紙の本
信長の思考が良く分かった!
2018/11/09 13:50
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投稿者:ゴジラ世代 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前から、なぜ明智光秀が謀反を起こしたのが良く分からなかったが、信長の原理を読んで、すっきり分かった!信長を巡る武将たちの心理も見事に考察されている!
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大河ドラマは、明智光秀の物語だが、それまでに、この「信長の原理」と「光秀の定理」を読んで、両者からの目線で大河ドラマを楽しみたい。そして、長谷川博己さんの確かな演技力で、また新しい光秀が見られる事を楽しみにしている。
紙の本
信長の一生
2019/03/09 18:45
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誕生から本能寺の変まで、信長の一生をさまざまな人物の視点から描かれてる。
奇行とも見える行動も信長独自の考えや思想に則っての事だった。ただ、理解できる人が少なかっただけ。
本能寺で物語もパスっと終了。まるで信長の人生そのもの。
電子書籍
変は必然か
2019/02/02 21:26
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
信長が人間をひたすら篩にかけていく物語はどこか寒々しいものがあった。
脱落していった者を無駄を許さぬ信長が省みるはずもない。
もし本能寺の変がおきなかったらなら無用の者であると全てを切り捨てた末何が残ったか、薄ら寒いものがある。
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垣根さんの歴史もの、好きだー。
ってそんな本。
信長の行動原理を描いている一冊。
幼少期に愛情をかけてもらうのって、大事なんだろうな。
それから光秀は運なくて。秀吉は運が味方したんだね、って思った。
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光秀の定理が面白かったのでこっちも読みたいと思って購入しました。
すごく引き込まれて2日で読み終えてしまいました。もっと浸っていたかった。
働きアリ、何となく働くアリ、働かないアリの割合が2・6・2になることに気づいた信長が、人間も同じなのではないかと考える。
内容に関しては帯に書いてあることが全てだと思う。
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★2019年1月12日読了『信長の原理』垣根涼介著 評価B+
小説のテーマは、実は「なぜ明智光秀は本能寺の変を起こしたのか」である。
その事件までには、織田信長を中心に、その優秀な文官、武官の思いが交錯する。
この小説では、光秀の謀反は、子飼いの部下でも、有用で無くなれば命さえを奪ってしまう信長の冷酷さに恐れを抱いたからという説プラス将来の敵となる徳川家康を殺害せよという信長の汚い謀殺命令に自分の未来を見たからという新説が面白い。
信長の原理とは、人が生きていく上で、最もやりきれなく、そして始末に負えないことは、その生が、本来は無意味なものだということに、皆どこかで気づいていることだ。そして、信長が裏切られても何度も許した松永弾正は、この虚無感すなわち人も虫けらも同じという無常観を共有しており、損得を超えて、信長を助けた希有の男が松永弾正だったからである。
また、人は、蜂や蟻と同様によく働くもの1、普通が3、怠ける者1であるということに気がついた信長は、そのことに納得がいかず、少数精鋭に鍛える部下達が次第に輝きを失って常に2割の人間しか使えない点に激しいいらだちを覚えていた。
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「ワイルド・ソウル」が永遠の積読となっている著者。大部だけれど興味深く読んだ。 時代物というよりは人間の心理を描いており、手触りは現代物やミステリーのよう。色々な歴史上の人物の内面描写がひたすらに続くが、終盤の明智光秀の「追い詰められ感」見事。フィクションとしての本能寺に至る説得感のある世界観を示している。
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蟻を用いた試みにより、信長は「ある原理」を確信し、秘かに危惧する。やがて案の定、織田家を裏切る者が続出し始め…。信長の内面と「本能寺の変」の真実を抉り出す。
「光秀の定理」に次ぐ垣根涼介の歴史巨編。「うつけ者」と蔑まれた信長が、矛盾にあふれた人格にもかかわらず天下統一を成し遂げたのはなぜか。作者は信長が蟻の行列を見て、後世の経済学者が発見したある法則に気づいたからという仮説で解き明かす。見事な作り話ぶりに感服。何らかの賞の候補作になりそうな佳作だった。
(A)
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どんな信長像を描くのかと楽しみに読んだ。
結果から言うと、凄く良かった。たぶん何度も読む。
近年最高の読書体験であった。
蟻がどうとかの話はともかくとして、諸説有る本能寺の真相はあんな感じだったのではないかと素直に納得した。
自分の敵は自分、信長の猜疑心が自らの陥穽を創り出し、光秀もまた自縄自縛に陥って行く様が納得のいく終章に収斂していく。
前後するが、信康の死の真相、そこから導き出された教訓から佐久間や林の追放劇など、信長小説の中では出色のエピソードではないかと思った。
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信長の話を軸にした組織論というか、組織運営論のような話。
ブラック企業のワンマン社長が組織を巨大にし、幹部の謀反で退陣させられるといえば、現代にも通ずるものともいえる。
蟻の逸話が本当ならば、パレートの法則は信長の法則と改名せねばなるまい。
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今年、いやここ数年読んだ歴史小説の中でも1番のおもしろさ。
信長の生涯と本能寺の変に至るストーリー展開の着眼点が素晴らしい。
たぶん今まで信長を描いた小説の中で一番腹に落ちた作品だと思います。
いわゆる「働きアリの法則」を見事に小説の中味に入れ込み、
それを元に信長、秀吉、光秀らの頭の中を色分けした筋よみは見事です。
あの信長後期の重役家臣たちの大量追放のワケもこれならうなずけます。
おもしろ過ぎて読むのを止められなくなる小説、587ページ一気読み、映画化を激しく希望します!!
