紙の本
読んで見て、楽しい図鑑。
2017/06/21 20:14
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奈良文化財研究所の平城京跡資料館の子ども用の企画展示を図鑑化。大人が読んでも判りやすく、面白い。どこからどういう風に発掘され、研究されているか。どんな種類があって分類され、解かれていくかが判りやすく写真やイラスト付で読める。
燃やされず、埋められたままだった木簡、食器、排泄物、生活雑貨から当時の生活を楽しく解説。食品の紹介の中に、鯖や鰯、ワカメ、タコ、エビ、多彩な果物と残っている木簡や骨、種から推測されていく。
紙の本
たかがゴミ、されどゴミ
2023/09/06 22:24
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴミから探る、奈良時代・平城京の威風・習俗。多種多様なゴミが登場します。取り分け、表紙にもなっている落書き、IDカードの役割を果たす木簡(p79)がおもしろい。
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い。特に木簡の削りクズから読み取られる様々な事が面白い。「長屋王」の宮がどこかもアレだが、当時の人が何を食べてたかとか、トイレはどこかとか。指の関節の位置で個人認証してたとか、とても興味深い。写真も豊富で読みやすい。良書。中世遺跡でもこういう分析はないのかなあ。特に山城のトイレ事情が知りたい。
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木簡に書かれた墨が残ってるのもすごけりゃ、土器に描かれた人面の表情の豊かさに驚かされる。ただし、人形はあかん。あれはなんか嫌な感じがしてページをサッとめくってしまった。器、靴、生活用品他がゴミ捨て場だったところから出土。もちろんトイレもあったり。そこから得られる貴重な品もあるわけで。まぁ、分解されてるだろうから大丈夫だろうけど、ちょっと、、、ってなるよ私は(笑)ちょっと笑ったのは【大】をたくさん練習してた木簡。大はねとめ・はね・はらいがある字なので練習にはもってこいですよー
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【図書館】ごみから見える奈良時代の暮らし。確かにごみを並べたら、その人の生活も見えてくるもんなぁ。「おかずがまずい」という内容が書かれた木簡が残っていたとは。昔の人が身近に感じられるね。指の関節の位置を記録した木簡がIDカード代わりだったとか面白い。すり減るまで使ったりリサイクルしたりと物を大事にしていたんだな。木でお尻を拭いていたとか、絶対痛い。
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平城宮跡資料館で子供向けの展示であったものを踏まえて再構築して出版したもののようです。この展示も面白そうで行きたかった記憶があり、このように本にまとめていただけていたとはありがたい。内容も更に拡げてあって面白い。全頁カラーで出土品や発掘現場写真も多く、解説はかみくだかれていて読みやすいです。ゴミという視点もさることながら「ゴミ」と断定することのむずかしさもちゃんと書かれているところなどがさすが。掲載されてる出土遺物は実際に資料館で展示されてるものも多く、是非こちらを読んで現地に行かれることをおすすめしたい。
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平城京跡から出土する木簡、土器、瓦等々様々なもの(実はそれらは大部分はごみとして当時の人々に捨てられたもの)を写真付きで紹介してくれる本。全編カラー。
奈良時代といえば教科書では政治の動きだの律令だの、仏像に代表される天平文化だの、といったものくらいしか学べない。当時の人々、それも貴族なんかじゃない下々の人たちの暮らしは全然教わらないので、ちっとも想像ができない人がほとんどではないだろうか。江戸時代の庶民の生活なんかは、ぱっとイメージすることができるのにね。
それもそのはず、日本の古代奈良時代は、せっせと遺跡を掘り返して調査する考古学的な研究がどうしても中心になる。かろうじてある文書資料の律令や記紀は庶民の生活をほとんど記していないし、庶民自身も何にも書き残さない。せいぜいが出土する木簡なのだ。ただこの木簡、なかなか侮れない。木簡は下級官人の間で日々の雑務で広く使われていたようで、これを読むと彼らの生活というものをちょっぴり生々しく感じることができる。「支給されるごはんのおかずがまずい」という文句の木簡とかね。
