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投稿者:たかし - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙が好きで買いました。インパクトが大事です。シェイクスピアの本は、訳者によって雰囲気が違います。新しい視点も不思議で、とても楽しかったです。
紙の本
オモロい対談
2021/02/11 11:14
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投稿者:こっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェイクスピアを心理学的にだけでなく演劇の立ち位置からも考察した対談集です。心理学の始祖のフロイトよりも前の人物であるシェイクスピアが心理学に精通しているところや、現代に生きる篠原涼子らの演劇でのエピソードなど、人間というものに興味を抱かせる力を、この対談は持っています。専門的な話もありますが、平易な表現で解りやすく、また何よりおふたりの話が面白いと思いました。
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松岡さんのあとがきでは、とにかく河合先生を持ち上げて、目からうろこの連続とおっしゃっているのだが、なかなかその魅力が読み取れない。そもそも、シェイクスピアは「ロミオとジュリエット」を中学2年のときに読んだ経験があるだけだ。文化祭でジュリエット役を演じた。初めての女役であった。その後、癖になって3度ほど女装している。「リア王」「ハムレット」くらいは何となくあらすじを知っているようにも思うが、それ以外はさっぱり。そんな中で、作品の中の興味深い話をされてもなかなか響かない。ただ、シェイクスピアは現代にも通じる、おもしろそうであるということは分かった。量的にも今からでも全作品読めそうだ。他にも読みたい古典は山ほどあるが、「リチャード三世」とかなんかちょっとどす黒い感じのものからでも読んでみようかしら。
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著名心理学者と翻訳家の対談でシェイクスピアの名作の数々の登場人物の心を読み解いていく!「ロミオとジュリエット」のジュリエットが14歳、ハムレットが30歳とあるのが、珍しい年齢の表記だそうで、両作品とも元作の年齢をシェイクスピアが変更していることにどんな意味があるのか。心理学的な観点から読み解いていく中で、シェイクスピアは凄い!ということを痛感させる2人の観察力に驚き。「ロミオとジュリエット」「ハムレット」の他、「真夏の夜の夢」「十二夜」「リチャード3世」。そして書名に「決定版」がつくのは、「リア王」「マクベス」「ウィンザーの陽気な女房たち」「お気に召すまま」に加え、最期に「タイタス・アンドロニカス」が追加になったからだという。シェイクスピアの作品をほとんど読んだことがない私でも、諸作品の登場人物の心理に非常に興味を持つことができる楽しい読み物になった。三つ子だっというエリザベス・キュープラ―・ロスの「私は何なの?」を感じた瞬間の話は実に面白い。日本の歌には「太陽」は全く出てこないが、西洋では多く歌われている!実に興味深い話を河合氏が紹介している。
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河合隼雄さんと、松岡和子さんのシェイクスピアの戯曲を読み、その作品の解釈や、合わせ持つ意味などの解説などがあり、たいへん勉強になるお話でした。シェイクスピアに、興味のある方へ、オススメしたい一冊です。
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ユング心理学をベースとした心理療法家の河合隼雄先生と、シェークスピアの翻訳第一人者の松岡和子さんの対談本。
対談で取り上げられたシェークスピアの作品は、『ロミオとジュリエット』『間違いの喜劇』『夏の夜の夢』『十二夜』『ハムレット』『リチャード三世』。この6作品での対談が、当初新潮社から出版されたそうで、ここでお二方は意気投合されたようだ。その事は、対談を読んでいても読者に伝わってくる。
その後、更に『マクベス』『ウィンザーの陽気な女房たち』『お気に召すまま』『リア王』で、対談が繰り広げられ、電子書籍で私が読んだものでは、その内容も収められていた。
さらには、河合先生が亡くなる前に編まれた最後で、松岡さんが絶賛される『タイタス・アンドロニカス』についての対談も収められている。
