紙の本
白石氏はどうしちゃったのか?
2016/09/19 10:28
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう小説が書かれるということについて私は、まったくよくわからない。作者は明らかに路線を変えてきている。なんか神がかり的にところへまっしぐらに向かっている。
こんな日常的にありえない作品はみたことがない。人生に偶然はつきものだが、登場人物がすべて偶然とやらせで成り立っている作品もそんなにないだろう。
とにかく謎の創出はいいのだけど思想的によくわからない。また絶対に普通の人間には理解できない作品であると断言する。
紙の本
白石一文の一大傑作です!
2018/12/21 10:15
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人間の人生というものを考えさせる文章を書くことで定評のある白石一文氏のまさに傑作中の傑作です。内容は、国際的に有名な作家が謎の死を遂げます。その弟である古賀純一はある日、兄の遺品を整理している時、『ターナーの心』と題された原稿を発見します。これには我が家の歴史が書かれていたのですが、それは古賀が知っている事実とは全く反対のウソばかりでした。一体、この原稿は何を意味するのでしょうか。そして兄の謎の死と何か関係があるのでしょうか。実は、この裏には海を越え、イギリスにまで及ぶ偉大な裏があったのです。読者を内容に引き付けて放さない一冊です。
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話の長いおっさんとサシで飲んでくだまかれてる感じ。良い事も言うんだけど、急に雑談になったり、誰の話をしてるのかわからなかったり、宗教とか手かざしとか出てきた時点でもう早く帰りたい(読み終えたい)と思った。
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「記憶の渚にて」読了。「生まれ変わる」ための装置または容器である「私」には目的などなくても構わない、という下りを読んで何故か安心感を覚えた。「私」という器の中で傷ついても記憶の海という還る場所があると思えたからなのか。それぞれの「私」のたっている場所が記憶という海の渚なのだろう。
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世界的ベストセラー作家の不審死と遺された謎だらけの随筆から始まる謎の多い話。
これが教団に繋がる話しになるとは思わなかった。
登場人物の多くが、遠い親戚のような関係者が多すぎる。それが上手く関係しすぎている。
物凄い傑作なのかもしれないが、教団の話は理解することが難しい。
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厚みあるミステリアスなファンタジー
だけど
冗長すぎて ラストの纏めが弱く、
ちょっと残念
弟さんの手料理が やたらと旨そうで、
セックスのレビュー描写が続いた時は、
すっかり村上春樹!?って感じたけど、
それは 全くの誤解
ラストのミチルさんの言葉、
半分は正しい!
絶望するのはやめて、と説くのは
そのとおり、本質を提案している
けど、
動物のくだりは、もう詭弁すぎる
面白いのに、締めが残念すぎる
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一気に読み切るか、さもなければ、人物系譜図とタイムラインを整理しながら読み進めることを推奨します。
記憶の捉え方から、ユング的深層心理、やがては時間観、宇宙観、果ては生命観まで展開する作品です。
作者自身の生命観を展開されるのはそれはそれでかまわぬ!ですが、超常現象、教団モノがダメな方は読まないほうがよさそうです。
(内容紹介)から抜粋
――記憶こそが私たちのすべて。
国際的に著名な作家だった兄が謎の死を遂げた。
古賀純一は兄の遺品の中から謎の遺書と『ターナーの心』と題された随筆を発見する。我が家の歴史を綴ったその文章は、記憶とは大きく食い違うデタラメばかり。偽装された文章は兄の死となにか繋がりがあるのか? 兄の死の真相に迫る古賀を待つ、謎、謎、謎――。
日本からイギリスへ。海を跨ぎ、150年の時を越える一族の記憶に導かれ、すべての謎が一つの像を結ぶとき、予想だにしない圧巻のラストが立ち現れる。
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絶望とは未来にあるのではなく、その人間の過去の集積として、カレーの行く手に置かれたものである。
積み上げられた過去に我々は怖じ気づき、恐怖絶望する、実際は既に終わってしまったもの、未来は窓の向こうの晴れ渡る空のように、前方には何一つ我々を邪魔立てするものはないのだ。
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哲学や宗教、時間に関する考察などテーマは広かった。そのせいか、少し冗長な印象を覚えた。
何度か読んで、著者の他の作品とも合わせて解釈していかないと、なかなか本当に伝えたいことを把握するのは難しい。
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不思議なチカラ。
兄も弟も。そして甥っ子も。
妙な共通項に気づいてしまったら、先へと進むしかないなぁ。
決められた運命なのか……それには逆らえないのか……。
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単なるミステリーと思い読み始めたが、そのような作品ではなかった。人間の記憶の共有、遙か昔、過去から現在、未来まで営々と続く人間の記憶と人間関係等その内容は哲学的ともいえる。謎をはらみつつ、ミステリー的要素も含みながらストーリーは展開していく。登場人物、それぞれの関係性等複雑で自分の頭の中で構築するのに時間がかかる。
読後も「私はこの物語の半分も理解していない、うわべのみの読みだ」という消化不良の感覚が残った。
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白石一文小説をいくつか読んできたけれど、その中ではおそらく、一番スリリングな小説だったと思う。死の真相に迫り、一族の歴史をたどり、暗号のように示されたその人を探すという探偵小説のようであった。まさに壮大な「冒険の旅」、オビにある「全身全霊」の惹句が相応しいと思った。
『愛なんて嘘』を読んだときに、「これは著者による、『愛』に関する思考実験の記録だ」ということを思ったのだけれど、今作では「これは『記憶』に関する考察、もしくは論文なのではないか」と感じた。
書かれているのは架空の人物と出来事ではあるけれど、その物語を実例として著者の「記憶」に関する一つの「説」を延べているのだ。寧ろこれは、そのために創られた世界なのだろう。
小説というのは結局、それで言いたいことや描きたい場面というのは、突き詰めてしまえばたった一つなのだと思う。
それを最も効果的に、わかりやすく、共感的に言葉で著すために、舞台を用意して、人物を配置して、役割を与えて、動かして、その世界で起こる現象を記録して考察する。
そうして導き出されるのが、その著者によるたった一つの小さな説、「小説」、ということなのかもしれない。
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作家の兄が自殺 弟が葬式と後片付け 一緒に暮らしていた女の名前が小説の登場人物と同じ 人探しをしていると宗教にはまっている人間が登場 女の元亭主でヤクザに刺されて弟も死亡。二人の甥がオジサンのあと片づけをやる
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記憶を、私の記憶、私たちの記憶の違いで考えると時間の繋がりや記憶の不思議が分かる気がした。
人間相関図が複雑で、少し時間を空けるとすぐに頭が混乱しそうになって困った。
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時間があるときに読んだから良かったが、途中で止めたりすると分かりにくいかも。
はじめに主な登場人物のページがある意味が納得、関わりが複雑です。
後半面白くなってきてどう纏めるかと思いきや、広げすぎたのか????普通に終わった。
本より.....
「因果」と「記録」の両方をひっくるめて「記憶」と呼んでいる。死によってしか「記憶」を消せないのか?
記憶は脳内のみに蓄積されているのか?
遺伝子のなかにも書き込まれる記憶。才能は因果の記憶。
『生命とは記憶なのだ。』
なんとなく思い出す全てのことは、DNAにて過去のどこからか繋がっている記憶の一つかもしれないのでしょうかね。