というわけで本書では、この木簡というやつがかなり紹介されている。勿論そのままでは読めないので、親切な解説つきで。
木簡以外には食事等に使われていたとみられる土器とか、家財類、靴や針や工具といった道具類も。発掘調査から推測される食事事情やトイレ事情なんかにも触れられている。
表紙にもなっているなかなか味のある落書きを見るとわかるが、生真面目に教科書を読んでいたんじゃわからない、確かに生きて呼吸し笑って泣いて愚痴言い冗談を言い合った、当時の人たちの人間味溢れる生活を知る一助となるのだ。
本書は平城宮跡資料館で行われた子供向け展示を書籍として再構成したものなので、文章はすこぶる平易で読みやすい。巻末に驚くべきゆるキャラも登場するし(笑)、子どもを読者に想定して作られた本であることは間違いない。
だが前書きに「大人の方も存分に楽しんでいただける内容・構成にした」とあるように、中身は子供だましなんかでは断じてない。少なくとも、学校で習ったこと以外に奈良時代に関する知識がほとんどない私のような人間にとっては、次から次へと新しい知に出会うことができた非常に有り難い本だった。
最後に。全編カラーっていうのは本当に貴重だと思う。大体の本は、出土品が掲載されていても白黒だから。
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実に面白い本だった。
元は子供向けの展示だったとのことなのだけど、平城京の発掘調査で出てきたごみ類を分析してわかるたくさんのことが楽しく紹介されていてわくわくする。
ごみの捨て方、どんなごみがあるのか、それはどういう場所なのか。そこからどんなことがわかるのか。案外現代に通じることもある、人の営み。
教科書に載っているような"重要資料"からだけではわからないもろもろ。たとえば、表面を削って再利用していた木簡の削りカスから、落書きや似顔絵(?)、文字の練習をしていた跡が出てきたり、役人が「配給される給食のおかずがまずい」とか愚痴っていたり。他にも、排泄物から食事の内容がわかる(排泄物自体は残っていないが寄生虫の卵が出るため、その種類からどんなものを食べていたかが推測できるのだそう)とか。
全面カラー写真でわかりやすく掲載されており、とても読みやすい。
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奈良時代、平城京に住み、働く人々の生活を“ごみ”から解明する。
奈良文化財研究所平城宮跡資料館の企画展の内容を、
書籍として再構成している。
第1章 奈良時代のごみと出会う
第2章 ごみ捨て場をのぞいてみよう
第3章 木簡は奈良時代からの手紙
第4章 ウンチでわかる食生活
第5章 ごみは宝物
奈良時代年表・平城京&平城宮のごみ捨て場マップ等、各種資料。
オールカラーで写真豊富。わかりにくい箇所は線画有り。
1300年前の平城京での生活が“ごみ”でわかるという、
ユニークな内容。これがまた面白いのなんの。
ごみの捨て方、役所・寺・貴族のごみの違い、リサイクル。
魚の骨の小片から、魚の種類と場所、包丁の跡までわかるという!
圧巻なのは様々な木簡。削りかすすら研究の対象で、
情報カードやIDカードの役割を持ったものまであるという驚き。
そして、トイレ(水洗!)とウンチまでも・・・意外と肉食ありとは。
苦労して発掘し、ちまちま分類しての研究は大変だけど、
解明して知ることの楽しさを教えてくれる内容です。
実際に実物を見てみたくなりました。
巻末の執筆者紹介の文も良い感じです。
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人が生み出しているごみ、そこから生活がわかります。平城京跡では、奈良時代に地中に埋められたごみが出土しています。本書は、考古学の最新手法によって、すり減るまで使われた道具から役人が残した落書きまで、奈良時代人のごみから判明した、当時の生活に迫ります。遠い過去の人々がなんだか身近に感じることができる本です。【㉙奈良県】
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平城京で発掘されるゴミにテーマを当てながら、考古学のアプローチや丁寧な分析、大人もこどもも楽しく読めるようにする設えなど、様々な工夫がなされている本だと思いました。奈良文化財研究所のトリクミにも興味を持ちました。