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キューバの風景をどこか遠巻きに描く筆者の視点が好きです。
はっちゃけるわけでもなく、どこか日本のことを頭に残しつつ羽目を少しだけ外しては悦に浸る、そんな描写にすごく親近感を覚えた。
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若林さんがキューバに一人旅した旅行記です。キューバの熱と気迫のようなものが伝わってきました。
なぜキューバに行ったのか、本当の理由が最後に明かされています。亡くなった“親父が旅行に行きたがっていた国(p191)”だからでした。
若林さんの一番のお勧めの観光名所、“マレコン通り沿いの人々の顔”、“amistad(血が通った関係)”(p204)が見たくなりました。“海外からの観光客相手の場所ではなくて、キューバ人の生活に寄り沿ったディープな場所(p129)”を見る旅を、してみたくなりました。今のうちに。
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現代社会の問題に始まり、父の死との向き合いまで。文章は決してうまくないけれど、思いはぎっしり詰まっていた。キューバ旅行記というより…それだけでなく、気づきや彼の考えをまとめるものでもあったのかな。フットボールの番組でしか注目していなかったけれど、なかなかもがいて頑張っている人なんだなあと思いました。ruta21.5はうまくまとめましたね。
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キューバに今、行きたくなる旅行エッセイ。
資本主義と社会主義等、東京とハバナの社会システムや人々の生活が、比較されながら独自の見解で語られる。
毎日自分の会社や仕事、家族や仲のいい友達のことばかり考えていた自分の視野が、久しぶりにひろがった気がした。
ラジオで旅の内容は知っていたけど、もっとディープで、真面目で、面白く、若林さんでないと書けないことばに惹かれ、私まで旅に夢中になってしまう。
余談だが、ひとり旅で札幌・すすきのの交差点を通ったとき、この本を読み終えた直後だったからか、ネオン看板がこれでもかとひろがる街並みに、「なんて資本主義!」と思った。
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「今年の夏はキューバに行ってきたよ」
と、言ってしまいたくなる本。
一緒にキューバを旅しているような
鮮やかな描写が、リズムに乗せてどんどん
読み進めてしまう。
読み終わるのがもったいなくて
海水浴場に行くところまでで
寝かせておいた。
夏も終わってしまうので、意を決して
読書再開したら...
旅の終わりの寂しさのせいだけではない
惜別の気持ちになった。
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オードリーのオールナイトニッポンを友人から勧められてここ3年ほど聴いているのだけど、「ラジオでいつも変な事ばかり言っているあの人は、こんなことを考えているのか」という感じで読んでしまい、ちょっと気恥ずかしい感じで読み進めた。ちなみにこの本もその友人の勧めに背中を押されて読んだ。
旅行記+エッセイのような内容で、ものすごくキューバに行ってみたくもなるし、こういうなにかを考えながらする一人旅をしてみたくなってくる。
ラスト近くで明かされる、若林さんがキューバに行った本当の理由?裏の理由?については、知らないで読んだ方が良いので、気になってる人はレビューでネタバレを読む前に本を読んだほうがいいと思います。
さらに、若林さん自身のキューバというフィルターを通した日本、というより東京論になっていてそこも面白い。
だけど、彼が感じているという、この本の中で言う「新自由主義」への違和感は、少なからず共感できるのだけど、そこを端緒にするなら斜に構えずに「格差の拡大で切り捨てられる弱者はそのままでいいのか?」という話にまで言及すべきだったのでは?と思わなくもない。
でもそんなところまでは元々求めてないし、やはり軽々しく語れる問題でもないだろうしなあ。
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お笑い芸人オードリー若林さんのキューバ旅行記。
日本で暮らしていて、競争させられている感覚などの違和感から始まり、資本主義について家庭教師に習う若林さん。それから全く違う社会システムの国、キューバへ旅立つ。その先にあったのは父親への思いだった。
旅行記のようなエッセイのような。
ニヤニヤしたり、共感したりしつつ、
途中、小説のように綺麗な場面も。
旅の出発点(些細な動機)から始まるので、一緒に歩いていく感じが読みやすい。
人見知りのガイド、マルチネス。
勝手に仕事を始めるおじさんたち。
葉巻を教えてくれたエダシマ。
陽気で自由で、
日本人と良い意味で全然違うキューバが
伝わってくる。
少しずつ読んだが、
読むたび私も開放されるような旅をしてる気持ちになった。
また、若林さんが
一人で旅をして自分に向き合う過程も
読んでいて良かった。
日本に縛られて向かったキューバ
最後は日本の良さを知る