シェークスピアの作品は、37あるそうなので、そのほぼ1/3について語りあわれたと言うことだ。
自分はいま、最初の6作品までの対談を読み終えたところだ。そのうち『夏の夜の夢』と『ハムレット』はにわか勉強で読んでから、この対談を読んでみた。
松岡和子さんのシェークスピアに関する豊富な知識と情報提供があり、そこにユング心理学に基づく、登場人物に対する河合先生の分析が絡む。その分析から、更に松岡さんの閃きや新発見が加わるといった具合だ。
登場人物の行動の分析から、そのようなストーリーを考えたシェークスピアの分析につながったりする。また、松岡さんの、劇を演じる役者のセリフからも新しい発見があるなどの話も非常に興味深く読んだ。
『リチャード三世』はまだ原作を読んでいないが、お二方の対談を読んでいるだけで、逆に原作を読んでみたい気持ちになった。松岡さんが絶賛された『タイタス・アンドロニカス』については、なおさら興味がそそられている。
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シェイクスピア翻訳者と松岡和子と心理学者の河合隼雄がシェイクスピア作品をネタに語る対談。主に松岡が物語上の問題的をし、河合がそこに心理学者としての分析を加えるという形。人物の心理や行動の分析が「腑に落ち過ぎて」逆にこじつけっぽく感じられる部分もあるが、大部分はなるほどと納得のいくもの。中でも『リチャード三世』の「善人は反省しない」という指摘や、『タイタス・アンドロニカス』の「命令形と疑問形」問題は、特に刺激的で面白かった。最近ずつと読んでいなかった河合隼雄の本また読みたくなった。
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シェイクスピアこそ、名のみ知っていて、作品を一つも読んでいない代表である。
小学館の学習雑誌に「リア王」の子供向け抄訳が載っていたのと、高校の英語の宿題で、「ベニスの商人」を少し訳したくらい。
「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」も名前しか知らない。
しかし、この本を読むと、読みたくなってしまう。
いずれはシェイクスピアも読もう。
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シェイクスピア作品について、心理学者の河合隼雄さんと翻訳者の松岡和子さんの対談。心理学はよく分からないので「そんなもんかな~?」という感じだったけど、松岡さんの翻訳の裏話とか、舞台の話なんかは面白かった。舞台でシェイクスピア劇を見てみたくなった。
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シェイクスピア読んだことないのに結構面白く読めたのは、シェイクスピアの凄さと対談してる二人の魅力かなあ!
留学中に、エリートカナダ人とアメリカ人の会話にポロっとシェイクスピアが出でいたのを思い出す。欧米じゃ教養の印なの、と言っていた。順番逆かもしれないけど、これを機に私も読みたい。
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2人の対談であるがシェークスピアは、今で言うエンターティメントであったと再認識。エロスあり、暴力あり、喜劇あり。
単純なプロットゆえに、いくつかの操作で普遍的な物語になったのだろう。
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河合隼雄さんに松岡和子さんの対談ときたら、面白くないはずがありません‼️
冒頭から、伝承では16歳だったジュリエットの年齢を14歳に設定し、僅か一週間のドラマとして完結させたシェイクスピアの天才を語るお二人。その「天才」を河合さんの先導によって読み解いてゆく愉悦。
古書店の100円均一で見つけた一冊。
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本屋でたまたま目についた。常々シェイクスピアをコンプリートしたいと思いつつ、いつも他の本の誘惑に負け、シェイクスピアが後回しになってしまうことを気にしていたからか。
シェイクスピアの戯曲のうちの11作について、翻訳者の松岡和子氏が原書での言い回し等を例に出しながら様々な質問を投げかけ、それに対し河合隼雄氏が登場人物の心情等を心理学的に説明する等々…とてもバラエティにとんだ対談集。
まず、各戯曲がうろ覚えの私は、河合祥一郎氏「あらすじで読むシェイクスピア全作品」で各戯曲の流れや登場人物を再度頭にいれてから、各章に突入。シェイクスピアの裏話ではないが「そういった見方もあるのね‼︎」というような興味深い話ばかりで、俄然、シェイクスピアの戯曲をしっかりと読みたいという気持ちが湧いてきた。本当に面白かった‼︎
