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装丁が素敵だったことと、冒頭部分を読んでなんとなく哲学的な話なのではと思い購入。
読んでみたら延々とハリネズミの卑屈的な妄想と愚痴を聞かされているような気になって、ぐったりしてしまいました。
ただ、所々でてくるハリの間を掻いただのといった表現はとても好きです。ちょいちょいささる文体がまたにくい。
あとハリネズミ自身のバケモノ登場もいいなと思いました。
個人的に最後のリスも実はハリネズミの妄想だったんじゃないかと。その後の冬眠シーンで、なんとなくそんなことを勘ぐりました。
実はこの森にはハリネズミしか住んでいなくて…っていう裏があってもいいのかなあと。勘ぐりすぎか。
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どの書店に行っても平置きされてるので、これは是非とも手に取るべきと思い込まされ読む事に。表紙のはりねずみ君もカワイイし。
ところが最初から何じゃこれ?って感じの、ウジウジはりねずみ。事を始める前からマイナスな事ばっかり想像して、全然建設的でないままに、色んな動物が出てくる(もちろんはりねずみの想像の中で)ので、途中からウンザリしてくる。特にカメとカタツムリが嫌!個人的に同情・きょの余地なし。
途中まで来るとある程度終わり方が見えてきて、どんでん返しもなく予想通りの終わり方。あ〜あって感じ…
ところが、面白いことにカミさんは僕の文句には同調せず、「男と女とでは受け取り方違うし、世の中には、あんたと違って、心の思いをそのまま表現出来なかったり、どうしても悪い方にしか考えられない人っている訳で、そういう人達からの共感を得てるんじゃないの?あんたには一生分からないでしょうね〜」と申しております。
ところで、少なくとも、はりねずみカフェ「ハリー」のはりねずみは、全然痛くなかったですよ!毛が針状になったものなので、刺すことよりも、見た目効果を狙った器官と思われます。
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外国文学。
小説だけれど 児童書を思わせる内容だった。
ハリネズミが家に招待しようと 招待状を書くが 何度も書き直したり 色んな動物が遊びに来るのを想像したり…。
途中に出てくるカメとカタツムリのやり取りは 漫才みたいで面白い。
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親愛なるどうぶつたちへ。きみたちみんなをぼくの家に招待します。……でも、誰も来なくてもだいじょうぶです。ある日、自分のハリが大嫌いで、つきあいの苦手なハリネズミが、誰かを招待しようと思いたつ。さっそく招待状を書き始めるが、手紙を送る勇気が出ない。もしクマがきたら? カエルがきたら? フクロウがきたら? ――臆病で気難しいハリネズミに友だちはできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。
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読み終わった最初の感想: 「何なんだよ、この本は。」
招待客を誘おうと手紙を出しても、誰も来てくれないんじゃないかという考えに囚われて立ち往生しているハリネズミはあまりにも根暗だし、登場する動物たちに可愛げはないし、「言いたいことはなんとなくわかるけど、あまりにも偏屈…」と思いっぱなしで読み進めるのが苦痛。
それなのに、読むのを止めることは出来ず、そして最後は涙をこぼしてしまったというおまけ付き。まさしく、「何なんだよこの本は…」という感じでした。
全然好きじゃなかったのに。
ーーーーー
ぼくはもしかしたら自分が訪問客を望んでいないことを知るためにのみ、だれかに来てほしいのかもしれない、と思った。
窓を開けると頭を外に出してみた。雨が首に落ち、しずくがハリのあいだをジグザグに流れた。
長いあいだ、そうして立っていた。
ーーーーー
はりねずみの持つハリを自分に重ねずにはいられない本であろうと思います。偏屈さんは是非、読むといい。
そして苦々しい思いをして、「やっぱりハリはないと生きられないよ…」という結論に達したら、最後のシーンで涙してしまう筈。
決して好きとは言い難い、面白いわけでもない、でも最後まで読むと「ハリネズミの願い」というタイトルの意味が刺さってぐっとくる。
こっそり本棚に隠しておこうと思う本。
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今年の本屋大賞翻訳部門1位。人見知りをする、臆病なハリネズミとほかの動物たちとの関わりをハリネズミたちの心情とともに描いていく。ハリネズミの様々な葛藤、失敗するのを恐れて、一歩踏み出せない気持ち、下手に声をかけて、無視されるのではないという恐怖、それなら孤独の方がマシだと考えてしまうのもあるかと感じる。最後にリスが声をかけてくれて、ハリネズミの方も安心したのが良い。作中のリスのような存在の人は心強いものだと感じる。人付き合い。コミュニケーションは失敗もある、それから学び、修正できるのが良いことだと感じる。
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読んでいくのきつかったなあ…。(ずっとネガティブというか、何かの比喩なのかって思ってみたけどよくわからなくて。半分、来たところで不意に、なんらかの希望を見いだせるような気がしたけど、やっぱりその後もきついままだった)
ほんと、普段の自分の思考だこれ。だから、読んでて退屈というか、もう同じことがずっと続いてくのこれ?って。もうこんなの自分の「日常」なんだからもういいやってなって。
だから自分が本を読む動機には、違う思考を知りたいって思いが含まれてるのかもしれなかった。
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大人向けの童話で「星の王子さま」のような哲学的なメッセージも感じる。そもそも私の嗜好とは違うので読み進むのに時間がかかってしまった。途中イライラして飛ばし読みしたりして、また飛ばしたところを読み直したりしてかなりの苦行だった。内容は悪くないと思う。ハリネズミのようにコミュニケーションが苦手な人もいて、「あ、こんな気持ちなのかな」って推し量ることはできた。最後はほっこりとさせてもらった。最後のページをめくって肩の荷が下りた。もしかしたらこれが狙いなのかも知れない。
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引っ込み思案で心配性のハリネズミ,リスが来てくれて本当に良かった.登場するたくさんの生き物たちの愉快な会話に,うーんそんな感じかもととても面白く読み進め,特に何度も登場するカメとカタツムリのコンビはお気に入りになりました.カメさんいいですねー.そして挿画の祖敷大輔さんの絵が素晴らしいです.
