食品ロスの構造を端的に捉えてます。最終的には教育まで戻る話だと。
2016/12/06 12:18
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投稿者:白いフレブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
賞味期限の在り方を、メーカー、流通、消費者と構造的に捉え、特に消費者のマインドに根深い問題があること、それが今後の食育にも影響することを非常にわかりやすく捉えています。便利を享受しすぎることが当たり前になった消費者のマインドを変えることは容易ではなく、ロスありきの仕組みを変えていくことも容易ではない。
このような書籍から、お茶の間含めたメディア露出が増え、食品ロスがより一般化し、社会問題として食品ロスに対する規制が整えられ、最終的には初期教育に戻る話しとなって、ようやく実態が変わっていくのだと思いました。道はながいが重要な一歩を踏み出す書籍だと思う。
食品ロスを減らす知恵が満載!
2020/05/11 00:17
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともと栄養士で、食品メーカーに長年勤め、フードバンクにも関わった著者が、自らの経験を生かし、食品ロスを減らす知恵を伝授する構成になっています。
巻末に、当書で著者が訴えてきた食品ロスを減らす方法を分かりやすくまとめています。スーパーなどでの食品の買い方に変化が生まれる1冊と言えましょう。
賞味期限って謎かな
2019/03/26 22:02
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投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んで字のごとく、美味しく頂ける期限のことです。この期限が過ぎたら食中毒になるわけではない。どうやって決めているのかは謎。本書によると「理化学試験」「微生物試験」「官能試験」をもとに算出した実際の日持ちする日数に、1より小さい「安全係数」という数字を掛けて、賞味期限を設定するそうです。この安全係数を操作すれば短くも長くもできるってこと。官能試験なんて手間がかかるからやっているとは思えないし・・・。
自分で経験したことをもとにして、賞味期限を考えていこうと思っています。
生でなくても美味いのです
2019/02/28 21:22
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
考えれば分かることだったのかも知れませんが、卵の賞味期限が「生で食べる」ことを基準にしていたのを、今さらながら驚きました。あまり神経質にならず、生食も加熱も上手に使い分けて食品ロスを減らしたい、と痛感しました。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
食品ロス問題は社会の在り方を問う問題でこの本でも啓発される。文章が稚拙な部分があるが現状を知ることは大事である。もう少し非常食に対する提案があってもよかった。
大事に美味しくいただきます
2019/02/28 21:16
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
「清潔=健康」は公衆衛生の基本中の基本ではあると思います。それでも食品ロスに頓着をせずに、キレイキレイで過ごせる「豊かさ」はそろそろ終わりにした方が良いのかな、と思いました。
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投稿者:QFO - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず冒頭の卵の賞味期限に対する著者の発言に驚いた。こんな基本的なことの知識も無いとは・・・。そんな事は門外漢の私でさえ知っていた。
現場を見もせず口先だけで過ごしてきた人間の典型であろう。
また「消費者のエゴ」と一口に言っているが、その前にメーカーや関係業界の「売らんかな」といった「エゴ」を問題視すべき。自社製品を売るために利用してるだけ。
あくまで消費者は受け身でしかない。招いたのはメーカー側の責任であろう。
メーカーにとって、消費者に責任転嫁するのが一番楽だからね。
久しぶりに読んでいて不愉快になった本だった。
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投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、賞味期限の問題に関することが書かれてある。
そして、賞味期限の問題の最大の原因が消費者にあることが明らかとなる。
この本を読んで、食品に関心を持つようになると良いだろう。
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【深刻な「食品ロス」を知ろう】
食品に関わる、恐ろしく深刻な問題の数々を知ることができます。決して他人事ではない、食品ロス。最新の傾向と対策を学びましょう!
