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面白かった、と言う表現では不謹慎だろうか。それでも、ヒロシマのことを含めて考えても、物語としてはやっぱり面白かった。マナブ、という主人公の名前は、最後のさいごのあの場面のためにつけたんだろうなあ、と思うと、重松清という作家の構成力?に感服する。カープが優勝した2016年にこの物語に出会えたことを嬉しく思う。
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私もよそモン。
広島の熱さ、暑さ、厚さ、どれもかなわない。そこに悔しさはなくて、羨ましさ、あこがれ、のようなもの、がある。
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2018年7月8日読了。非常に面白かったです。
本書は、原爆投下・戦争終結から丁度30年後のカープ初優勝を題材とした、歴史小説、みんなの叙情詩、青春小説だと感じました。キーアイテムは紙吹雪だと思います。叙情詩としては、原爆や戦争に対する思いを様々な人達からの視点で書かれており、それらを主人公の一人が「よそモン」として反芻していくのですんなり理解できました。青春小説としては、主人公達が抱える思春期ゆえの葛藤を、愛情豊かな周囲の人物が支えつつ、当人達の成長を感じられます。一人の主人公の父親が何かをしでかす度に、「あちゃー」と思ってしまうのはご愛嬌。父親は途中から堤真一さんで脳内再生されてました笑 もし、映画化されたら観に行きたい作品です。
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少年の成長物語として、とても完成された作品だと思います。
戦後30年が経過した広島に、東京からやってきた主人公のマナブ。知識として「ヒロシマ」のことは知っていても、今尚、生活の中に根強く残る「ヒロシマ」の実態を、地元の人のように理解することができない「よそモン」として疎外感を感じながら広島での生活を始めます。
そこで出会ったヤスとユキオの2人の「連れ」と、次第に打ち解け広島の街にも馴染んで行くマナブ。
なにが「正しい」と決められるわけではないですが、自分なりに考え、日々を無駄にせずに生きている少年たちの姿に心を打たれます。
それぞれに「辛さ」はあるし、そのことは本人にしかわからないけれど、周りもそのことを受け入れること(辛いと思っていることを認めてやること)で、互いに支えあいながら生きている、「もはや戦後ではない」と言いながらもやはり戦争の傷跡がまだ残る昭和の時代を感じます。
ぜひ、夏休みの時期に高校生や中学生に読んでもらいたいと思う作品でした。
「原爆」だけがフォーカスされることが多い広島ですが、もちろん空襲もあり、ほかにも戦争の犠牲となった方は多くいます。では、「ヒロシマ」以外のことが原因で犠牲となった方と、「ヒロシマ」の犠牲になった方との違いは何なのか。
「よそモン」にはわからならい、と切って捨てるのではなく、戦争の被害と、そこからどう立ち直って(未来へと目を向けて)過ごしてゆくのか、ということもひとつのテーマになっていると思います。太平洋戦争から長い時間が経ち、戦争を知る世代が少なくなっているからこそ(そして「戦後」に育ち戦争の傷跡を見てきた人も次第に少なくなってゆくこれからだからこそ)、読むべきテーマの小説でもあると思います。
ただ、少し作品自体のボリュームがあることと、広島カープ推しが強いこと(物語の性質上、仕方ないのですが)が巨人ファンでもあるので個人的には読みにくく感じた部分でもありました。
エンディングが完全にハッピーエンドでないあたりはリアリティがあってよかったと思う反面、もう少し「救い」があっても…とも思います。
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舞台は、原爆投下から30年後、広島カープが奇跡の初優勝を遂げた1975年の広島。
人々の胸に、まだ生々しく残る、戦争と原爆。
広島カープ、優勝という陽。
原爆投下という陰。
このふたつの相反する事柄が織り成すコントラスト。
広島という舞台で少年たちは、戦争、友情、色々なものを学びながら生きている。
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途中までしか読めなかった…挫折。広島在住なので興味ぶかかったけれど、平和に関する情報の押し付けがましさに耐えかねて…。
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極貧球団だった頃のカープ選手の練習風景、熱狂するカープファン、いつも引き合いに出されるジャイアンツの話を、亡くなった父からよく聞かされていた。
私自身は、原爆や復興途上の広島を知らないが、あの時代に生きていたら、カープが希望になっていただろうと思う。
なぜカープが広島でこんなに愛されるのか、県民性などというぼんやりとした理由ではないような気がした。
中学生の息子は、今ではあり得ない、昔のカープファンの暴走ぶりがツボにハマったようだ。
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「よそもの」である転校生を主人公に、万年Bクラスだった広島カープが初優勝した頃の広島を描いた作品。広島初優勝までの軌跡をファン目線で語る話かと思いきや、原爆、マルチ商法、ひとり親、友情など、様々な要素も入り混じる、戦後の広島を描いた作品となっている。
2016年の広島カープ優勝の際、店頭に並んでいたカープ特集のなかから購入。作品のなかで登場する広島弁が小気味いいせいか、1975年当時の描写が豊富に描かれていたためか、あたかも当時にタイムスリップした気分を味わうことができ、サクサク読み進めることができた。また、広島市民のなかで原爆がどのような形で日常生活に組み込まれているか知る一助になった。時折読み返したくなる良書。
