紙の本
説明が足りなくて惜しい感じ
2022/11/28 13:05
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
言葉はその民族や地域の文化を表すものであるが、話者が年々減っている言葉もある。
そういった話者が少数になっていてなくなりかけている言葉を、それぞれの言語の専門家がその言語らしい単語を一つずつ紹介する本。
言葉の意味と、その言語の話者数、地域、その言語の特徴などが軽くまとめられているが、1年の半分が雪に閉ざされる地域のウイルタ言語には雪に関する語がたくさんあって特に降っている雪を「シマナ」というとか、日常的に呪いをかけるマテンゴには遠隔に呪いをかけるという意味の「カランガ」という言葉があるとかは面白いが、なぜそういう意味の言葉があるのか、文化的民族的地域的背景が一切説明されていない言葉もあって、読んでいて惜しいなぁと思う感じだった。
紹介される言葉は話者の多い順に並べられていて、最後まで読むとだいぶ切ない気持ちに。
アイヌ語ってもう5人いるかどうかくらいしか流暢な話者いないんだね。
話者0人になった言語も紹介されていて、研究者もなくなればもうこの言葉は忘れられるのかもしれない、と思った。
紙の本
少数言語の世界
2024/05/16 20:59
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
少数言語を紹介する本。グローバル化で消えていく、「小さなことば」。
本書では、世界の50の少数言語の中から、各言語の研究者たちが思い思いの視点で選んだ「そのことばらしい」単語を抽出。文と絵で紹介している。
耳慣れないことばの数々から「小さなことば」を話す人々の暮らしに思いを巡らせてみたい。
紙の本
使えないけど使いたい言葉
2017/09/20 18:48
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投稿者:ベニテングタケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
少数民族というか話す人が少なくなっている言語のことば集。
ほとんど使うことがない言葉だけれど
言葉の持つ意味とか魅力的なのでいつか使えたらいいな~と思ってしまう。
「貝を掘る」とか「キノコを採りながら」とか生活に通じた言葉が多いのが
使いたくなる理由かも。
ウェールズ語のヒライスという言葉が気に入った。
日本のアイヌ語も載っているけれど喜ぶべきか残念がるべきか悩む…
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どうやらこのシリーズ(?)創元社のヒット商品となっているのでしょう。
『翻訳できない世界の言葉』に続く『誰も知らない世界のことわざ』をして、”二匹目のどじょう”と評したけど(http://booklog.jp/users/yaj1102/archives/1/4422701053)、どちらも作者がエラ・フランシス・サンダースだったもの。その成功を見て、別の作者とイラストレーターを起用して作ったんだから、こちらのほうがよほど”二匹目”っぽさは上だろう(笑)
コンセプトも1作目の『翻訳できない・・・』とほぼほぼ同一だ。民族、言語による物事の捉え方のニュアンスが異なる単語を集め、その語族の思想、文化に思いを馳せようというものだ。
月蝕を”月を蛙が呑むこと”と表現した「シャターシュッマユッ」というのはジンポー語というチベット地域というか、ミャンマー・中国・インドあたりに分布する語族の言葉だそうだ。自然現象を実在の生き物と結びつける例は、どこの民族でもある。日本の古語の「ぬゐ(=地震)」だって確か何かの喩えだったかと。雷を現す「いかづち」の「ち」も、「おろち」の「ち」と同じで「霊」のことだったとか聞いたことがある。なんて、いろいろ思い出すのに役立つ例がたくさん。
ミクロネシアあたりにいるというサタワル語族には「テリン」という、カヌーの帆が嵐で破れた状態を表す、いかにも海洋民族らしい言葉がある。これも、エスキモーには雪だか氷だかの表現が何十種類もあるのと同じで、その民族にとって馴染の深いものには細分化された多くの表現があるってことの一例だろう。日本には、諸外国では考えられないほどの雨の降り方による表現があるのと同じ。
そんなこんなで第1作と作り方はなにも違わないのだけど、民族として、語族として絶滅の危機にある、あるいはいずれなくなっていくかもしれない言語の中から拾い上げたという点が本書の白眉か。「まえがき」にあるように、”各言語の研究者たちが思い思いの視点で選んだ「そのことばらしい」単語を紹介します”ということで、その語族に関する情報も詳細に記載されていたり、なかなか読みごたえもある。
先日、映画『サーミの血』で観たサーミ族の言葉も収録されていた。 特にロシア領域では、ブリヤート、サハ、ウイルタ、トゥバなど自治区、共和国など9種類もの言語が紹介されていた。サハ族の「オイボン=凍った水面に空けた穴」という言葉を見て、あぁあの光景と氷の上で釣りに興じるロシア人の姿が目に浮かぶ。あの広大な国土だ、様々な語族が含有されているのだなぁと地図を眺めて壮大な気分にも浸れる。
いずれにせよ要は第1作と同じ作りで、目新しさはない。少数部族が話してるというところだけが肝だ。 インド内のラダック語の「ショチャン=怒りっぽい人、怒りん坊」にしても、もし”関西人”が絶滅の危機に瀕していたとしたら「イラチ」って言葉が代りに採用されていたかもしれない、なんて思ったり。
ただ、面白いのは、見開きごとにひと単語という前作、前々作を踏襲した作りの中で、右側のページの右端に、ページ数とは明らかに異なる数字が記載されていること。
