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大勢の嘘つき(ライアー)が登場するが、主人公の神村奈々、夫の洋祐、義父の元警察官僚、研究所の大場などなど、それぞれ表と裏がある.殺人を仕事としている神村は息子智の前では普通の母親だが、義父は内情を知っている.夫の洋祐が突然死亡したことから話が展開する.冷静な神村に疑念を抱いた新宿署の駒形と神村が夫と一緒に焼け死んだ女の身元調査をする中で、研究所が国外での作業(殺人)だけを実施しているのに対して、国内でそれを行っている連合会の存在が明らかになる.弾丸が飛び交う場面が次々に登場し、スリルが味わえるが、神村のスキルの凄さが実証されることになる.連合会の連中との戦いでわずかに傷を負った神村が、最後に息子の智との生活を掴み取ったのは、彼女の母性本能が優ったのだと感じた.一番のライアーは妻の仕事内容を知っていながら、統計学の教授として立ち回っていた夫の洋祐だと思う.