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名前は知っていたけども、この作家さんの作品は初めて。
好みかそうでないかと言ったら後者なのだけど、薄気味悪い後味の作品ばかりで、しかもどれもタイプが異なる短編集で、多才な人なんだなという印象。でも今後ほかの作品を読もうとまでは、、。ごめんなさい。
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夜警/死人宿/柘榴/万灯/関守/満願
六つの出来事。裏に隠れているものは誰にも分からない。こんな事が有ったのだと知れる時心の中にざわざわとした物が残る。すっぱりと白黒付けられる事など無いのかもと思う。
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もともと米澤穂信氏の本は、
「儚い羊たちの祝宴」が一番好きだったりする
(古典部は除く)
ので、同じく短編集にはとても期待していた。
単行本で出て、
文庫まで待とうと思って、
もうそろそろ耐えきれないから単行本買おうと思ったら
ちょうど発売日に書店で文庫本を見かけた。
神に感謝しました。
さて。
『ボトルネック』『インシテミル』『犬はどこだ』
『古典部シリーズ』『儚い羊たちの祝宴』
※さよなら妖精は途中でリタイア
割と米澤作品は読んでいると思う。
感じるのは、作品によって世界観がガラッと変わるなぁと。
今回は短編の中でも一話一話それが顕著だった。
警察小説か?『夜警』
温泉宿探偵物?『死人宿』
海賊になった男、みたいな、海外でバリバリ出世していくと見せかけて『万灯』
怪談聞かせてくれるの?『関守』
弁護士もの?『満願』
全部が全部テイストが違うし
最後の最後にズバッと裏切ってくれた!
本当に素晴らしいストーリーテラーだと思いました改めて。
あ、書き忘れていたけれど『柘榴』が一番好きだった。
やっぱりこう言う、美しい少女がちょっと狂気じみてるの
好きなんだな。
感謝。
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唐突に始まるそれぞれの物語は、唐突だからこそ
怖いものみたさにどんな結末が待っているのか
流行る気持ちを抑えてページを捲る手が速くなる。
全体的に何気ない展開から最後のオチは
全て良い意味の後味の悪さが残る。
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再読)6つの短篇。いずれもひんやりした感触の。可愛い~!と近寄って触った小動物が思いの外ごわっとした手触りだった、みたいな。あれ?ちょっと違うかな(笑)。『万灯』のラスト、ホテルの窓から見る東京の夜景が忘れ難い余韻。『夜警』『満願』の動機も思いがけないものだった。
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読み終わった後、必要以上に余韻を引き摺るわけでもなく、かと言って味気ない内容でもない、その辺のバランスがとても心地よいミステリー小説。ラスト数ページでゾクリとさせたりはっとさせたりして、物語を閉じていく最後一行はとくに好き。米澤さん、満願が初読みだけれどしばらくハマりそう✨
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夏はどろどろしたのが読みたくなる!ラスト二篇が特に好き。どうしようもなくて殺すというより、「だって、しょうがないじゃん」な感じが怖いなあ。この小説に出てくる人物は、みんな人情が感じられなくて薄気味悪い!