この本に出会えたことに感謝‼︎
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河合さんの最初の著作の「ユング心理学入門」からすでに、シェークスピアは引用されている。
しかし、私はシェークスピアの本を一冊も読んでいない、映画も。
それでとりあえず、この本を読めばなんとなく全体像がつかめるのでは?、という感じでこの本を読みました。
★「ユング心理学入門」文庫本P174
ショーぺンハウアーは、「夢においては、だれもが自分自身のシェークスピアである」と言った (「無意識の構造」p58にも同様の引用あり)
★老いの様式p48「生きとし生くるものは、死なねばならぬ。しかし、その死は自然から永遠への通路に過ぎぬ」(ハムレット)
★とりかえばやp108 十二夜の「ヴァイオラとルッィドール」関係図(この本のと同じ)
★仏教が好き p211「マクベス」のなかのマクベス夫人の言葉に「望みは遂げても、満足がない」いうのがあります。それがいまの日本の状況です。みんな金があって、家買ったり、何かしとるのに、だ-れも満足していない。仏教の安心というのとは、対極みたいなものでしょう。」
★私が語り伝えたかったことp245 「ペリクルーズ」という劇の講評(これは河合隼雄 追悼本P223河出書房にもある)
★ナバホの旅 p115 ★影の現象学 p54 にも引用あり
ハムレットの映画をAmazonprimeでみました、ミレーのオフィーリアのあの絵はこの場面の描写だったんだ!!とわかりました。もうひとつ、気づいたのは、最後のレアティーズとの決闘で、どんどん怪我したり死んだりしていくのに、だれも取り巻きが救護しない、といのが奇妙?
シェークスピア劇にはグロいものは観客には見せない法則があるのかな?剣で刺されたら死ぬことになっている?子供のチャンバラ遊びのような法則。
この本は、松岡和子さんをヨイショする本なのでは?河合さんは幇助犯みたいな感じ。読み進めると松岡さんのシェークスピアの大家(オーソリティ・権威)という姿をつくりあげようとしている感が・・
シェークスピアを知ることがそんなにすごい、人に自慢できることなのか?私には(私には縁のない)金持たちで楽しむ舞踏会のように思える、観劇もしかり。
そのころの「彩の国さいたま芸術劇場」という建造物自体がお金持ちの為にある建造物に見える、東京には同様な建物がいっぱいあるのに・・なにも埼玉につくらんでも・・
なぜ?夏目漱石と同じようにシェークスピアはもてはやされるのか、同様の並ぶ戯曲家はいなかったのか?
「ウィリアムシェイクスピアを嫌った5人の作家」というサイトがあった。ロード・オブ・ザ・リングの作者はシェイクスピアがきらいだったなど、『なるほどなるほど』である。
河合さんは、ほんとはシェークスピアの戯曲は好きじゃなかったじゃないかな?中学時代に読まされて、良い印象を持たなかったという行もあったし。晩年になって河合さん自身が文化人たちと同列になってきて、もう少し上にという時に、文化人たちがシェークスピアの話で盛り上がっているのを小耳にはさんで、しかたなしに(たぶん1週間ぐらいで全部)読んで「すごくいい」なんて、忖度的な評価をしたのでは?河合さんは結構みえっぱりだからな〜
歳をとり有名になると皆さん見栄っ張りになる。大臣になんかならなければ良かったのに・・河合さんであってもおだてられて「魔が差す」ことはあるのだ、自分も肝に銘じたい。
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数年前、大学の授業で「ハムレットの幻覚」という論文から示される「実はハムレットが先王殺害犯」説に衝撃を受け、それ以来、シェイクスピアを心理学的に読んでみたかった。
本書は、日本における臨床心理学、ユング心理学の大家である河合隼雄先生と翻訳家の松岡和子さんの対談形式の作品批評。「~幻覚」ほど斬新で鋭い見方はなく、日本的にほんわかムードで語られていくが、ロミオとジュリエットが青少年の発達心理学的見地、マクベスが臨床心理学的見地、そしてリチャードⅢ世がなんとアドラー理論に合致と教示され、改めてシェイクスピアの才能に驚かされた。これらの根拠は、舞台構成や台詞の中に密かに散りばめられており、素人がボーッと( ゜o゜)見ていても分かりゃしない。
シェイクスピア劇を観たいと思う方にとっては、親しみやすい教則本となるだろう。ただ対話形式なので広がりはあるが、掘り下げが浅いのが残念。
(やはり私は、「~幻覚」のような晴天の霹靂的批評を欲します。)