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著者は食品ロス問題専門家で、女子栄養大学、石巻専修大学非常勤講師。
食品メーカーに勤めていた経験やフードバンクの広報などの経験から食品ロスに関する豊富な知識があり、食品廃棄問題を指摘した内容。
食品メーカーに勤めていた経験があるからか、業界の実態をよくご存知だと思いました。
食品廃棄は今や世界的な問題になっていて、昨年、「持続可能な開発サミット」で国連加盟国は2030年までに食料廃棄を半減させるという目標を掲げました。
この存在すら私は知りませんでしたが、これをもっと消費者にまで落としこまないと、まず目標達成は不可能かと。
ということで、身近な問題として
①3分の1ルール
②スーパーやコンビニとメーカーの関係
③消費者のエゴ
などが主な問題として取り上げられています。
私は食品関係の仕事が長いのでこれらの問題はよく耳にします。
①は要するに賞味期限いっぱいまで販売されず、3分の1を残して棚から撤去されるという問題。しかも、その賞味期限の「賞味」はおいしく食べられる期限であって健康被害には問題ないし、さらにその期限もメーカーは短めに設定しているため、まだおいしく食べられるものが廃棄されるという事態を招いています。特に日本の期限設定は短めで、海外ではもっと長く設定されているとのこと。
②はスーパーやコンビニはメーカーに欠品させてはならないという条件を課するため、メーカーは多めに製造することになり、結局それが余ると廃棄。あるいは商品が少なくなったら何度も納品をする、などをして対応するためにコストがかさむ。そのコストは商品に上乗せされ、結局消費者が払っている。
スーパーも商売なので売上がないとやっていけません。なので消費者の要望はよく聞く。それがメーカーにも影響を与えることになるのですが、いくつかの「消費者のエゴ」が取り上げられていました。
・商品は安くして、でも欠品はダメ
・遺伝子組み換えはダメ でも安くして
・味は甘く、でも人工甘味料はダメ
・賞味期限の長いものを選んでおいて、店の廃棄を批判
消費者が食品の状態を自分で確認することもなく、目安でしかないその数字を見て機械的に廃棄していることが、スーパーの廃棄を増加させ、メーカーの製造コストを増加させ、このようなことが世界中で起こっているために、大量廃棄につながって いるという指摘は、他の同類の本でも見られます。
消費者側から読めばダメなところを突かれている気がするかもしれませんが、実際起こっている話。
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賞味期限は「おいしく食べられる機嫌」で、消費期限は「食べても安全な」期限。こちらはお弁当やサンドイッチなど日持ちしないものに表示されており、これは過ぎない方がよい。普通の牛乳は賞味期限が表示されているが、低温殺菌牛乳は日持ちが短いために消費期限表示となっている。
卵の賞味期限はパック後二週間と設定されているが、これは夏場の生食を前提としてもの。気温が低い(10度とか)冬場であれば57日(パック詰されるまでの一週間を引いて50日)は生で食べられる。外国では加熱して食べるのが前提なので日本よりもはるかに賞味期限が長く、
商慣行として、賞味期限全体の3分の2のところに「販売期限」を設定し、そこに達すると棚から撤去するという「3分の1ルール」がある。また、最初の3分の1を「納品期限」と言い、ここまでに小売店に納品しないと大体受取を拒否される。
冷蔵庫のものを食べていいのかどうか、悩んだときの答えが書いていることを期待したが、卵の話などごく一部だった。食品流通の問題、フードバンクの活動などの記載が大半。
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3分の1ルールや日付後退品など、日本の食品流通の諸問題を平易に解説し、大量の食品ロスが起こる根源的な要因を示したうえで、諸問題が最終的に費用として消費者へ跳ね返るという構造を明らかにしている。第四章の「購入は投票行為」は至言。
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日本の食品ロス量は、632万トン。これは東京都民が一年間に食べる量とほぼ同じ。
世界の食料援助量は約320万トンなので、日本は世界全体で支援されている2倍の量を、国内で捨てているという異常な状況。
食品ロスの約半分は企業から、残り半分は家庭からとのこと。
企業は安全係数を持って賞味期限を設定しており、
食品業界には3分の1ルールがあり、
小売店が絶対的に力をもっており、
そもそも食品には、廃棄する分のコストが乗って、価格設定されているということ。
家庭でも、無駄なもの、必要以上に買わない、賞味期限は目安ということ、他できることを意識して、買い物をしていかないと、いつまでたっても、食品ロスは減らない。
最近フードバンクの活動が知られるようになってきたが、まさに、そういった活動を通して、無駄のないように、(そもそも食べ物を捨てるということ自体、違和感を感じるが・・・)
食品業界も食品ロスに対して、もっと取り組まないと、
一向に減らないように思う。
意識、行動、習慣を変えて、よりよい方向に。
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借りたもの。
賞味期限というより、食品ロスの発生原因を制度や食品業界の“現場”からひも解いている本。
卵は意外と長持ちする(冬は生でも57日間、加熱処理をすればもっと長くなる!)
