紙の本
謎が持つ魅力
2019/10/28 22:35
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投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
不可解な謎がどれほど人を引き付けるか。そのことを思い知らされた。
どのような仮説を立てようとも整合性がなく、真相は誰にも分からないまま時が過ぎた事件、それがディアトロフ峠事件だ。
私は本書をきっかけにディアトロフ峠事件を知った。
本書ではディアトロフ峠事件が起きるまでの過程や被害者たちの人物像がとても丁寧に描かれているため、初めてディアトロフ峠事件を知る人でも大いに楽しめる作品になっている。
また、それと同時に本書の素晴らしい点はその構成にある。
本書は3つの章から成り立っており、
1つ目はディアトロフ峠事件の被害者である学生たちの日記や写真などを基にした事件当時の学生自身の行動を描いたパート。
2つ目は事件後の捜索に携わった人々のパート。
3つ目は著者が如何にして本書を書くに至ったか、また著者自身が真相を追うパートになっている。
この3つの章を交互に展開していくことによりテンポがとても良くなり、読者を全く飽きさせない。
古今東西様々な謎があるが、この事件がここまで人々を魅了した理由の1つに事件発生時期と世間に事件が認知された時期にズレがあったことが挙げられると思う。
事件が発生したのは今から60年前だが、この事件世界的に認知されたのは約10年前だという。その空白の50年が、この事件をある種伝説めいた状態にしたのだと思った。
インターネットが普及した昨今では情報の遅延というものは減少していく一方なので、
この様な世界規模の未解決事件というものは、今後現れることがないのかもしれない。
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投稿者:コンドル街道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
状況の奇妙さという点では「世界一有名な遭難事件」と言われるディアトロフ峠事件の真相に迫るドキュメンタリー。真相は事件当時は知られていなかったある現象が原因とのこと。
現代の調査パートと、遭難に至るまでのパーティーの様子を記したパートが交互に載っている。
電子書籍
過去への登山
2020/05/06 07:43
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎に包まれた山岳事故の真相が明かされていく、迫真のドキュメントです。旧ソ連の秘密主義や、たったひとりの生存者の苦悩が衝撃的でした。
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2019年1月10日読了。
1959年2月、ソ連ウラル山脈で起きたディアトロフ事件(9人のウラル工科大学生が全員怪死)の真実に迫る。
1人途中離脱した、ユーリ・ユーディンへのインタビューや筆者による現場取材による調査報告を多重な時間軸で構成。結論としては、「カルマン渦列」…独特な地形がもたらす竜巻とそこから発生する超低周波音による混乱・パニックか…。
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50年以上前に起こった原因不明の遭難事故が、現代の科学で解き明かされる不思議。でも解き明かされる下りがあまりにもあっさりでちょっと拍子抜け。。。
海外のこの手のルポってたいてい、調査する過程での著者の小話とかこんなことありましたエピソードがはさまってくるのね。それがじゃまくさくてね。読むのに時間がかかりました。
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TBS「クレイジージャーニー」で佐藤健寿氏が紹介していたロシアの未解決事件「ディアトロフ峠事件」のドキュメンタリー本。確かにこの事件、非常にはまる要素を持っている。TVドラマ「LOST」なんか好きな人は絶対はまる。
しかし著者の姿勢は一貫して誠実で好感が持てるし、この誠実さがなければ、関係者を巻き込んでここまで真実に肉薄できなかっただろう。
良いドキュメンタリーの多くがそうであるように、著者の立ち位置が明確で、著者自身のストーリーとしても読めるし、また事件そのものだけでなく、事件当時のロシアの国情や若者達の生活が活写されていて、記録モノとしても楽しめる。
現在と過去が交差する構成も映画的で、飽きずに読まされた。
なお、他の方のレビューで、ネタバレがあるので要注意。
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すごい本を読んでしまった。怖い怖いとハラハラしながら読み進めて、最後にどひゃー!と驚かされた。一気読み。
