紙の本
さあ、いよいよ動き出すぞ
2020/11/09 06:11
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで貯めに貯めた水が堰を切ったように一気に濁流となって流れ出す怒涛の第十巻。北においては金国と梁山泊軍がぶつかり、史進の騎馬隊が縦横無尽に駆け回る。長江河口では南宋水軍率いる韓世忠と梁山泊水軍が大激戦を繰り広げる。さらに南方では南宋軍と岳飛、秦容連合軍との初の山岳戦。久々の岳飛の戦いぶりに胸が打ち震える。その背後では米の流通をめぐる経済戦争も進行し、秦檜の深謀が冴え渡る。犠牲となった蔡豹と陳麗華の悲しくも清々しい生き様に涙を流しつつも、なぜだか言い知れぬ充実感を覚える。
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何だか泣けてきます…
2017/11/29 14:46
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投稿者:笑う門ふう - この投稿者のレビュー一覧を見る
通勤途中に読んでいて、途中何度も危ない目に…
9巻からもう泣けるか所が随所にあり、ここまで読んできて本当に良かったと。
ネタバレになるのでどこで泣けるかは書きませんが、水滸伝から是非!読んで頂きたいです。
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梁山泊が目指すもの
2020/09/17 21:40
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
梁山泊水軍と南宋水軍の戦いは韓世忠の性格を読みきった梁山泊側に軍配が上がり、造船所も燃やされた南宋はさらなる痛手を被った。
そこからは軍同士ではなく、米などの物流をめぐる戦いになっていった。
そのなかで、南宋の米の買い占めを行っていた蔡豹は、過去との清算をつけて、陳麗華と想いを通わせたところであったが、南宋の襲撃を受けてしまう。護るべきものを持ち、護りながら死んでいくこと、生を全うしたといえるのかもしれないが、ただただ残念であった。
金国に拠らず梁山泊と組むことにしたしょうけん材に対して、宣凱と王貴が語った梁山泊の目指すもの-国に縛られずただ民のために、静穏でわずかに豊かである生活を送らせるために物流で支えること-が今までで一番納得が行くものであった。
南方でも戦が始まりつつあるなかで、あらゆる民に平穏をもたらしたいという梁山泊の想いがどうなっていくのか、益々目が離せない。
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岳飛伝 10 天雷の章
2018/05/03 14:59
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
金国ダランが病死、金国の滅亡の始まりでしょうか。山岳兵がでてきました。どう組み入れれるのでしょうか。呼延梁とウジュンの闘いはまた決着つかないのでしょうね。南宋の辛晃が対岳飛の相手です。役者不足ですが、圧倒的な兵力でどう展開されるか興味あります。
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まあ、着々と、南で秦容が軍を整えて、南宋の軍を迎え撃つ。そこに岳飛も参加。淡々と金国内、南宋内、梁山泊の中とが描かれ少しずつ動きを見せるが、全体はまだ。と言うところか。まあ、惰性かな。
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彼の最期、ヨウシの最期と重なりました。もちろんそれは褒め言葉なんだけど、穿った見方をすると、既視感を喚起するせいで、場面の盛り上がりが半減されてしまう気も。人物が小粒になっているだけじゃなく、どうしてもパターンが重なってしまうというのも、シリーズを重ねる毎、不利になっちゃう理由ですね、きっと。それにしても、この巻でもまた生き延びましたね、カンセイチュウ。死にかけはしたけど。八巻の解説で死ぬことをバラされて以降、どこまで頑張るんだろう?そして自分は、この恨み節をいつまで引っ張ろう?(苦笑)その彼に限らず、なかなか死ななくなりましたね、皆。コウジュウともう一人も生き抜けたし、岳飛に切られた南宋の将軍も復活したし。いわゆる”人物”が減ったきた分、下手に減らせないってのもあるのでしょうか。と難癖つけながら、それでも尚、大好きなシリーズなんですが。
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「民の営みのかたちが、なかなかできないのだな、宣凱。政事が、物流を物流として受け入れない。物流が政事を乱すより、飢えの方が政事にとってはよほど深刻だ。わかっていても、別の思惑が入ってきてしまうのが、政事というものなのか」
「私は、いずれ物流が、民の営みを作っていくことを、信じ続ける。国の関わることの無い物流だ」
