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ストレスで前職を辞めた主人公が、簡単なバイトのような仕事を転々とし、それぞれで不思議なことが起こっていく
仕事論的なアツイのを期待していたが、どちらかと言うとミステリー小説仕立てになってて期待していたものとは違った。
物語の終盤に、ホームレスと仕事を対比して書いていて、
明日(未来)を心配してプレッシャーに押し潰されそうになる仕事というものと、その日を生き延びるためだけを考え行動するホームレスという対比は、初めて考えさせられたし面白いなと思った。
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「この世にたやすい仕事はない」というタイトル通り。
主人公がハローワークの正門さんから紹介される仕事は
どれもありそうで無い仕事ではなくて、絶妙に無さそうであるかもしれないと思える仕事ばかり。
心にくる感じの業務内容も少なくないし、世にも奇妙な物語のような薄ら寒さを感じる時もあって、
途中ちょっと読み飛ばしたりもしたけど、最後の方で救いがあり読み切ってよかった。
小説としてはとても良くできている作品だと思います。
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なにを読まされてるのかずーっとわからないんだけど、描写が丁寧だから、なんかありそうな気がして妙に納得してしまう世界観。ないないなんだけど、あるあるな感じ。地味だけど、言葉選びやネーミングセンスがとても好き。「おかきミュージアム」とか「極東フラメンコセンター」とか「さびしくない」とか、なんかぐっとくる。
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仕事を転々とする様は読んでいてよかった。どの仕事にもメリット・デメリットがあることを軽快に教えてくれる本。主人公に共感できないことも多々あり、のめり込むことは出来なかった。津村さんの独特なワードセンスは良かった。
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一風変わったお仕事を通して出会う人々との、ちょっと不思議でほっこりあったかなお話。前職で疲れ果てて職を転々としてる主人公。でもどの職場でも一生懸命で、まっすぐだからこそ前のお仕事もしんどくなっちゃったのかな
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なんとなく好き。
わかるわかるって思う所も多々あって、すごく面白い!だから続き読みたい!って訳でもないけど、なんとなく早く続きが読みたくなる。
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バーンアウトした女性の再生物語。
どの仕事も変わっているけど、疑問をもちつつも取り組み続ける主人公の真面目さが良かった。
最初の、監視カメラチェックの仕事は本当に恐ろしかった。もう一度仕事をしようとして、最初の仕事だからかもしれないけど、後半の主人公の恐怖感が伝わってくるような描写に、私もビビらされた。
逆に最後の森での仕事は怖さもあったけど、ほっとできるラストで、次につながっていけるエネルギーを感じられて良かった。
それにしても主人公の仕事スキルが高さがうかがえて、感心してしまった。
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面白い短期の仕事を紹介されて、転職していく主人公。
どんな仕事にいい面、悪い面はあるが、
どんな職場も何があるのかわからない。
その理論にすごく納得した!
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前職をやめて、職場を5つ転々とする「私」の物語。
すべての章で”仕事”ではなく、あえて”しごと”と表記されていることから、実際の”仕事”の煩わしさから開放された職場で働くことを表しているのかなとふと考える。
「私」がする”しごと”はどれもUniqueではあるものの、極端に言うと、別になくても良いし誰がやっても同じ内容となる”しごと”であると思われる。けれどもそういう”しごと”でさえも、わけのわからない事態が降ってくる。
「何をしていても、何が起こるかはわからない」という、そういう”しごと”集であった。
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ソーシャルワーカーで頑張りすぎてバーンアウトした主人公が、いろんな仕事を転々としてまたソーシャルワーカーに戻るかーってなる話
小説家の監視→バスのアナウンス→おかきの袋裏の文章→大きな自然公園で事務と地図作り→ポスターはりかえ
伏線かんたんに読めるのだけは良くない。
いろいろな仕事がこの世にはあると思わされる。自分もこの仕事以外にやれること、向いてること、楽しめることがあるかもしれない。
仕事ってなんだろう、生きるってなんだろう。
私の今の仕事では求人票の仕事の概要をぱーっと読んでるだけだけど、そうじゃなくてリアルな働き方を感じることができた。自分がいろんな仕事を体験した気持ちになれてワクワクした。
また、職安の相談員から仕事を紹介してもらってる話だから、キャリアアドバイスを受ける疑似体験ができて、勉強になった。
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「一日中コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」
10年以上勤めた前職をバーンアウトして退職し、実家に戻った主人公は職安の担当者にそうやって新しい職を紹介してもらおうとしたら、そういう感じの職があった…
ずっと監視カメラ越しにある人を監視するしごと、ローカルのバスの廃止を避けるべく考案された車内アナウンス広告を考える仕事、おかきの袋の裏に書かれたミニ知識的なものを考える仕事…
楽なようでいて、仕事をしていると、必ずしもたやすくはない、色々変わった人や、変わった出来事に遭遇する、果たして主人公は仕事をやりきれるのか?
