- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
利己的な遺伝子 40周年記念版 みんなのレビュー
- リチャード・ドーキンス (著), 日高 敏隆 (ほか訳)
- 税込価格:2,970円(27pt)
- 出版社:紀伊國屋書店
- 発売日:2018/02/15
- 発送可能日:購入できません
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
「遺伝子」と「個体」の役割の相違を利己的に主張する本
2021/01/28 11:51
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では原書を更に補訂した新版らしく、従来表記の「優性・劣性」が、学会基準の「顕性・潜性」表記に改められている。また、原書の意義を端的に示す三名の評者による書評の抜粋や詳細な補注が有益で、栞の紐が二本あるのも便利だ。
著者と同国の先輩生物学者J.メイナード=スミスの書評にあるとおり、1960年代から70年代にかけての生物進化論(「群(集団)淘汰」説や「血縁淘汰」説、「個体淘汰」説などの論争)の理解があってこそ、著者が問題提起する「遺伝子淘汰」説の真偽が吟味できる。
言葉の定義も重要である。生存競争に勝った「遺伝子」(自己複製子)が「自分が住む生存機械」(DNA分子)や「遺伝子を含む乗り物(ヴィークル)」(担体=生物個体)を形成するので、「何代も続く可能性のある染色体の小片」である遺伝子は、利己主義(自然淘汰)の基本単位なのだと著者は定義する。
「すべての生物は、自己複製する実体の生存率の差に基づいて進化する」際に「進化的に安定した戦略」(ESS)に従うが、人間の文化という発展進化過程のプールに登場する「模倣」単位(情報)の新たな自己複製子を著者は「ミーム」(模倣子)と名付けている。
「自然淘汰は自らの増殖を確実にするように世界を操作する遺伝子を選ぶ」から、体内での遺伝子の有無に拘わらず、「行動の『ための』遺伝子の存在を最大にする傾向」を帯びると著者は指摘する。
そして、「自己複製子」と「乗り物(ヴィークル)」の用語の峻別が説かれる。自己複製子たる遺伝子(DNA分子)は「巨大な共同の生存機械」たる乗り物(ヴィークル)(生物個体)の中に寄り集まり、異なった相補的なキャスト(役割)を担うという主張だ。
「個体淘汰」と「群淘汰」の論争は、単に異なる乗り物(ヴィークル)間の論争に過ぎず、「遺伝子淘汰」と「個体淘汰」との論争は実は論争でなく、自己複製子と乗り物(ヴィークル)という役割の違いだとする著者の主張に、頷けるものを感じた。
紙の本
充分刺激的でとても面白い本だった
2022/11/15 22:49
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
「利己的な遺伝子 40周年記念版」に新しく付け加えられたのは「40周年記念版へのあとがき」のみだ。他にどんな変更も加えられていないという。それだけこの著作が長く有効であるかということだと思う。これは専門知識を有しない一般読者に向けて著されたものらしい。とは言っても、100パーセント理解できたとはとても言えない。それでも充分に刺激的で面白かった。遺伝子や生物の進化について、とても大きな知見が得られたと思う。
紙の本
世の中の見方が一変
2020/09/22 17:45
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
遺伝子がどのように伝えられてきたかを明快に示してくれています。本当に、ワクワクする内容です。読み進めていくに従って、希望が膨らんできました。特に、後半に出てくるミームという考え方を知り、本当によかったです。