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江戸末期に活躍した「奇想」な浮世絵師歌川国芳を主人公にした連作短編集
2018/09/13 12:19
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投稿者:Buchi - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸末期に活躍した「奇想」な浮世絵師歌川国芳を主人公にした連作短編集。
面白いです。 ミステリやらホラーやら色恋ものなど多彩で、それぞれの物語に猫が絡んで登場します。でも、猫がメインではありません。 タイトルに惹かれた猫好きには物足りないかもしれませんが、『飯どきに、あるいはふっと息を抜いて安らぐときに、いつも膝の上にやってくる』とあるように、著者の猫への愛情は充分に伝わってきます。
国芳や広重らのの代表作もたくさん登場しますので、実際にどんな絵かネットで画像検索しながら読むと楽しみが広がります。
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普通に面白かった。けど、長編だったらもっとよかったのになぁとおもいます。そして思ったよりもにゃんこが活躍しなかった。
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【天才絵師と猫。江戸の怪事件を解く!】今なお人気の歌川国芳が風刺画、春画、滑稽画を引っ提げて江戸の怪事件に出くわす! 猫を愛した天才が活躍。ユーモア溢れる短編集。
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面白かった!
国芳と猫とお弟子さん達と、身近のちょっとした謎解き。不思議もあり。
お栄さんや広重も登場するし、北斎や暁斎の逸話なんかもてんこ盛りで超豪華!
国芳と同じ時代に生きていたら、彼が絵に込めた想いもリアルに感じとれてもっと楽しめて驚けたのに…と思うと悔しいーっ。
至急、本の中に出てきた作品を見直さなければっ。
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面白かった。
帯には怪事件、という言葉があったが、特に怪事件というわけではなく、難解な謎解きがあるわけでもなく、その意味では耳袋とは違うのだが、人間の織り成すいろいろなことが丁寧に書かれているという感じ。まぁ、事件はそもそも怪なるものばかりだと思えば、怪事件でもよいのかな。
一編一編が味わい深い。義母との関係や、下ッ引きの変容など、なかなか読ませてくれるし、応為も登場するなんて言うのは大サービス。
もう少し、読みたい気分です。
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装丁ラブ(笑)
きっとこんな人だったんだろうなという国芳観に合っていた。
読むまでは勝手に「国芳と愛猫が探偵して事件解決!」みたいな作品だと思っていたので、あれ?
と感じたけれど、面白く読めた。
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歌川国芳の周囲で起こる様々な事件とその顛末を軽快に描いてあった。
下手なのに国芳に絵を習いに来る老人、金魚を偏愛する男、北斎の娘・応為に振り回される日々、病を抱える妻に義母に自分自身に猫、幽霊が出てきたり、歌川広重との冷戦があったり、最後は自分の偽者まで現れたり。
国芳が大好きな猫は常に八匹置いておくと決めているらしいが、一匹亡くなったと思ったらどこからかまた新しい猫がやってくるのも面白いし、弟子たちも増えたり減ったり。
人の死や殺人も起こるが、陰惨ではないので楽しく読めた。
出来れば作中に登場する作品を掲載して欲しかったかな。
自分で検索して眺めながら読んだ。
五十代半ばの国芳が描かれているので、自分や家族の健康や老いらくの恋、自分の作品がどう残っていくのかを考える様子など、興味深い部分も多い。
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作者の大衆小説作家観というようなものが浮世絵師国芳の口を借りて語られているのだ思った。それは『団十郎の幽霊』に特に顕著に見られて、さらに加えて猫への愛も。《暗い夜にあいつがいないと、闇は猫のかたちだけ削り取られ、寂しくなった気がする》(p38)。かっこいいフレーズだ。