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モンティ・ホール問題を小説に落とし込んだ「光秀の定理」から続き、二作目。
今作では、組織は二割の働き者とその他の八割に分かれるというパレートの法則を用いた組織論が展開される。
「武士など代わりはいくらでもいる。が、金を生む才覚を持つ商人は、なかなか得難いものだ」
武士をサラリーマン、商人をイノベーターと読み替えもできる。
この小説は、歴史小説というよりも組織論を説いたビジネス書に近い。
織田信長の家臣団の取り扱い方が秀逸だ。
そして、柴田勝家、木下藤吉郎、丹羽長秀、そして明智光秀ら家臣らの自己分析を主観的な語りにおいて、彼らが組織においてどのような役割を果たすかを説明している。
織田信長の生涯は明智光秀の裏切りによって潰える。
本書では、明智光秀自身に「昨夜の時点で謀反など望んでいなかった。それなのに、なぜこうなる。どうして、こうなってしまった」とラスト10ページ前に心情を吐露させている。
人間の社会を取り巻く法則によって、何故そうなるかもわからず、結果そうなってしまうという不気味な運命の存在が、この小説を面白くしている。
織田信長は幼少のころから、この原理を実感として持っていた。
曰く、戦にて二割の者はよく働き、六割の者はその場の時勢に応じ、二割の者はやる気がない。
この、よく働く二割のみを集めたとしても、何故か2:6:2に分かれてしまうのだ。
どれだけ鍛錬しても、戦前に活を入れても、全員が本気を出すことがないことに、怒りを交えつつ不思議に思っていた。
実感は織田信長に現実を突きつける。
やはり、登用した家臣においても、五人いれば一人ずつの落後者や裏切り者が出てくる。
かつて切れ者だった佐久間信盛も林秀貞も頭の切れが落ち、家臣で取り立てた荒木村重に松永久秀にも裏切られた。
かつて切れ者だったものも、手塩にかけて育てたものも、2:6:2の原理に当てはまっていく。
なんだ、この、道理のわからぬ原理は。
日本の国を併呑していく信長は、この原理から気が付いたいた。
織田家臣団の柴田、羽柴、丹羽、明智、松平の五人のうち一人は、確実に裏切ることを。
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著者の作品は初読。神仏は存在しないが万物をコントロールする見えざる何かは存在する、それを原理と呼ぶならば、その原理をとことんまで追及したある意味ピュアな一生だった、という切り口で書かれた斬新な信長論。蟻の例は企業論としても言われていることで目新しくはないが、信長・光秀・秀吉、更に松永久秀を通して語られる対比も含めて非常に読みやすく、かつ面白いので長編にも関わらず一気読みできた。
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史実を新解釈で照らした歴史小説というよりも、現代の企業組織論や効率至上主義のテーマを戦国時代、安土桃山時代を舞台に、織田信長と主要家臣たちを役者として演じさせてみたというように見える。
垣根涼介の、この「定理」「原理」シリーズでは、人智を超えて世界を覆っている摂理を理解しようとあがきながら、それに絡め取られ、どうしようもない流れに飲み込まれる人間を描いている。