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なんとも不気味な……
6編の短編集
夜警
警察学校を出たばかりの新人警官「川藤」の不気味な性格
死人宿
会社で行き詰まり恋人と分かれて叔父の経営する民宿に仲居として勤め出す佐和子
その佐和子を探しあて引き戻そうとする恋人
しかしその民宿には不気味な噂が
柘榴
美しく育ったさおりは佐原成海と結婚し夕子と月子を授かった。
成海はどうしようもない男で離婚する事に
自分が働いて自分が全て面倒を見てきた子ども二人の親権は当然自分にあると思っていたが裁判所からの通知は父親に親権があると言う
どうしても納得いかず裁判官に食い入るが……
二人娘夕子と月子の不気味な生い立ち。
万灯
井桁商事の伊丹はバングラデシュのガス田開発に乗り込む。しかしライバル会社の森下も同じくガス田開発に乗り出していた。しかし中々前に進まない。バングラデシュの要人から同じ要人の1人を殺してくれたらガス田開発は任せると言われ伊丹と森下は夜、車でその要人を轢き殺す。その後伊丹は日本で森下を殺す事に、しかし森下はコレラに感染していた。自分も感染したのか?伊丹の不気味な今後
関守
先輩からある峠の茶屋の不気味な噂を聞く。その真相を探ろうと取材に出かける。おばあさん1人で切り盛りしていた。近くの崖から4人が落ちて亡くなった事件を聞く。段々とそのおばあさんの話が真相に進むに連れ眠たくなってきた。最後に話しかけるおばあさんの不気味な
言葉
満願
昔お世話になった下宿のおかみさんが殺人を犯した。弁護士になった自分はなんとか助けようとするがおかみさんが二審の控訴取り下げをし8年の実刑に。
なぜおかみさんは殺人を犯したのか。一審までは裁判をやる気になったのになぜ急に控訴の取り下げをしたのか。
山本周五郎賞を取ったこの作品。
やはり面白かった。散りばめられた不気味さ。
凄く面白かったです。
自分的には「関守」が一番面白かった。やさしそうなおばあさんが最高です。
読んでいて、なんとなく違和感というかひっかかるものが……なんだろう……
もやもやしながら読み終えました。
しばらくしてそのもやもや感の正体が!
頭の中に「世にも奇妙な物語」の音楽が流れていたのでありました「まる」
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とても読み応えがあって内容の濃い短編集でした。
おおっ?これはもしかして、、と犯人やオチを推測できても文章がとても読ませるので、読み進めるのも楽しかったです。
なんだかすごくしっかりした(かたい感じの)文章なので著者はそれなりに年齢のいった方なのかと思ったら、そんなにお年寄りじゃなかったのでびっくりしました!
他の作品もぜひ読んでみたいです!
この短編集の中では「関守」というのがすごく楽しめて怖くてよかったです^^
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『儚い羊たち〜』に続き、米澤作品四作目。短編集。p236の文章を読んで、装丁の提灯?たちが思い浮かんだ。この万灯を読んでいるとき酷い腹痛に見舞われた…。嫌な唾液がどんどん溢れ出てくる—— なんというタイミングだろうか ——?海外など行ったことないのに。
・・・と、基本的に短編集は物足りなくてあまり読まないのだが、これは凄い!長さ以上に内容が濃い。スーッと世界観に入り、次はどうなるんだ!どうなるんだ!!と、ページを繰る手が止まらない!!!
個人的にワールドワイドな「万灯」最後に背筋がゾワっとくる「関守」が好き^^ これは星五つだわ。
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そう来たか!から、読んでるうちに次はどう来るの?という怖い期待感。そして予想しない結末に持って行かれるのが良い。面白い!
どれも薄暗い話ではあるが、明るい希望ある長編と長編のあいだに読むのがいいかも。
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ミステリ側の米澤穂信は合うか心配してたが、山本周五郎賞に外れなし。大傑作であった。多少は慣れてきて、伏線はこれかな、などと考えるようになったが理想的な読者なのでどんどん騙され驚かされる。楽しい。
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テーマに統一性はない短編集。
スッキリしない終わり方が多く、若干モヤモヤする。でもこれがミステリー短編だよなと納得。
中学生姉妹の話がよかった。
でも前評判がよすぎて期待感が高くなってしまったかも。
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好きな作家だし、ミステリ分野の賞を複数受賞した作品だし、先に読んだ”王とサーカス”が素晴らしかったから、嫌が応にも本作への期待は高まる。反面、個人的にあまり得意じゃない本格もので、内容が浅く感じられがちな短編集で、”大丈夫かな?”って思える要素もあり。結果、それぞれ趣を異にする短編だけど、そのどれもが高品質なので驚き。特に気に入ったというか心に残ったのは、峠茶屋での怪奇譚。”この小さい婆さん、きっとこの世の者ではないんやわ”ってずっと思ってました。いやいや、面白かったです。
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古い時代の哀切な空気がなんとも味わい深い
日常の中に秘された数々の隠し事がささやかに、しめやかに明かされる短篇が六つ。
昭和の本格派の味わいを継承するような米澤さんの手腕にうっとりと酔い痴れる。
まるでこの時世まで語り継がれてきたような存在感のある新しい悲劇。