本を読むのも大変だ
2017/11/21 15:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の著者橋本大三郎さんは気鋭の社会学者で、さすがに「本の読み方」を書いても結構難しい。
文章はそうでもない。わかりやすく書かれているし、読みやすい。けれど、その内容は一筋縄ではいかない。
まあそのあたりは飛ばしながらでもしっかり読むこと。
何故なら、「正しい本の読み方」は「人間と付き合っていくように、本と付き合う」ことで、小難しいことを話す人があっても付き合っているうちにとてもイイ奴だと思うことがよくある。
この本はそんな本だと思えばいい。
そもそも何故橋本さんが「読書論」のような本を書くことになったか。
そのあたりのことは「はじめに」で丁寧に書かれているが、要は世の中に流通しているたくさんの本から何をどう読んだらいいのか、それが現代ではわからなくなっているのではないか。
あるいはどうして本を読まなければならないか、それすらわからなくなっているのではないか。
橋本さんは本を読むのは「頭の栄養」を摂ることと書いている。
この本を読み進めていくなかで、ちょっとしんどいと感じても最後まで読むのは「頭の栄養」とも関係する。
読み終わったあと、頭が少し疲れたと感じたとすれば、それは頭を使ったということ、栄養を摂ったということ。
中盤あたりに「特別付録」として「必ず読むべき「大著者一〇〇人」リストがついている。
これを見ていると、自分がまだまだいい読書が出来ていないとも思わないでもないが、これも橋爪さんならではのひとひねりかもしれないと、横目で読むことにした。
現代で本を読むということ
2017/12/09 16:17
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空瓶 - この投稿者のレビュー一覧を見る
橋爪さんの他の本を高校生の頃読んだことがあり、頭の中にすっきりとロジックを描いてくれる語り口に感銘を受けた。だから、読書術や学習法を語る本は数あれど、橋爪さんが書かれたものだからきっと自分にも得るものがあるだろうと思い、この本の購入を決めた。
実際に読んでみて、この本を手に取ってよかったと思った。
この本のなかで橋爪さんが論じるお話の全てを手放しで絶賛できるわけではないし、そもそも殊更に読み手に何かを強要するようなメッセージがあるわけではないが、本を読むこと以外で情報を得る手段が多くある現代で、なぜ「本を読む」のかという問いに対するヒントが散りばめられている一冊だと思う。
中学生の意識改革に
2019/07/27 16:59
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投稿者:にま玉子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強しない中学生に読ませてみたところ、意識が変わったようですよ。
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投稿者:犬丸52 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「本」に立脚した人生組み立て論というところか。これを読み解く時間はなかなかに楽しかった。ただ,既に「本」の時代が大きく変わろうとしていることも事実であり,そういう視点に立てば「本」の断末魔と読めなくもない一冊。
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投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、いわゆるハウツー本ではない。
本を読むとはどういうことなのか、という本と思想の話だ。
ハウツー本を読みつくして物足りない人に。
読書の秋にむけたセールス商品?
