紙の本
時間軸をさかのぼっていく記述が斬新
2017/04/19 14:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1944年「敗戦への道」にはじまり、1941年「日米開戦 決断と記憶」、1937年「日中戦争 長期化の誤算」、1933年「満州事変 暴走の原点」という風に、読み進めるとともに時間がさかのぼっていく。「なぜ?」という問いを突き詰めていく記述方式が、こういう形をとらせることになったのだろう。もともとがNHKのテレビ番組なので、読みやすく進められる。
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【日本の近現代史ならこの方! 加藤センセイの名講義】なぜ戦争の拡大をとめることができなかったのか、なぜ一年早く戦争をやめることができなかったのか。繰り返された問いを解説する。
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満州事変から日中戦争、太平洋戦争へと、どうしてこうなってしまったのかを遡りながら分析。後戻りのない軍部の暴走、原発再稼働に見るような袋小路での屁理屈、煽られてムードに流される単純な一般国民、脇役でしかない政治家の無能さ…それらが大量の国民を殺してしまったことがよく理解できました。そして、幼稚な精神構造の権力者が支配する今のこの国の状況が当時と全く同じに感じます。安保法、共謀罪、南スーダン問題。森友学園に教育勅語や道徳教育。Trust me!とか叫びながら戦争まっしぐらの現状。あの頃の三バカ同盟は、今のトランプや金正恩ともう一人に思えます。また、天皇陛下もあの戦争の遂行に積極的に深く関わっていたことを初めて知りショックでした。
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「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」が良かったのでその著者の本を選んで読んだ。NHK出版の「NHK さかのぼり日本史(2) 昭和 とめられなかった戦争」の焼きまわし。戦争勃発に至った背景、国民感情が詳しく述べられており、現代そして未来を考える糧となる。2017.4.29
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とめられなかった戦争というより、誰もとめなかった、みんなで突き進んだ戦争という一面があって、日本人が時に見せる非理性的な行動パターンは軽視できません。サイパン陥落を持って画期とするのに全く異論はありません。ここで戦争継続を選ぶのは博打打ちの理屈であり、反対派の追い落としを恐れる保身でしょう。原子炉事故でも同様の判断がなされていませんか?歴史を知り、歴史から学ぶべきは、日本人のメンタリティを知ることでもあります。
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満州事変から太平洋戦争への流れを遡りながら分析。
幼稚な精神構造の権力者が支配する今のこの国の状況が当時と全く同じに思える。
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日中戦争と太平洋戦争の開戦の理由が、非常に端的かつ的確にまとめられている良書。理由の説明に特化しているから良さ。
薄い本である。200p行かないのに、これだけわかりやすく日本の大失敗をまとめられたのは感心させられる。
2011年のNHK教育テレビ「さかのぼり日本史 昭和 とめられなかった戦争」の内容に沿って書かれた本だということで、やはりテレビ構成のまとめる力ってすごいなと違う意味でも感心した。
やはり戦争は経済問題である。だからって経済を毛嫌いしたら、戦争に突っ込むと思う。きちんと経済の知識を収集して、経済と向き合わなかった結果が戦争なんだと思う。
最後まで我慢強い経済対策をしないと、短絡的な戦争という解決方法に逃げてしまう。
テロリズムが激増した昨今、昭和初期のころと同じような状況なのではないだろうか。ただ、テロの標的が政治家じゃなくて、外国人とか反対宗教とか対抗民族なんだよね。国家間の争いじゃない、国家主義じゃない争いが拡大していく…。これの行きつく先はどこなのだろう。イスラム国は一つのゴールだったんだろう。それがもう終わったから、案外もう次の世界に入っているのかも…。
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圧倒的に国力の差があるアメリカ相手に、なぜ日本は開戦に踏み切れたのか?これには大和魂にあるという。
国民をまとめるためには、たとえば小学校などに国力の差をグラフ化した説明冊子を配り、日本が差を乗り越えるのには大和魂なのだと精神力から強調していったのだそうです。
当時の思想家や作家も「さわやかな戦争」「明るい戦争」と好意的だ。
日中戦争は弱いものいじめの戦争だけど、太平洋戦争は強い英米相手だからと、かなり大胆不敵になってしまった国民。
「緒戦に大勝すれば勝機はある」と支持する層も多く、国民感情をコントロールしていたのには恐ろしい。
現代人には通用しないだろう。
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加藤先生のアジア太平洋戦争への「なぜ」を説くシリーズ。どれ読んでもわかりやすい。「なぜ」を考えることは大事だな。「なぜ」という問いを立てることがさらに大事だな。今の時代に対しても「なぜ」を忘れてはいけないな。
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加藤陽子先生の著作は分かりやすく、示唆に富むので愛読している。本作はテレビ番組をまとめたためか、短くまとめられすぎているためちょっともの足りない。
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それでも日本人は戦争を選んだのダイジェストである部分が多いのが難点。その分コンパクトに満州事変から太平洋戦争までの日本の展開がよくわかる。
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加藤陽子先生の本はたくさん読ませていただいている。特に『それでも。日本人は「戦争」を選んだ』は、太平洋戦争を語った名著である。この本は、その簡易版とでも思っていただければよいだろう。エッセンスは十分に詰まっている。
いたるところで出る話だが、東条英機(当時の総理大臣、陸軍大臣兼参謀総長)は、士官学校に巡察に行き、生徒に「敵は何で墜とす」と聞く話は、何度読んでも不愉快というか、心がざわめき、締め付けられるような思いがする。
東条は、生徒が機関銃で墜とすと答えると、言下に否定し「違う。敵機は精神力で墜とすのである。」という。
戦争被害受任論がある。軍人・軍属には恩給がでたが、死んでいった国民に当時の日本政府は責任を持たない。
戦争責任を日本人自らで裁いていないことが、今も続く民権より国権を優先する政治につながっている。
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「太平洋戦争開戦時の太平洋」の図を見ながら読み進めましたが、今さらながらに、いかに広範囲にわたって戦闘を行ったか、サイパン失陥がどんな意味を持つのかがよくわかりました。時間軸を逆にたどっての説明もなるほどと思わせられました。
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時間を遡ることで,歴史の因果関係を明確にする良書.遡る回数が3回と少なく,最も遡った満州事変の因果すら詳らかにされたい,と思う程度にのめり込める.できれば,中高の日本史は,常にトリガがあったことが明示的に理解できるため,このような形で近現代から遡って欲しいと切に願う.
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加藤陽子さんの本は学校の勉強だけでは点で学んでいくことが面で俯瞰的に理解できる。
なぜ戦争になるまで止められなかったか?を知ることはそうならないためにどうできるかを知ること。