道は遠い。しかし、いつも、どんな時でも、道は遠かった。近い道など、ほんとうは道ではないのかもしれない。(324p)
王貴と宣凱の語らいは、この水滸伝シリーズの河の行き着く先を見せたのかもしれない。それは現代の、世界に動くモノとカネの流れを見据えたものかもしれない。しかし、私は納得できない。そういう、未来を予測するような落とし所を選ぶ前に、無数の漢たちの「死」の意味はなんだったのか。そこにハッキリと意味のあるものを作って欲しい。梁山泊メンバー以外の蕭炫材に物流を担わせるのを認めるのは、そのことをハッキリさせないまでは、納得できない。
蔡豹が死んだ。壮絶な最期だった。私にとって、唯一の慰めは、彼に守るべき女性ができたことでも、王清の笛の音でもなく、彼の呪縛だった母親の見当違いの怨みを正しく解釈できた後に亡くなったことだ。蔡福と天国で出会って欲しい。
梁山泊は、金国にも南宋にも勝った。未だ、負け知らずだ。強い。強いのに、滅びゆく運命しか、感じない。今回もあっという間に読んでしまった。次巻が待たれる。
2017年8月読了
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長江での梁山泊と南宋の争い
南での岳家軍、梁山泊と南宋の戦い
物産と物流を目的とした争いがつづく。
その中で、蕭炫材が梁山泊の物流の一部を受け取る。
梁山泊の物流が、国家を離れた国際組織(現代風に言えばNPO?)が整備する物流に展開する兆しなのかもしれない。
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張朔は南宋水軍と激突し大勝、韓世忠を総帥の座から引きずり下ろし、岳飛は秦容とともに辛晃を破る中、陳家村で蔡豹が襲われ、陳麗華とともに死にます。
大戦への序章ですが、敗れた側が首の皮一枚つながっているところに暗い影を覚えます。
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長江での梁山泊・南宋両水軍の激突。狄成、項充による決死の造船所襲撃。南では南征軍を岳飛、秦容が迎え撃つ。どちらも快勝だが大将の韓世忠、辛晃が生き延びたことが今後どう影響していくか。
そして蔡豹の凄絶な最期。かつての楊志と重なる。読んでいて辛かったが愛する女性に巡り会えたこと、長年彼を苦しめた呪縛から解き放たれたことがどこか救いのように思える。
子午山でともに過ごした王清の鎮魂の笛の音がなんとも切ない。
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北では呼延凌とウジュが対峙し、史進がウジュの首を狙う。
そして南では南宋と岳飛・秦容連合軍が対峙し、岳飛が辛晃の首を狙う。
いつの間にか、敵の首をとってさっさと戦を終わらせることが目的になっていて、ちょっと驚く。
”民の営み。地図に描かれた広大な地域にいる、すべての民の営み。それが、利害もなにもない、もともとあった梁山泊の志に繋がる言葉ではないのか。”
宣凱と王貴の考える梁山泊の在り方。
土地ではない、政ではない、ましてや王家の血筋ではない国の本質。
それが民の営みだと言われればそうなのかもしれないけれど、あまりにも物流や交易に傾きすぎていて、経済さえ守られていたら民は幸せだというのだろうかと考えてしまう。
今まで一度も好きだと思ったことのない蔡豹(さいひょう)の来し方をしみじみ思う。
親の愛って重すぎると呪いになる。
呪いが解けたから愛情を持てたのか、愛を感じたから呪いが解けたのか。
彼の人生の収支はプラスになったのだろうか。
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海戦がとりあえずは終結。
梁山泊・南宋ともに大きな打撃だったが南宋海軍総帥「韓世忠」はその座を追われることに。
秦容・岳飛の方でも戦いが始まりいよいよ話は中盤から後半に向けてといったが感じなのであろう。
闇の世界・流通の世界も戦いが広がる一方である。
さて、話はどうすすんでいくのだろう??
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南宋水軍と梁山泊水軍の戦は梁山泊が勝利した。
金と梁山泊の戦は金が内政に乱ができたため引き分けになった。
南方でも南宋軍が敗走した。
本巻で一番ドラマチックだったのは蔡豹の散り方だった。幼少期は毒母に育てられ不遇だった蔡豹が恋人ができ今から幸せになるという所で秦檜の指示で村ごと葬られた。
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3.9
梁山泊の目的や意志がどんどん明確になってきて、終盤に近づいていることを感じる。
ただ最終的にどういう形で収まるのか全く分からん。
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先人達の思いを受け継ぐ、次世代のメンバーが、改めてその志に向きあい、今の状況に合わせ考え抜く。
ついに、その言語化の一端が見えて来た!