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ホラーでもSFでもないキングもいいね
2016/12/09 15:46
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投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラーでもSFでもないキングもいいね。下巻に入って、ホリーが主役を喰う勢いでグイグイ来たのには驚いた。訳者あとがきを読むと、もう続編2作が書かれていて3部作となっている。ホッジスとジェロームとホリーの3人で事務所を立ち上げるらしい。これは邦訳が出るのが楽しみだな。
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スプリーキラーを気取る犯人は決してかっこよくない、という話
2018/10/27 03:33
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
盗難車のメルセデスベンツで、職業相談のために集まっていたリンカーンセンターの行列につっこみ、8人脳の地を一瞬にして奪った(勿論けが人ももっといる)通称<メルセデス・キラー>。
重大犯罪課に勤めていた刑事のビル・ホッジスは逮捕に懸命に力を入れたが、その前に退職の日を迎えてしまった。今でも心残りなのは<メルセデス・キラー>を捕らえられないこと。ひとり暮らしの退職者の例にもれずにヒマを持て余して人生の意味を見い出せず、時折自殺がホッジズの頭をよぎる。
そんなある日、ホッジスのもとに<メルセデス・キラー>を名乗る人物からホッジスをあざける手紙が届いた。本来は警察に届けるべきところだが、ホッジスは自分の手で犯人を捕まえようと行動を始める・・・という話が導入。
下巻はぐいぐいと追いすがるホッジスたちイレギュラーズと、次々と失敗を重ねる犯人の姿。たまたま犯行がうまくいっただけのことで、犯人が犯罪の天才なんかではないことはすぐにわかってくる。そんな人格破壊過程も(いささか類型的ではあれども)見もの。
文体は明らかにスティーヴン・キングなれど、ホラー系ジャンルであればもっとここ書き込んだんじゃないか、と感じさせるところはかなり抑え気味。警察小説とあるけど、ホッジスはもう退職しているので古き良き私立探偵ものの雰囲気が強い(とはいえホッジスは私立探偵免許をまだ持っていないので、その意味でも法律違反)。
そんなホッジスに協力する人たちが集まる過程は、キング作品に共通なんだけど超常現象とか特殊能力は出てきません! そこはなんとなくリアリティ重視!
子供や弱き者に温かな視線を与えているのはいいのですが、必要とあればいくらでも容赦なくなるのもまたキング節でした・・・。
自分の人生をうまく舵取りできない人たちに「自分の居場所」を見つける旅をさせるのも、切ないけど応援したくなっちゃうよね。一歩間違えれば、そのキャラクターは自分だったかもしれないんだから・・・。
再読を始めたら、あっという間に読み終わってしまいました。
このリーダビリティ、ジャンル関係なく変わらないぜ。
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お話の凄さ
2016/10/01 19:50
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投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
キャラの書き分けと特徴づけが本当に上手いなぁ。後半どんどんホリーが成長していて怖いくらい。 PCネタで「彼がそこを見落とすのはおかしくないか?」な部分を数回感じたり、手紙の手掛りを途中で投出すのはまとめられなかったのかと思ったりもある意味ご愛嬌。小説としての力での受賞かな。
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【米最高のミステリー賞エドガー賞を受賞した巨匠の警察小説】車を暴走させて八人の命を奪って消えた殺人犯。いま退職刑事の元にそいつからの挑戦状が。異常殺人犯と不屈の男の対決がはじまる!
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退職した刑事が活躍・・・はいいんだけど、ヒロイン役のはずの女性が死んでしまい、なおかつ犯人の事情がさらけ出せれるにつれて結構、感情移入してしまうし、え~と思うような二人がワトソン役で大活躍。二冊合わせると枕にできそうなほどの分量の本でしたが、丁寧に、それでも一気読み。
「11/22/63」や「アンダーザ・ドーム」の有り得ない感ではなく、実際にそういった犯人現れそうなのが身に迫った怖さを感じる。
脇を固める二人の魅力的なこと!
