説とイラストが付いていて、索引も付いているという。
消えたといえども、社会の変化や技術発展で代替手段が出たから消えたというのもあれば、一時期話題になっているので仕事となったものもある。特に詐欺系は後者が大きいなと。名前は変わったけど、実質変わらないものもある。<仕事>はやっぱり人がするものだかあ文化的背景や社会背景は切り離せないなと改めて。
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古い小説や風俗記事を読む際の何となく分かるけど、詳しくは分からないという職業が盛りだくさん。参考になる。
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赤帽、貸本屋、天皇のご真影屋・・・大正、昭和の前半くらいまでは見られたが今はなくなってしまった多くの職業を見開きイラストつきで紹介した興味深い本。
個人的に一番インパクトがあったのが「新聞社の伝書鳩飼育係」。イノベーションというのは一にも二にも「コミュニケーションと軍事」だったのだなと(伝書鳩はもとは軍用で民生転換されたもの)。丹精込めて育てた鳩を「予備」も含めて5羽を同時に放ち、全部帰ってくるのが一番の喜びだった、とか妙に胸に迫る。昭和30年代までは残っていたらしい。
一つ気になったのは、「昔は貧しくても地域の会話があった。現代が忘れてしまったものがここにはある」というよくあるタイプの総括。
例えばスラム街の空き缶拾い、大学時代、開発経済学のゼミでフィリピンのスラムにホームステイしたときに実際たくさんいた(スカベンジャーと呼ばれる)。別に失われた仕事ではない。確かに大家族で思いのほか明るかったが、かと言って仕事でのコミュニケーション(?)を楽しんでいたわけではない。
当時も今と同じく人生は生きづらいものだっただろうし、リア充アピールはうざかっただろう。そして、ちょっとした会話で知らない人と心が通う瞬間は楽しいものだっただろう。
過去を理想化する小道具としてのノスタルジーに安易に浸ってはいけない、そんな感想も持った一冊であった。
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昭和の仕事の記録を残す本。115種を収録。
・運輸の仕事・・・赤帽、押し屋、車力屋、灯台職員、木炭バスなど。
・林業・工業・建築・水道・金融・不動産の仕事・・杣、炭鉱夫など。
・情報・通信の仕事・・・カストリ雑誌業、新聞社伝書鳩係など。
・製造・小売りの仕事・・・文選工、毒消し売り、ロバのパンなど。
・飲食店の仕事・・・カフェー、テン屋、ミルクホールなど。
・サービス・その他の仕事・・・ジンタ、損料屋、ニコヨンなど。
2ページ見開きに、その仕事の概要と詳しい説明で1ページ目。
イラストとデータ(収入・代金・人数等、仕事によって異なる)、
蘊蓄と参考文献が2ページ目という構成。
昭和における「賃金・物価の遷り変わり。コラム2篇。
主な参考文献有り。索引有り。
がっつりと読み込んでしまいました(^^♪
“昭和の仕事”・・・江戸時代、いや遥か以前からある仕事。
昭和初期には消えてしまったけど、時代の象徴のような仕事。
その時代の仇花のような仕事。戦後の混乱期の仕事。
近代化や技術発展で消えてしまう、または細々と残っている仕事。
それらのほとんどに、現代の仕事以上の人の繋がりを感じました。
徒弟、奉公、修業、同業集団、客との会話。濃厚な対人関係に。
遥か昔、大きな箱を背負って来た富山の薬屋さんを思い出し、
懐かしかったです。楽しい人だったなぁ。
さすがに、混乱期の詐欺な仕事にはぞっとしましたが。
また、文学や映画、楽曲に登場する職業も多いので、
調べる上での参考資料にも使える内容だと思いました。
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カチカチ、切符を切ってもらう、汽車や乗合バスのバスガールさん、暖かみがあり嬉しかったです。エレベーターガールさん、最高のおもてなしですね(^-^) 富山の薬売りさん、お疲れ様です。ロバのパン、サンドイッチマン、チンドン屋さん、ある意味「華」がありました。靴磨き、下から客を見上げるとその客の人生や生き方が見えるとか・・・。屎尿汲み取りの方、お疲れ様でした。昭和の仕事、すべからく、コミュニケーションで成り立っていたんだと思います! デジタル、IT、平成で失われたのは「会話」ではないでしょうか。令和では「袖すり合う縁」の復活を!
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昭和に全盛期を迎えながらも消えた、あるいは消えつつある仕事の図鑑。友人・知人がほそぼそとやっている職業も入っていたりするから切ない。
でもノスタルジーで読むばかりではなく、なぜ消えるのか、消えてどうなったのかを噛みしめるのだ。
たとえば「新聞社伝書鳩係」。FAXやらヘリコプターやらに駆逐されて、鳩で写真や文書を運ぶ、というのは昭和三十年代半ばに使われなくなったそうだ。現代もレース鳩というのがいるから鳩の訓練をする人がいてもいいと思うがカネにはならないし新聞社にもやとってもらえそうもない。鳩の代わりにインターネット、の時代であるけれど、鳩をバックアップにしたレジリエンスはあっていいと思った。というか鳩で通信してみたい。あれ、これってノスタルジーか?
大衆にひろく普及したものの、ひとつ前のものが様式として美しい、といつも思っている。ガラケーも美しく見えてきている。本書では、先の鳩のように、ひとつ前どころかずいぶん前のものが多いが、やはり美しい。こうもり傘修理業なども幼少期にかろうじて見たような気がするが(本書の記述だと、僕の幼少期には合わないが)いつの間にかいなくなった。これの一つ後、って使い捨て傘なのだろうか。
やっぱりノスタルジーではない。繰り返しつかえること、製造した人が修理もできること、そういったことを支える仕事が身の回りに昔はたくさんあったのだ。今はどこかから運ばれてきたものを使い、壊れたら、それを販売しただけの(きっとどこから運ばれてきたのか知らない)店員に怒るか、まるごと交換してくれとクレームを付けるか。繰り返すがノスタルジーではなくて、「なんとかする能力」の著しい欠如だと危惧している。本書を読むとその思いが一段と強くなる。
まあ、僕は訓練もされていないのに職人の真似事をして怪我をしたりものを壊したりするので本末転倒なのだが、これというのも「消えた仕事」がたくさんあるからだ。消えそうな人たちにも明るい未来は必ずしもないが、長い目で見れば僕だって同じようなもんだ。かくして僕たちは均質化していくのだ。あー面白くねえ! いやこの本は面白いけどね。