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本屋大賞第2位ってなんで?~森の中の一軒家に暮らすハリネズミはすべての動物に招待状を書いたが心配性で出せず、来たらどうなるか想像する~ 印象的なのはカメとカタツムリのコンビ、バイソン、象、アリ、キクイムシ、リス、クジラだけど、途中で別の想像が広がって話が入ってこない。全体が52に分かれているのは休暇中に娘のために書いて週代わりのカレンダーに仕立てた為らしい。ま、それが判れば納得できるが、書店員は先に解説乃至あとがきから読むのだろうか。そうする人が多いのは知っているが、私はちっとも楽しくなかった。好きじゃない
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考えすぎると、悪い方向ばかりが頭によぎりよくない結果を招いてしまう。マイナス思考で自信のなさが故の行動であり、この物語の主人公のハリネズミも他人事には思えなかった。
この思考を誰もが知ってる動物の特徴を引き出して、愛らしい表現に仕上げている。客観的にみると、これはおかしな行動であることに気づかされる。
マイナス思考と自信のなさからよい選択は生まれない。マイナス思考に陥ることなく、後悔のない選択をしていかないといけない。
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本屋大賞翻訳部門受賞、ハリネズミのかわいらしい表紙と色合いに惹かれ手に取ったが、中身は自分に自信のない臆病で孤独なハリネズミの超ネガティヴな妄想が延々と続く。はじめは、いるいるこんなヤツ!とクスッと笑えていたけど、次第に飽きるほど…。何とか読了し、最後に訳者のあとがきを読むと、テレヘンさんがステキな方で、この本に対する気持ちがガラッと変わってしまった。赤と白のタコ糸で綴じられたカレンダーが見たいっ‼︎
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寓話的な児童書と思って読み始めてみたが、とても子供向けの内容ではない。
孤独を感じるハリネズミが、様々な動物が遊びに来ることをひたすら想像する。しかし、その動物たちはみな奇想天外なふるまいをしハリネズミを戸惑わせる。
考えるだけで(悪い想像をして)行動できない辛さ、孤独と本当に求めているものに気づけないこと、色々感じ方はあるがいずれにしろシュールな物語。
仄かに温かみがあるラストは気持ち良い。
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誰かを招待しようとしたハリネズミ。書いた手紙は、「キミたちみんなを招待します。でも、だれも来なくてもだいじょうぶです。」それから、手紙を引き出しにしまうと、もし来客が来たら…と悪い想像を始めます。
ハリネズミの想像、妄想に可愛さとおかしさを感じながらも、自分はどうだろうと問いかけながら読み進められる哲学的な物語。
一章ごとに様々な動物が(妄想内で)ハリネズミ宅を訪問する形式なので、すいすい読みやすい。
きっと、その時の自分の心境や環境で読み方が変わると思う。
今回はカメとカタツムリ、ラストのリスのシーンが印象深かった。
迷わずにはいられないというハリネズミの言葉も自分を言い当てられた気がしてうっときた。
2017本屋大賞翻訳小説部門1位
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私は悩む人間だ。
「考えないで」と言われる。
考えすぎて不安で動けなくなる。
同じことをぐるぐる考えて
苦しんでいると自分でもわかっている。
考えてはいけないのか。
考えているだけになるからだめなのか。
私がいけないのか。でも
考えるのが私だとも感じるのだ。
『ハリネズミのねがい』の主人公のハリネズミは
家に誰かを招待したいと願う。
けれども「もしも○○が訪ねてきたら、
こうなるかもああなるかも何を話せばいいか。
どうもてなしたらいいか」と、考えはじめて
不安にかられて、招待状を出せない。
私とよく似ている。
ハリネズミは、
自分の「ハリ」のことで悩み、嫌いになる。
でも「ハリ」なしでは自分ではないのもよくわかっている。
「ハリ」を含めて自分を受け入れてもらいたい。
自分を好きになりたい。
人と関わるには、
傷ついたり傷つけたり、
疲れたり疲れさせたりする。
「ひとり」いいやと思いたくなるけれど、
さみしい。
いつか自然に「友人」が訪ねてきてくれたら、
いつか自然に「友人」を訪ねていけたら、
そんな思いにさせてくれる大人の童話。
この本がよく売れているということは、
世の中にはこんなに考えすぎて、
悩んでしまう人が多いということか。
そう考えると少し心が軽くなる。
考えるのをやめようと思うけど、
やっぱり考えてしまう。