紙の本
様々な視点から林業について論じた本
2019/10/11 11:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akihiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
林業の入門書では現在の林政で決められた内容を学ぶことが多いですが、本書では現場の感覚との乖離や、海外での林業の強みなどが論じられていて勉強になりました。興味のある章だけ読んでも参考になると思います。
研究者の視点で論じた章に書かれていた内容で、主伐に適した樹齢が60年代と90年代の研究で大きく異なっているというのが印象的でした。
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森林未来会議―森を活かす仕組みをつくる。熊崎実先生、速水亨先生、石崎涼子先生の著書。森林の素晴らしさや林業の素晴らしさ、日本の森林や林業の問題点や課題点がわかる良書。森林や林業の専門家の研究者の方たちが森林や林業について何も知らない森林素人や林業素人でもわかるように説明しているから、森林や林業の基礎知識が無くても誰にでも理解できます。森林未来会議というタイトルにふさわしい一冊。
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【農学部図書館リクエスト購入図書】
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
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林の初心者にとっては(特に科学的な計算や諸外国の情勢は)やや難解だが、速水さんのような林業家、市町村、自治体、研究者と様々な立場の方の見方がわかっておもしろい。
オーストリア・ドイツのフォレスターと日本のフォレスターの違いがイマイチわからなかったけど、目指すは(補助金や公の職員ではない)民間でフォレスターが食べていける制度の確立か。
森林は、公益的な機能と材の生産地という両面を兼ね備える。その両方の機能を、経済性にどう載せていくか。
最後の熊崎さんが認証にその解の一つを求めている。
個人的には、速水さんの段と鈴木さん(豊田市のフォレスター)がおもしろかった。
速水さんは、国産材へのニーズも低迷するが、時代に沿ったニーズを見つけていく…ということで、牡蠣の養殖用の筏に注目。また、林業にあるやり方は昔から数百年の知恵が詰まっている。新しいやり方をするときは、まず旧来のやり方の合理性と新しいやり方の合理性を比較してから採用するかどうか決める、というのがなるほど、と思った。
鈴木さんの標津町時代の話もおもしろい。森林法は森林を守るためではなく、所有権とのバランスで、一定の基準を満たせば開発できるという制度になっている。
そのため、どうしても守りたい河畔林については、伐採届の際に町と調整するような仕組みとした、と。
また、90才でも健脚で必ず現場を見る林業家に色々教わったと。
豊田市の林業職員の研修は、研修だけで終わらせないため、研修を受けた者の受け持ちの林を決めて、実地研修で身に付くようにした、と。(研修内容もトヨタの森の特性に合ったものに)
両者とも一度お会いしたことがあるが、熱意と工夫がすごい。