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ちょっと久しぶりの氏の著作を。小川版・作家の値打ちでの超高評価を見て、本作をチョイス。なるほど、信じていた場面がガラッと変わっていく展開は、一風変わった企みで面白い。全てを読んでる訳じゃないし、読んだものも詳細を忘れているしで、個人的にはほとんどピンとこなかったんだけど、過去著作の登場人物が要所で登場してくるってのも、きっとファンにとってはたまらない仕掛け。さすが安定のクォリティ。
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P 79
いつでもいいから、なんでも話しなさい
P 238
ゼツメツの意味が、いま、わかった。
「僕…生まれてこないほうがよかったんです…」
P 246
「わからない」というのは残酷な言葉だと、タケシは思う。「おまえはバカだ」と言われるより、「おまえが嫌いだ」と言われるより、「おまえのことがわからない」と言われるほうが、ずっと悲しい。
P 391
「それでも死ななかった」
P481
「だから、もう、これ以上壊されたくないの。踏みにじられたくないの。大事にしていたものがどんどん壊れちゃって、潰されちゃって、もう残り少なくなったっていうのがわかるから、怖いの、もう」
P 485
「生きてほしい…ずっと、ずっと、生きてほしい…
夢なんかなくても、優しくなくても、正義の味方なんかじゃなくてもいいから、生きていれば…明日、夢が見つかるかもしれないし、明日、自分が自分であるという誇りが持てるかもしれない。それでいいんだよ。」
大事なのは想像力だよ。
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母の誕生日にプレゼントした本。未読であげたので内容は考えずに渡しちゃいましたが内容知ってたら絶対にあげられません…。
学校で色々あった者としては読むの結構キツかったですね。
話の内容としては良かったのですが、入れ子式の構造と知らない登場人物が多かったのでもやもやしながら読んでいました。
重松清さんの有名作品をおさえていないとよくわからないまま読み進めることになるので注意が必要です。
(マニアックな作品中心に読んでいたとはいえ自分も20冊ほどは読んでいます。重松清さん初読ではありません。)
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家族の愛と絆を、とても儚い形で表現した作品でした。最後は涙なくして読めませんでした。電車内で誤魔化しながら読んでいて、コンタクトが外れてしまい大変でした。この作品が誰かを救ってくれるといいなあ。
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2013年刊の文庫版。過去作の登場人物と新規を加えて、創作の世界が現実(として描いた世界の展開)と意図的に干渉し、良い方向へと導き直すことは可能か?…的な実験的な長編。主題は「イジメ」、又は、生きることを許容されない者達の苦しみと絶望、僅かな希望。
文庫版で後書きを含めて500ページ余り。概ね黒いページが多い上に、これでもかと追い詰められ、屈辱的な危機状況を書き連ねられていたり……。
この本を勧められるのは、いじめる・いじめられる子の現在と経験の認識を知る&理解したい人、疑似体験してみたい人、作者の大ファンで多くの作品を読んでいる人、かな。
勧められないのは、既にメンタルが溢れそうな人、傷跡の痛みが癒えていない人、感情移入し過ぎてしまう人。自分は残念ながら後者なので、評価は下げました。救いが無い。読み物として面白くはあるけれど、読後感は非常に良くない。疲れた。
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タイトルと表紙に惹かれて、買いました。
最後の方を読みながら、大号泣してました。
思い出すだけで悲しくなるけれど、とても素晴らしい、良い作品だなと思います。
泣いちゃうので、外では読めない作品です。
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『変化していくような本』
序盤は何だか不思議?かと思うようだが
話が進むにつれ点と線が繋がっていくような感覚
こういうことか…?と考察しながら読み進められる
これは私の想像力というか諸々足りない故かもしれないが、最後の最後にそういうことか!
といった答え合わせが出来るような感じ
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2014年 第68回毎日出版文化賞受賞。
いろんな賞があります。
小説家の元にゼツメツ少年と称する子供から「助けてください」という手紙が届く。小説家は、三人の少年少女を隠す物語を書き始める。
イジメや家庭問題等で居場所を失いつつある子供達の心の叫び。主題は、いつもの重松さん。
なのだが、何かいつもと違う。どんどん話が複雑になって、救いがなくなってくる。
重松作品をすべて読んでいるわけでもなく、順を追って読んでいるわけでもないので、明確に覚えていないのだけど、過去作品の登場人物達も現れ、三人の子供達と触れ合っていく。
エピローグで、この小説を書く決心をした、友人との悲しい思い出が書かれていて、この作品をこの結末とした悲しい理由がわかる。
イジメにあう子供達の心情を丁寧に書いて、その子供達を小説の中で生かそうとした力作だと思う。
ただ、私はそろそろイジメにあっている子供達が親を心配させても良いし、役に立たない教師学校から脱却してほしい気もする。
本当は優しい子供でも家庭に何かトラブルがある子供でもイジメをする側が確実に悪いのだから。
恐喝なんか警察介入で良い。
イジメは許されないという断固とした小説を重松さんにお願いしたい。救いがなさすぎる。