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20180908読了。
honzのレビューで存在を知る。とても読ませるレビューで、バズってたのもありamazonではすぐに売り切れ。
近所の書店にあったので手に取り、めずらしき一気読み。
とてもおもしろい。
とても奇妙な遭難事件ではあったが、著者の推測は可能性としては一番高いと感じた。
自然現象として超低周波音がこのような影響を及ぼしてしまう、ということを知れただけでも大きな収穫であったし、何より読ませる文章であり、良い読書体験となった。
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60年前にソ連で発生した不可思議な冬山遭難の謎に迫るノンフィクションもの。内容自体もそうだし、事故当時の1959年と、作者が調査している現代の時間軸を交互に記述していて、ミステリー小説みたいな構成。現代のパートでは、英語もほとんど通じないロシアで悪戦苦闘する作者の冒険小説ぽい面もあり、なかなか引き込まれる。
ただ、小説みたいに「最後にすべて解決してすっきり」というふうにはならかなったみたい。事故原因に関する考察は確かに客観的で、おそらく正しいのだろうけど、科学的な証明には至っていない。
あと、各人の死亡に至る行動の推測が最後にまとめられているんだが、そちらのほうは状況証拠が残っていて確実だとは思うので、推測の根拠なんかをもう少し丁寧に説明してほしかったと思う。
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ロシアの厳しい雪山で大学生たちが不可解な死を遂げ、長年謎だったこの事件に新しい解釈を向ける一冊
この仮設が正しいとするならば、なんて運のない連中なんだと思う。ただ、検証が甘い気が… それと、いくつかこの仮設だと解決してない謎もある気がするんだけど… 読み物としては面白かった。
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ロシア最大の謎の答えを追う本。不気味で不可解で、一方で抗えない未知の不思議が詰まったこの事件。なぜこの大量遭難が起きたのか、過去どんな説を当てはめても判然としなかった中、考えられるあらゆる仮説を、ひとつひとつ丁寧に検証していく著者の姿勢がいい。凄惨な事件を追い求める中で、現地の関係者との交流は心温まる話が多く、それも含めどんどん読み進められる。ドキュメンタリーともミステリーとも科学的な検証実験の記録とも捉えられるような内容から目が離せない。読み終わった後は、遠い日に亡くなった若き人たちに黙祷を捧げたい。
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オカルト方面の番組で目にしたことがある事件で、興味を惹かれたので読んでみました。
この書では今まで聞いてきた話とは正反対にとても科学的な説を説いていて、信憑性が高く、きっとこれが真実だろうなという説得力があります。
ドキュメンタリーとして楽しめましたが、正直登場するロシアの諸々の名前が難しく、これが誰なのか、何処のことを言っているのかを頭に入れるのが大変でした(最後には覚えるのを諦めましたが…笑)
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ソビエト連邦の時代に9人のトレッカーが極寒の中で靴も履いていない状態で死んでしまう。しかも衣類からは放射性物質もある検出されるなど状況的に不可解な事が多い。彼らに何が起こったのか?
ドキュメンタリーであり、実際の写真や関係者のインタビューが良くまとまっていて読みやすい。ロシア人も政府を信用していないようで秘密実験を目撃したせいで殺されたとする陰謀説が根強いらしい。さすがオソロシア。
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この作者の見解が正解であるかは未来永劫わからないわけだが、今までの仮説よりは論理的ではあるなと思う。ただオレはそれでもUFO説か兵器実験説を推したい。
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読む前に想像したオカルト感というか超自然現象的な感じはなかったし、サスペンス感もさほどではなかった。
現代の著者の動きと過去の若者たちの行動とを交互に配置し、著者が過去の事象を追体験する雰囲気をうまく出している。
謎解きは納得的ではあるが、敢えて「解明済」とせずに、謎のまま残しても良いように思う。
むしろソビエト時代の一般的な大学生たちの生活実態がうかがい知れて、興味深かった。