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1975年の広島が舞台。
3人の中学一年生を中心とする物語。
原爆の傷跡、閉鎖的な町、転校、友情など、様々なテーマが一冊に込められています。
広島カープが1975年に優勝できたのは、赤ヘル集団から赤ヘル軍団になったから。
野球は一人ではできない、みんなで補い合いながら仲間で戦う。
600ページ以上ある本ですが、解説まで含めて、非常に読み応えのある本でした。
大人にも子供にも読んでもらいたい、おすすめの一冊です。
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「忘れてはいけない」
という事がテーマの小説だった気がします。
題名から簡単に受け取るのは、
カープや初優勝のこと。
でも、重松さん、流石それだけじゃなかった。
戦争や原爆の影響のこと。
都市や地方の格差のこと。
両親や血縁の大事なこと。
土地や引越の無様なこと。
感謝や憎悪の発生のこと。
夫婦や子供の関係のこと。
戦前や戦後の変化のこと。
投機と商売の心情のこと。
そして。
怒りと祈りを忘れない事。
全ての場面において、悪感情を吐き出す、まさに今だけ派の人物群と、優しさ溢れる未来志向の感情を持つ人物群が用意されていた。
その対極的な感情のぶつかり合いが書かれていたのが印象的でした。
人は今を生きるために、忘れざるべくして忘れ、この瞬間に集中してしまう。
ふと、何かのタイミングで。
過去の経験、目を背けてきたもの、忘れたい出来事、負の側面や負の感情、そんなものが「心の中」に溢れ出る時がある。
ただ、何かのその反面で。
助けられた経験、真正面に向合ったもの、忘れちゃいけない出来事、陽の側面や正の感情、そんなものが「心の中」に沁み出る時もある。
この揺り返しがありながら、誰もが人生を歩く。
「ほいじゃが、忘れたらいけん、忘れてしもうたらいけんのよ」
刻まれた、悲しみと苦しみと怒りと祈りを、決して忘れてはならないように――。
-p563
実際、広島に生まれ育ったせいで、個人的にあちこちの文章で共感もあったし、地名や広島弁がなんとも心地よく感じた読後感でした。
原爆ドームと旧広島市民球場の間の、相生橋などは毎日通勤で利用している。
ただ、そんな地元愛を越えた、普遍的な魂の叫びが、重層的に広がる登場人物たちの中にから読み取れるという点において、とてもイイ小説に出逢えたと思いました。
そして関係ないけど。
今期(2019年)は4位に終わったカープでした。。。笑
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広島東洋カープが初優勝した1975年の広島を舞台に、ちょうどその年に広島に引っ越してきた「よそモン」のマナブと、ヤス、ユキオの物語。
戦後30年経ってもまだあちこちに原爆の傷跡が見え隠れする街並みや人々の記憶。
それら友情や市井の人々の交流や想いを横糸に、そしてカープが初優勝に向かって戦っていく様を熱狂的に応援する様子を縦糸に、物語は突き進んでいく。
それを原体験を元に、重松清が描くのだから、面白くないわけがない。
なんだけど、星4つなのは、なぜだろう?
面白いんだけど、何かちょっと物足りない。
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広島東洋カープが優勝した1975年!原爆投下から30年後の広島の光と影。東京から引っ越してきた(よそモン)の主人公マナブ、ヤス、ユキオの出会いと別れ・友情・平和の物語。
カープ好きな小6だった息子(現在中1)の為に買った一冊。読み応えがあり一気に読んでしまいました。保存しておきたい一冊!
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赤ヘルになって初優勝した1975年。
カープの話というより、戦後30年の広島という街のお話。
600頁超でボリュームも内容も読み応えあり。⚾️
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広島ネタが満載で、贔屓をして最高評価。
広島弁と、小さいころに聞いたジャンク語が盛り沢山。
原爆投下、1975年カープの初優勝と、やんちゃな野球少年、転勤族の子供たちの成長と共に描いている。
1、アメリカの行った理不尽な事実
・B29の爆撃機に付けられた名前は記帳の母親エノラ・ゲイ
・8/8福山、岩国、東京空襲で 原爆後も大量殺戮
2、・結核で入院中の患者が、カープ樽募金を呼びかけ
金山に手紙を書いたら、入団OKの変身を返した
以後RCC解説者として活躍
・山本一義 地元への情から入団。
広島に来るたびにファンの熱烈な歓迎を受けた
・中日との終盤対決で、クロスプレーでトラブル。ファンがグラウンドに流れ込んで中日の選手を負傷させた。
警察とも衝突し、逮捕者も出る。翌日の試合が中止に。
3、優勝決定するかもしれないヤクルト戦は、平日デイゲームだったが満員に。皆仕事を休んで観戦。
教室でラジオ放送を掛ける学校の先生。確かにこんな先生はいた。
4、寮の大家さんが、家具や着物を売って選手に肉を食べさせた話は有名。雨で試合が中止になっても払い戻し無し。
5、1958の設立から26年間最高順位は3位。
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1975年の広島を舞台に描かれる少年たちの友情の物語。広島カープが優勝に突き進み、街や住人の熱狂とともにじんわりと心が暖かくなる物語です。オススメ!