2017/09/23 16:28
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投稿者:クソ野郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
買って損した。時間も損した。
肝心な本の読み方が全く伝わってこなかった。
付録のブックガイドもありきたりで、つまらない。
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<目次>
はじめに
【基礎編】
第1章 なぜ本を読むのか
第2章 どんな本を選べばよいのか
第3章 どのように本を読めばよいのか
【応用編】
第4章 本から何を学べばよいのか
《特別付録》必ず読むべき「大著者100人」リスト
第5章 どのように覚えればよいのか
第6章 本はなんの役に立つのか
【実践編】
第7章 どのようにものごとを考えればよいのか
終章 情報が溢れる現代で、まなぶとはどういうことか
おわりに
<内容>
帯にもあるように、「読書」だけではなく、「勉強」のしかたや「学ぶ」意味についても語られる好著だと思う。
読書に関していうと、今までこうした本で語られなかった「著者のその本を書く背景」をわかりやすく書いてあること。著者がそれを本の中で語ることは稀なので、それに気づくことは難しく、そのためには多くの本を読み、人生の経験が必要。また、難解な哲学の背景についてかみ砕いた説明がなされ、私のような浅学なものにも理解がしやすかった。
この本は高校生に読んでほしいが、私の周りの生徒は理解できない感じがするので、大学1年生くらいが入門書として読み、しっかりと勉学をしてほしい。
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しかし、橋爪先生も(齋藤先生も)同時にいったい何冊の本を手掛けているのだろう。あまりにも量産されると、すべてをフォローしきれない。で、本書は新聞広告より先に書店で見つけて、広告で見ていた丸山真男も興味はあったけど、そちらは探さずに、こちらを購入。読みかけの他の本を差し置いて、3日目読了。書名は「正しい学び方」のほうが近いかも知れない。はじめにから引用。「・・・学問や教養を身につけたり、知に触れたりすること自体が、楽しくなってくる。楽しくて、仕方なくなる。知の楽しみに目覚めると、それ自体が、目的になります。」これ、私が昨年度はじめに書いたエッセイ「何のために学ぶのか」と全く同じ内容だ。しかし、著者はこの先を行く。「知のプロの人は、楽しくなくても、苦しくてもやる。・・・苦しみながら、みんなのために、そういう知的生産をしています。」私も、ちょっとだけ、この域に足を突っ込んでいる自覚がある。毎月の校通信連載。結構しんどいのです・・・。さて、大著者100人読みたいですね。どこまで行けるかなあ。現在までに読んでいるもの。「聖書」(もちろんすべてではないが)「源氏物語」「カラマーゾフの兄弟」「狭き門」「こころ」「変身」「審判」「華麗なるギャツビー」「ライ麦畑でつかまえて」(この2冊は村上春樹訳で)「老人と海」「論理哲学論考」(最初の数ページ、これは読んだとは言えないか)
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著者としての本に対する付き合い方というものについて書かれています。本との付き合い方は、もっと私的なもので良いということなのかもしれません。本書を読んでそれを感じました。読んで勉強することや覚えることよりも、どう考えるかが大事。そんな当たり前のことを忘れて今まで読んでいたのだと反省させられました。
本を書くということはどういうことで、それに対してどういう読み方をするのか。考え方を持つべきなのか。古典を読む重要性と、そのための方法。いきなりは古典は読めないからどうするのか。そのために本を読む。あんまり本を読んでいない人も、結構乱読じてきた人にもオススメな内容が入っています。
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無意識に興味本位での読書も多いですが、著者が影響を受けたであろう大著作を押さえておくことの大切さがわかりやすく書いてあり勉強になりました。読書好きの方にはわかっておられる方多いかもしませんが、「必ず読むべきリスト」は要確認。「本は、情報に還元できない生命を持っています。なぜならそれは生身の人間が、かたちを変えたものだから。」 「本を読むとは、社会のさまざまな不都合を、医師のように診断し、処方箋を書く力をつけることです。」「論争は、前提を見つけたもの勝ち、みたいなところがあるのです。」 今後も良い本を読み続けたいですね。
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本の読み方なんて人によって違う。ただ、正しい読み方となると限られてくるだろう。ぼくは正しい読み方をしているだろうか?
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本の読み方に関する単なるハウツー本ではない一方、本の読み方についての具体的な示唆が不明確になっている印象。
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本を読むとはどういうことなのか、読むことによって何が得られるのかといった読書に関する筆者の考えが軽妙な筆致で書かれています。本とは突然現れるものではなく過去の本に対するフィードバックとして書かれていること。それによって本を介した知のネットワークが築かれていること。面白いと思ったことは自然に頭に定着するから本の内容は故意に覚えようとしなくてよいこと、など。読みやすかったです。
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さあ、本を読もう。
本を好きな人、そして本を大事に思っている人が語る、「正しい本の読み方」である。だから、この人のことばは、本を読まない人には届かない。読む人に届く。
読み手の中の一握りが、書き手となる。書き手の背後には、たくさんのそれまでの書き手がいる。連綿と続く本の系譜。わかると、思う。たくさん読むことでつながりがわかる。本を読むことで、頭の中に著者を、もしくは主人公を住まわせる。その頭の中の住人は、新しい誰かと出会ったとき、理解したり考えたりする助けとなる。メッセージを受け取り、私の人生の指針とする。だから、本を読む。
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読書をこれから始める人には発見があるかもしれないが、内容はよくある話ばかり。真面目な人だとは思うが、面白い興味のひく文章はかけないようだ。