650,000、450,000、117,000、96,000、460…
���ページを繰るごとにその数字が減っていく。なんだろうと思ったら、その言語を話す民族の現存数のようだ。サタワル語はもう460人しか話していない。なんて思っていたら、我が国のアイヌ語はひと桁だ! そして最後は「0」という数字の言葉・・・。 これは、ちょっと切なくなる。
さすが二匹目、三匹目のどじょう。なかなか凝ったつくりにはなっていた。
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ページが 進むたびに 話者数が 少なくなっていき、そのぶん もっと 大切にしなくてはいけないという気持ちが 強くなっていく。
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世界には少数しか話さないいろんな言葉があるとわかった。ペルーで90万の人が話している言葉もなくなりそうなんだろうか。「豊作」という意味の「ルルン」。ロシアで約100人が使っている「そのままにしておけ」という意味の「ビジン」。アイヌの言葉を話せる人は5人しかいないらしい。「熊送り、熊祭り」という意味の「イヨマンテ」。アイヌ語がなくなるのはさびしい。なんとかならないのだろうか。
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書名のとおり、なくなりそうな世界のことばを扱った1冊。1見開きに1単語という形で、イラスト付きで紹介。それぞれのことばが、日本語母語話者の自分からすると面白くて、そのことばをはぐくんだ文化を垣間見ることができて面白いです。
ロシアであったり、パキスタンのあたりであったり、全然聞いたこともない言語名・民族名が次々と出てきて、まだまだ知らない世界が多いなぁと改めて思うことができました。
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P107より
『マラミク』
アンダマン人の思う死後の世界は、夢の世界のこと。夢の中で死んだ人に会えるし、わたし達はいったん死んで生き返っているだけかもしれない。
これを怖いと思う人もいるかもしれません。
私は、夢の中で会えなくなった人に会えるし、眠るといつでもリセットできるって思うと勇気が湧きました。
言葉が『なくなる』ことがあるんだと少し驚いて手に取りました。単語の意味について調べたり、知る機会はたくさんあったけど、言葉が存在する意味に着目したのは初めてでした。
言葉には、各々の土地・生活・環境・文化が背景にあると知って、ロマンを感じました。
言葉って確かにあるものなのに目に見えなくて、でもとても大切なものだから、失うことなくいつまでも語り継がれて欲しいな。
そして、アイヌ語の話手は世界で5人しかいない。北海道に生まれ育ったから、アイヌの文化を知ったり大切にしていきたいと思いました。
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話者が少なくなった世界のことばの一つとその意味、話者数などが書かれていて興味深い。
オイボンで氷に作った穴とか。
その世界で大切にされているのが見えておもしろい。
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ヒライス もう帰れない場所に帰りたいとおもう気持ち(ウェールズ語)
ラジカルガイプ 一過性の妖精の大群(コワール語)
ツウォホ 寝る前におやつを食べる(ツィムシアン語)
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英語も全く話せない私ですが、見知らぬ世界の見知らぬ人たちへ思いを馳せてしまう、そんな1冊でした。
言語の特徴とか地域の説明とかが全然頭に入ってこなかったけど、手元に置いて頻繁にめくるのが一番だなと思います。
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京都のコーヒー屋miepumpさんが、今度鳥取に、しかもうちのご近所北栄町にカフェを開かれる。その奥様西淑さんのイラストの本。西淑さんの絵は、無機質とあたたかみのバランスがちょうどいい。色も、子どもっぽすぎなくて、無駄にあたたかすぎもしなくて、じっと見てしまう。部屋に西淑さんの鳥取の版画も飾っている。早くお店開かないかな。
気に入ったことばは、BOTHANTAIOCHT(ボハーントィーアハト)アイルランド語。
気張らしや噂話のために家を訪ねること。
今度ボハーンしに行こ。ふらっとね。
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ことばはいきもの。絶滅しそうなことばを拾いあげて、なんでもいいから(というわけではないけど)そのことばで名付けてみたい。そうすることでそのことばが生き続けることができそうで。
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たとえば、遠くない未来に日本語がこの本に載るとして、もっとも日本語らしい言葉って何だろうね
ちょっと前にみたTweetが気になって購入
ウェールズ語のヒライスという言葉についてだった
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話し手が少ない言語で、今はなかなか使われなくなった表現方法を絵とともに紹介。
ぱらぱらと気楽に読めて、ちょっと切ない気持ちになった。
少しずつ言葉が淘汰されてしまうのって、やっぱりなんだか、寂しい。