(アミノ酸など)時間の経過によって多少の変質が起こる食べ物もあるが、問題はない……
賞味期限は食中毒を回避するため……と思っていたが、そんな事ではなかった。
食中毒は当たり前のようなこと(手を洗う、)を守れば、リスクは押さえられ、賞味期限とは何の関係もない。
消費者のゼロリスク志向、出荷後の保存環境の適切性への保証がないことから、賞味期限が短く設定されているという、事実。
それは、企業は消費者の健康被害よりもクレーマー対策、私たち消費者の無知から来るのではないだろうか……
被災地で食料不足でありながら、捨てられる食品があったという……
保存の問題かと思ったら、被災者の嗜好、更には行政の極端な平等への杓子定規――足りないから配らなかった、メーカーが違うから配らなかった――な対応があったことなど、食品ロスに至る問題は、様々な価値観によって発生する。
そうした問題は枚挙にいとまがない。
コンビニやデパ地下の値が張るものは、捨てるコストも払っている。
映画『0円キッチン』( http://unitedpeople.jp/wastecooking/ )に絡み、読了。
それにも取り上げられていた、余った食材を持ち寄ってのパーティーなど海外の事例も紹介。
日本での活動として、お寺のお供え物を貧困家庭へおすそわけする「おてらおやつクラブ」( http://otera-oyatsu.club/ )の紹介など、実践的、効果のありそうな活動も掲載。こうした取り組みを見ると、食品ロスを無くすことが可能であるということを意識させられる。
各章毎に”今日からできること“という、見出し欄には、食品ロスを減らすための実践ポイントを箇条書きに記載。
石渡正佳『産廃Gメンが見た 食品廃棄の裏側』( http://booklog.jp/item/1/482225156X )が法律、制度の問題点から「ダイコーによるCoCo壱の廃品カツ横流し事件」を解説していたのに対し、こちらは多くのケースを紹介している。
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「生卵なんて1カ月はじゅうぶんもつよ」と言ったら、ダンナと弟にドン引きされたことがあります。賞味期限が1日過ぎただけで、食べたらお腹をこわすのではなどと心配をするのは、女性よりも男性に多いように思います。そんな心配は無用だよとまでは言いませんが、本書を読めば、少しは男性陣の心配が減るかも。
日本において卵の賞味期限として表示されているのは、「夏場に生で食べること」が前提。冬場であれば57日間、2カ月近くも生で食べられるのだそうです。もちろん管理の状態にもよりますから、日数だけで判断してはいけないでしょう。でも、日本でどのように賞味期限が設定されているのかを知るためには非常にいい本。
法律で定められているわけではないのに、食品業界で商慣習として守られている「3分の1ルール」。賞味期限が6カ月ある食品の場合、最初の2カ月で納品、次の2カ月で販売。それを過ぎると商品棚からただちに撤去されてしまうという。海外のどの国と比較しても、販売できる期間がもっとも短いのが日本。日本はそれだけ安心してものを食べられる国でもあるわけですが、それゆえに日々廃棄される食品の多いこと。年間何百万トンという食品が廃棄される一方、餓死する人もいるという現実。
ドギーパック(食べ残したものを袋等に詰めて持ち帰る)を推奨しているホテルやレストラン、常に商品棚をいっぱいにしておかなくてもいいじゃないかという姿勢のスーパー、食べることに困っている家庭にお供えをおすそわけするお寺などが少しずつ増えているとのこと。フードドライブ(家庭で余っている食糧を寄付する活動)にも興味を持ちました。食品ロスについて考えるきっかけになる本だと思います。