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紙の本
マルクスの極限まで突き詰めた画期的な経済学の教科書です!
2018/11/28 12:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国で戦後マルクス主義の研究を主導した宇野氏の作品です。著者は従来より資本主義のメカニズムを明らかにするためには、とことん科学的でなければならないと主張した方で、同書では、その考え方を基調に、経済学が取り組むべき課題を明らかにするとともに、自然科学と社会科学の違いとマルクス理論の核心を踏まえて、著者の三段階論を説明していきます。内容的に読み応えのある一冊です。
紙の本
資本論の神髄
2016/07/18 11:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書が刊行されたのは凡そ50年前のことでその当時のことを筆者、宇野弘蔵は“日本は後進国であるから”と言う表現を何度も使っている。
50年前には日本は敗戦の痛手から立ち直れずに漸く、国際社会に復帰したばかりの頃であった。
そう思って『資本論』のことを考えると、マルクスは後進国たるドイツからイギリスに範を取って『資本論』を著わした。
当時、ドイツはまだ一等国ではなかったわけでイギリス・フランスなどが重商主義から発展して行ったのに遅れていて、マルクスは先進国であるイギリスにその経済を求めて渡り『資本論』の素地を求めたようだ。
重要なのは先進国であったイギリスにはアダム・スミスを始めとした経済学の基礎が出来ていたのに『資本論』を思いつく経済学者がいなかったことかもしれない。
否、いたのかも知れないがそういう発想に至らなかったと言うのが正しい所だろうか。
ここら辺から日本での近代経済学の導入にあたっては江戸時代に既に成熟した経済が出来上がり、この時代が250年も続くことでかなり完成度の高い経済が出来ていたこと。
それと政治状況としての明治維新を迎え、社会体制が変わり江戸時代の大店は変容して資本家になっていく、そして明治政府の殖産興業や富国強兵政策に則って第二次世界大戦まで日清・日露の戦争を戦い抜いて一等国になったつもりでいたが敗戦によって、国土は焦土と化し二等国以下になってしまった。
その敗戦から今日の経済体制が出来上がった行くのだが経済学は政治や社会情勢の変化と共にあって、封建時代の日本にいきなり近代経済を導入することは無理だったんだろう。
経済学自体が学問として重きを置かれていない時代にその礎を築いたのが宇野たち経済学者であろう。
経済学を科学として捉え、戦後のマルクス研究を主導して行く中で日本の経済も順調に発展した、その過渡期に記されたのが本書である。
どうも文中に古臭い議論が多い気がしたのだがその時代背景をよく考えれば如何にもな話である。
宇野理論のみならず、マルクスが唱えた『資本論』を積極的に推し進めていく中では色々反目があったのだろうが、当時の時代背景なども考えながら読むと中々興味深い。
日本の経済学の黎明期から今に至るまでの道のりだけでなく、現在では様々に経済学が分化してきているし、最近ではフィンテックなど新しい分野・産業形態まで出来てきている。
度々、恐慌やショックなどには見舞われるがまだ資本主義は続くだろうし、先々のことを思うに過去のことを知るのも好い勉強になると思わせる本だった。
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