紙の本
やりきれない思いが残る
2019/08/19 15:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫本の表紙や、あらすじを読んで、既に不穏なドキドキを感じていた。
晄の幼児の頃の悲惨な経験、それに基づく少年時代と、入念な復讐計画。痛々しく、同情しそうになったところで、予想外のラスト。救いようがなく、つらくなってしまう。
「我が心の底の光」の意味も予想外で、晄の深い孤独を感じた。どこかに一筋の光があれば、晄も少しは救われたのだろうか。
紙の本
復讐劇だが。
2018/09/24 10:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
復讐劇と分かるまではなかなか長かったが、途中の壮絶な幼少期は読んでいて辛かった。
復讐のきっかけになった相手も、想像してたものと違い、良い意味で裏切られた感じです。
いずれにしても、復讐は絶対にダメだが、その当事者になれば、当然にその気持ちも十分に理解できる。
投稿元:
レビューを見る
幼いころから孤独だった晄の復讐の物語。最後、復讐の理由を明かされたとき、悪い意味で衝撃だった。子どもの頃の悪い記憶が晄をこんな風にしてしまうのか。。
颯太との出会いは人を信じるきっかけにはならなかったのか。。
投稿元:
レビューを見る
読み始めたらなかなか止まらずにほぼ一気読み。
これは面白かった。人物造形も良いのだが、ラストに向かって一気に加速する終盤の展開が楽しかった。
投稿元:
レビューを見る
十四歳から二十九歳までの晄の行動。十四歳までの出来事。最後まで心にあったのは、本当にささやかな小さな光。
そんなに小さなものでも生きるよすがになるのか……。
そんなささやかなものしか手元になかったのか……。
もっと……別の生き方が………
投稿元:
レビューを見る
旅の時間つぶしにと本屋で購入。淡々と現代の犯罪を描いている点では平成史を語る作品として読める。解説を読んでなるほどと思わないでもないが、動機がこれでいいのか。どこに光があったのかと思わざるを得ない。
投稿元:
レビューを見る
”胸の奥を打ち抜く驚愕のラスト!!”なんていう、
この帯を見たら、読みたくなっちゃいますよね~。
晄は、5歳の時に母の兄である伯父夫婦に引き取られた。
晄の父は殺人犯で、母も死んだ。
中華店を経営する伯父夫婦は晄に対してとても辛く当たった。
遊ぶ暇もなく、店でこき使われ、学校では陰湿ないじめに遭い
次第に心を閉ざしていく晄。
そして、社会に出た晄は、孤独の中で生きていた。
ある計画を実行するために・・・
確かに、えっ?!という感じで、思い描いていたラストではなかった。
晄にとっての、心の底の光が、切なくもあり、また怖くもあり・・・
印象に残る一冊となった。
投稿元:
レビューを見る
母親のネグレクトにより餓死寸前で奇跡的な救出等、悲惨な幼少期を過ごした晄。ふさぎ込んだ性格によって友達が出来ない晄だが、そんな晄にも幼馴染の怜菜と慎司がいた。
常に晄の事を心配し思いを寄せる怜菜とその怜菜に恋心を抱き、晄の従弟でもある慎司。3人は全く違った性格で進路も別になるのだが、特に晄は特別な道を歩む事となる。晄の成長とその時々の生業が意味する事とは。。。最後にこんな展開になるとは。貫井さん、この終わり方、嫌いじゃありません!
投稿元:
レビューを見る
この著者の本は、八割くらい読んでも
「どういうテーマなのか分からない」ものが多い(^ ^;
本作も、かなり終盤になるまで「何の話か」分からず(^ ^;
ストーリーをざっくり書くと、
とある男の中学から大人になるまでの日常を、
淡々と語っていくスタイル。
が、元々が「人殺しの子」だそうで、
中学時代から普通の人は経験しない苦労を積む。
成長するに従い、何というか「悪者」になって行き(^ ^;
様々な悪事に手を染める。
が、「何の話か」が分からないので、
なぜ犯罪を重ねるのかが分からないまま読み進む(^ ^;
最後の最後に、種明かしというか、
「何の話か」が明かされるが...
その「解決の仕方」が...もの凄い裏切られた感(^ ^;
文庫版巻末の解説が秀逸(^ ^
なるほど、それを踏まえて再読すると、
違った印象を受けそうである(^ ^
投稿元:
レビューを見る
「底の光」の「底」が誰にも誰にも理解出来なければ覗く事も出来ない。決して、主人公以外には、感じることが出来ない心の底。淡々と飄々と生活をし、感情がない様に思うけど……きっと誰よりも感情が溢れてる人間に思えました。だからこそ、愛情に執着し、復讐を実行するんだと思う。感情がないロボットのように冷淡で……と後書きにあるけど、私には憎しみ・悲しみ・愛して欲しい……そんな主人公の感情が溢れてるように思えました。最後の「え?」ていう展開は貫井サンに又、やられました。復讐という光……なのかな。
投稿元:
レビューを見る
以前読んだ「愚行禄」が面白かったので注目している作家さん。
お終いまで読んで、「えっ?そこなの!」と驚愕。(他の方のレビューを読んでもそういう感想が多かった。)
しかし、自分がもし晄のような壮絶な生い立ちだったら、果たしてそのような感想を持てたか。
理解しがたくても晄にとっては、心の中にあるたった一つの光だったんだろう。
投稿元:
レビューを見る
幼くして人間の温もりを失った峰岸青年。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた彼の心の底に差す一筋の光とは何か。衝撃のラストが心を抉る長編小説。
驚愕の結末ではあるが、伏線の張りかたに工夫がないことと、主人公に感情移入ができなかったことで、読後はモヤモヤ感だけが残る。彼の人生に関わった多くの人々の報われなさが気になって仕方ない。
投稿元:
レビューを見る
暗い。光を感じるシーンなんてひとつもない。
ネグレクトを受けて餓死する寸前、父親が母親を殴殺する現場を見てしまった子どもの一生は、こんなふうになってもきっと不思議じゃない。彼の復讐相手がしたことを振り返ると、いくぶん逆恨みの要素も入っているように思えます。それでも誰かに復讐せずにはいられない。そこにしか生き甲斐を見いだせないから。
主人公の心の動きについてまったく書かれず淡々としているのに、心を揺さぶられます。貫井さんにはここ数年の何冊かでガッカリさせられましたが、久しぶりに読み応えがありました。映画化希望。
投稿元:
レビューを見る
なんと!!!
衝撃のラスト・・・
トラスケのくだりがとってもトラウマになる。読んだ後、夜眠れなかった・・・
人間のエゴであんな目に合うなんて。
言ってしまえば、主人公のエゴも入っている。
責任感もなく連れて行ったことであんな目に。
までも5歳だから、やっぱ周りの責任が大きいな。
小説でなければ続いていくはずの、様々な「これから」を思うと・・・
どうするのが正解とかわからないな。
トラスケのことが衝撃的すぎるし、忘れられない作品になりそう。
投稿元:
レビューを見る
この人の本は展開を読者に読ませない。で、読めたと思ったら読み違いというか、勝手に読み違っていた。読者の感情移入を裏切ってくれる。解説でも語られているように、灰色の虹を読んで本作を読むと、筆者の書き分けは多彩だと思う。