笑いやひねくれた部分が楽しいけど
若林さんの熱さを感じる一冊。
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なぜキューバなのか。「共産主義の国を見てみたかったから」という理由だけではなかった。
現地の人たちとの交流を、笑いを交えながら描き、途中までは楽しい旅行記だと思って読んでいたが、後半で明かされる父への想いに、胸がキュッとなった。
ご本人は「自分は頭が悪い」と言っているけれど、目で見た世界をこんなに色鮮やかに描写できるなんて、頭が良くないと出来ないと思う。
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5日間だけの夏休みを取ることができた著者が、それを利用してキューバに行く旅行記です。5日で南米に行くということができるのかと、どんな行程か気になって読みはじめました。遠くの観光名所には行けないのですが、街中には革命の跡があり、結構楽しく回ることができるのだなと、一緒に旅行に行っているように楽しむことができました。著者の考え方に共感できるところが多かったのも理由かもしれません。資本主義社会の金を稼ぐ人間が偉いという考えに違和感を感じるも、それを肯定的に受け入れることを、著者と一緒に学ぶことができたのかと思っています。こういった旅行もしてみたいと思いました。
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エッセイと旅行記の中間のような本でした。前作より読みやすいです。
看板がない街に行ってみたかった若林。へーと思ってたら、タイムリーに「看板がないと元気が出ない」みたいなこと言ってた人がいて、世の中いろいろだなぁと思いました。
前回も同じこと思ったけど、とても感受性豊かな人だなと思います。考え過ぎて生きにくそうだけど、中二病卒業したてだけど、この人の考えてることは面白い。
個人的には、前作で彼が大人に成長する過程を読んだ上でこれを読む方が、より楽しめると思います。
誰と会話してんだろうとよく分からないまま読み進めてたら、最後にやられました。全然興味なかったけど、これ読んだらいつかキューバ行ってみたいなと思いました。
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一般的な旅行記からは逸脱したオードリー若林のキューバ旅行記。
新自由主義を相対化するため、死んだ父親が行きたがっていたから、広告や看板のない世界を見るため、そんな風に色んな理由から、キューバ行きを決めた若林。
かっこいい服を着たい、などと言った人間の自然な感情を丁寧に眺めることで、社会主義に資本主義・新自由主義が優った理由を考察するところなどが個人的にはハイライトだった。確かにそんなことは、高校生でも分かることだが、それが時々分かんなくなるのが逆に大人だと思う。
キューバから帰ってくる若林の目には灰色の街東京は灰色ではなくなっていた。でも、またしばらくしたら、また色が失われてしまうだろう、とも。
キューバのクラシックカーやカラフルな建物が見たくなった。
「あぁ、めんどくさい」
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前作「社会人大学人見知り学部卒業見込」では、
”高級料理を食べることは幸せ”と伝えるテレビ番組を全否定してたくらい世の中を斜めに見ていた、
自意識過剰の若林さんが、段々と社会をポジティブに捉えていく過程が非常に共感できるところが多く、勇気付けられました。
今回の新作では、キューバの5日間の旅行での出来事が中心に書かれています。
キューバに行った理由が、勝っても負けても居心地が悪い「超富裕層」「格差」「不寛容社会」を作った新自由主義のシステムを採用していない国というところが、いかにも若林さんらしいなと。
道中でキューバの良さも感じながらも、日本のシステムもある一面から見ると平等だと気づきがあったり、
最後の方ではお亡くなりになられたお父さんのことに触れていたり、
この本では「幸せってなんだろう」ということを非常に考えさせてくれました。
キューバに行ってみたい方、ちょっと性格がななめな方におすすめの本です。
前作も面白いです!
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自分が田舎に住みながら感じている東京への違和感を、東京育ち東京生まれの人も感じているのか、と驚いた。それは、競争であり、資本主義であり、「やりたいことやろうぜ!」への違和感。答えが得られたわけではないけれど、より明確に言葉になった。
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ふつうにたのしく読み進んでいって、最後のところでエモい。それをどう感じるかで評価が分かれるのかなと思うけれど、私は好印象。
他人に知られたくないようなことを本に書く人だとは思っていなかったので意外。
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旅行記としてもエッセイとしても楽しめた。
死ぬ直前に食べたくなるようなものが、コンビニですぐ買える世界にぼくたちは生きているんだ。
この一文が胸に刺さる。