あとがきに三部作との情報、飛び上がらんばかり。
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退職した元刑事が主人公。警察小説というよりは、クライム・ノヴェルやハードボイルドという感じ。謎解きメインではないので犯人は早々に登場する。ストーリーは元刑事と犯人の視点を入れ替えながら展開し、上巻はややスローペース。一定の間合いを保った互いの距離感、水面下での主導権争いにぞくぞくしながら徐々に引き込まれる。
自殺願望を抱えた元刑事。サイコ・キラーに加えてイタさも半端ではない犯人──この両者の歪んだ心理状態にリアルさを感じて、キングの思う壺にだだハマり。中盤から登場する強烈なキャラも含めて、やっぱ人物造形は巧い。登場人物の背景を描いて読み手の心情をさらりとえぐり、またメイン・ストーリーのレールに乗せるという展開ににやにや笑いが止まらない。
頭脳戦と並行して描かれるのが崩壊と再生の物語。事件の進展とともに、それぞれの中に燻っていたものが「成長」するプロセスはキングの真骨頂。ミステリとして特に目新しい展開ではないが、厚みがあってほどよくチープな充実した読書時間だった。あと二作読めるなんてラッキーだわ。
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アレ犯人が…?と思ったら3部作だと…!
訳者あとがきにあった「パンの大神」にインスパイアされた新作も気になる。
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犯人をじわじわ追いつめていく一方で、主人公の側にも危険が迫ります。
後書きより、この主人公が出てくる続編があるそうです。ホラーでは、登場人物が大変な目にあうので続編がなかなかでないと思いますが、これは警察小説なので、シリーズ化してもらえるとうれしいです。
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トリオができてから面白くなったが、結構偶然に頼ってるな。キング作品は相変わらず主要人物があっさり死ぬ。
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前言撤回。
上巻ではもたついた感もあったが、後半一気に話が加速する。それまでは刑事と犯人、それぞれが一章ごとに描かれていたが、ここからドンドン話が絡んでいく。特に”車爆破”辺りからは意外な展開でラストまで一気読み。
前半のしつこい位にまで描かれた人間関係も、後半の展開の早いサスペンスフルな追跡劇の中でしっかりと活かされている。話の落としどころもよく、ホロリとさせられた。
エドガー賞受賞もだてではなかった。
読み終わった訳者のあとがきを見ると、なんと3部作になるらしい。これは楽しみ!
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キング初のクライムミステリー。スピード感溢れる展開と犯人とのやりとり、事件解決へと奔走するトリオのキャラクター。まるで映画を観ているようなスピードと臨場感で読み終えた。さすが。
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下巻に入って、俄然面白くなりました!
上巻で多少もたついたとしても、下巻を断念するのは愚の骨頂。この下巻の興奮を最大限に味わうための上巻でした。
上巻の最後で物凄く気になっていたことも、え!そうきますか!!という感じで気持ちよく落としてくれます。
特に後半のスピード感はすさまじく、訳されることで必然的に生じる違和感も忘却の彼方。
自分の中でもキャラクターに血が通い、生き生きと頭の中で動いてくれだしたので、この本が3部作の1作目と分かり嬉しい限り。
続編の和訳出版が待ち遠しいです。
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上下2巻の長い小説でしたが、面白かったです。
スティーブンキング氏の最近の小説です。
スタンドバイミーやショーシャンク・・やグリーンマイル
シャイニングとは少し感じのことなった作品であったような
気がします。
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そして下巻。メルセデス・キラーが仕掛けた罠の顛末は……ええ、何その悲劇っていうか喜劇は! ここが一番予想外な展開だったかもしれません(笑)。ますます賢いのか馬鹿なのかわからなくなってくるメルセデス・キラー。ちょっと可哀想になってきたかも。
しかし次に起こる惨劇にはもう愕然とするしかなく。この展開も予想は……したくなかったんだけれどなあ。もちろんホッジズはめげることなく、どんどん犯人に迫っていきます。頑張れホッジズ!
ラストに向けてはホッジズだけでなく、ジェロームとホリーの活躍がかなりの読みどころ。まさかホリーがこういう役回りになってくるとは思いませんでしたが。彼女のキャラクターは素敵です。
最後までどきどきわくわくで引っ張られ続ける読み心地でした。さすがはキング! 続編も出ているようなので、邦訳が楽しみです。
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続けてキングの本を何冊か読んでるんだけど、これは面白かったなあ。
自分はキングの作品ではこれからどうなるか、というハラハラを期待して読んでいて、それがホラーなのかそれともサスペンスなのか、というのはあまり重要じゃないのだと自覚した。
ちょっと都合良いなあという設定などもある気はしたけど、それはそれである。