以前に「アレグリアとは仕事はできない」という職場に置かれたコピー機と主人公の戦いを描いた中編がなかなか面白かった。
この作品でも気持ちを表現する言葉が面白い。仕事に疲れて、それでも仕事に向かう時のけだるさを「靴の裏の様な顔をして」という表現が笑えた。
そう、自分もそんな顔して会社に行っていた時代があった気がする。
この作品も働くというより、仕事というものを通して遭遇する人間と、その人のこだわり?の中に面白さと、人への愛しさを感じる。
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前職で燃え尽きた主人公が5つの仕事をする連作短編。
お仕事小説だし登場人物の造形や仕事に向き合う内省的な姿勢もリアルに感じるけど、業務内容や物語の運びが意外でおもしろかった。
主人公の内心ツッコミはかゆいところに手が届く。
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主人公は何故「ふじ子」さんが苦手なのか。
たぶん、あっち、こっち仕事を求めて転々とする彼女の生き方の、一番の肝にあるのが、その「何故」なのだろうけれど、それは輪郭としてしかわからない。意図的にか、そこのところは読んでいて「空気」でわかってね、というふうで、???という感じがずっとある。
「わたし」の内側は何かに覆われていて、一方に「燃え尽き症候群」と呼ばれる「わたし」について、繰り返し言葉が費やされる。読みながら、内側的なことは迂回されて、輪郭線の外側だけが「ゆるく」、「面白く」、あるいは「するどく」書かれている。読み手であるボクは、そんな印象から、結局、抜け出せない。
ふじ子さんがいい人として存在している社会で、心震わす「主人公」は住処を探しているらしいのだが、このままでは多分見つけられない。
あっ、そういうことが書きたいわけか? ヤレヤレ・・・
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目指して就いた仕事ではないからこそ、仕事を客観的に見るようにして、でも時には持ち前の真面目さでまっすぐ仕事に向き合っちゃうんだろうな、この人(主人公)。そうじゃないと、なかなか仕事を引きで見ることは難しいと、自分の体験と重ねていました。
責任感の重さと仕事への熱量、高ければいいってもんでもない、でも高いとやりがい感じやすいよね、でもそうなると燃え尽きそうになる気がします。
自分は時間が欲しくて転職して数年、思いどおりのワーク・ライフ・バランスが叶っている。責任感の重さと熱量が共に下がったことに今では罪悪感を持たなくなった。(一時期感じていた)前職に戻ろうと思わない私と主人公違のいはなんだろか、今は深く考えようと思いませんが、いつか考える日が来る気がする。
私の読みの甘さと思うのですが、途中まで主人公の性別がわからなかったのが、ちょっとした推理小説のようで楽しかったり。
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いわゆる「お仕事小説」というものをイメージして買ったつもりだった。楽しいことも辛いこともあるけど、何だかんだで皆頑張ってる。自分が今置かれた環境に不満があることもあって、そんなメッセージを求めて手に取った。ところが開いてみたら何とも不思議な雰囲気の空間に迷いこんだ気分になった。仕事どうこうというよりは世にも奇妙な物語みたいな味わいがあって、かと思いきや最後まで読み切ったらちゃんと自分の求めていたものが手に入っていた、みたいな。まさしく新感覚というか、自分にとっての新たな扉をまた一つ開けてくれたような小説だった。
主人公はどちらかといえば気弱なタイプで、長年続けてきた仕事からドロップアウトした直後だからか自分に自信があまりなくて、おいおい大丈夫か……と思わせるような人物でありながら、仕事というものへの姿勢について時々もの凄くハッとさせられるようなことを言ったりするので、完全に油断した状態から日本刀で袈裟斬りにされるみたいな衝撃がある。「辛いならこうしちゃえばいいのに」と思ったことが直後に「それはあまりにもクズすぎる」とか書いてあると、「あ、俺クズなんだ……」みたいなことが何度かあった。
個人的に一番好きなのは「路地を訪ねる仕事」です。さびしくない。