紙の本
恋愛小説としては…?
2021/02/06 20:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チェリーマム - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気があり、評判にもなっていたので文庫で初めて読みましたが、私は感情移入できませんでした。ストーリーの展開に無理が多すぎると思います。主人公のこころの変化に「ありえない」と感じるところがあり、ついていけませんでした。恋愛小説としても、評価ほどの内容か、非常に疑問です。辛口でごめんなさい。
紙の本
ネタバレ
2021/01/19 23:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギタリストの主人公とジャーナリストの女性の偶然と必然の擦れ違いを描いた恋愛小説。40歳手前にして出逢ったかなり大人な二人ではあるが、幼い初恋の様な後引く触れられぬ神聖さが感じられた。
【ネタバレ】でもやっぱ年齢が年齢なのにイジイジしてるし、子を授かってるのにまだぐちゃぐちゃしてるのが許せなかった。モデルが居るみたいだけど流石にその部分は完全なるフィクションである事を子供のためにも願いたい
投稿元:
レビューを見る
【十一月映画公開! 大人のベストセラー恋愛小説】クラシックギタリスト・蒔野と国際ジャーナリスト・洋子。 四十代に差し掛かった二人の切なすぎる恋。平野啓一郎のベストセラー作。
投稿元:
レビューを見る
これは、恋愛小説なのだろうか。そうであって、そうでないような。
対照的な主人公二人は、私には縁遠い世界の人たちだけど、40代という曲がり角の年齢で出会うことがらが丁寧に描かれ、その中には、私にも共通のことと、この人たちだからこそのこともあり、そういうできごとに翻弄されて、揺れ動きながらも、必死に生きようとする中で、お互いの姿が心の深い部分に焼け付いているようでもある。
2006年頃から2010年頃の設定なのだが、イラク問題、リーマンショック、シリアでの弾圧などを背景に、時に舞台にしており、そのころ新聞に載っていたなぁという程度の淡い記憶になっている自分がちょっと恥ずかしい。さらに、ユーゴスラビアの分裂、長崎の原爆や震災にも触れられ、主人公の眼を通して、一人の人間としてどう考え、どう生きるのかということも問われているようにも感じる。そういう点では、かなり硬派な一面もあって、あの後藤健二さんにも取材されていたと知り、どれだけの資料の中から紡がれた物語なのだろうと思う。
主人公がスランプから脱する頃、デュオを組んだギターリストの話は、さらりと書かれていて、そこだけは少しさみしかった。この経緯は、もっと主人公の心に刺さったのではないかという気がしている。
作中で、未来が、過去のことをまるで違うもののように変えていくといった話が、何度か語られるが、このラストシーンを経て、二人には、これまで歩いてきた道が、また、違うものに見えてくるのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
文庫化。
映画も公開されるそうだ。確かに映像が映えそうな内容だった。
恋愛小説は、ここのところ殆ど読んでいなかったのだが、久しぶりに読むと面白い。
投稿元:
レビューを見る
読み終わりたくない。傑作。
極上の恋愛小説、と思う。
宮本輝の「錦繍」を国際的にスケールアップしたような印象。読み終えて自分の日常生活に戻るのが、イヤになりそう。
読了。恋愛小説はあまり読んでないけれど、私にとって「錦繍」「ノルウェイの森」と並んでベスト3に入った!
ずっと読んでいたいし、ずっと読んでいられる小説。こういうのは、めったにない。映画を見る前に、もう一度、読みたい。性描写が控えめなのも、人に勧めやすくて好印象。
投稿元:
レビューを見る
心情描写が素晴らしい!
特に洋子とは同年代なので、これから家族を増やそうとしている私にとって、人生の希望と覚悟を教えてもらった気がした。
投稿元:
レビューを見る
ゆっくり読むつもりが2日で一気に読んだ。現在の行動によって過去は変えられる、というテーマだったので、物語の前半が、後半の話が進むことでどのように変えられるのだろう?と気になり、引き込まれていった。
途中からとにかく女マネージャーの行動や発言が不快で、物語の都合上仕方ないのかもしれないが、とにかく本当にウザかった。著者もなんとかこの女が悪に見えないよう配慮しているようだったが、無理があった。
投稿元:
レビューを見る
終盤のコンサートあたり、まさにマチネの終わりのあたりでやっと、この本を読んで良かったと思った。中盤あたりで読むのをやめようと何回か思った。。
映画化したときの主人公2人の俳優さんの顔が浮かんできて、、終始読むのが苦しかったのもある。
あとは、(この小説の醍醐味なんだろうけど、)ちょうどすれ違う日の出来事について少し気持ち悪さを感じてしまった。少女漫画のような悪戯というか、そういう三谷のやり方に、こんな展開ってある…?という憤り。
しかし、終わり方に美しさを感じて、終わりよければなんとやらという具合で、最終的に読んでよかったわと思った。
投稿元:
レビューを見る
2019年に映画化が決まって文庫化された時に買ってそのまま積読。その後、機内で映画を見たものの、上海-日本のフライトだと、いいところで時間切れになった記憶が。原作と映画とエンディングが違うって話だったけど、どうだったんだろう。
って、それ以来の国際線だったので、そのお供として読了。偉大なるすれ違い。もちろん蒔野は福山雅治、洋子は石田ゆり子のイメージのまま読んだ。やっぱり石田ゆり子は幸せになれないなぁ。
投稿元:
レビューを見る
映画を観た後で読みました。
洋子の聡明さ、強さは憧れの女性像です。映画ではわからなかった二人の心情に共感し、映画のようなハッピーエンドを期待して読み終えました。
投稿元:
レビューを見る
「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は。未来は常に過去を変えてくれるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」p33
・これからの行動次第で、過去の立ち位置は変わってくる。あの時を糧にしているのか、あの時をずっとマイナスのものとして憎み続けるのか。点と点は後からしか線で結べないってスティーブジョブズも言ってたっけ。
それぞれが感じる。完璧な静寂。p49,74
どんな恋愛にも、その過程には、こうした装われた偶然が1つや2つはあるものである。そして、しばしばその罪のない嘘は、相手にも薄々勘付かれている淡い秘密である。p87
・おしゃれ笑
「バグダッドは…今は絶望的な状況だけど、私はそのただ中で、初めて本当にバッハを好きになれた気がしたの。やっぱり、30年戦争の後の音楽なんだなって、すごく感じた。
ドイツ人の半分が死んだなんて言われてるあの悲惨な戦争のあとで、社会的には対立の共存を受け容れながら、内面的には信仰が一層深まっていく。荒廃した世界を生きながら、当時の人たちは、バッハの音楽に深く慰められたんだと思う。教会音楽だけじゃなくて、世俗音楽でも。ー そういうことを信じさせてくれたのは、蒔野さんの演奏よ。」p124
・時代背景も分かってから芸術作品に臨むことってすごく有意義なことなんだなぁ。と思わされた。
世界に意味が満ちるためには、物事がただ、自分の為だけに存在するのでは不十分なのだと、蒔野は知った。この世界は、自分と同時に、自分の愛する者のためにも存在していなければならない。憤懣や悲哀の対象でさえ、愛に供される媒介の資格を与えられていた。そして彼は、彼女と向かい合っている時だけは、その苦悩の源である喧騒を忘れることができた。p183
・後ろ向きな感情さえ、愛というフィルターを通せば愛しくなるものなんだな。
蒔野は、自分の問いが、洋子の胸の複雑な場所に触れたのを察したが、今はもう、それを恐れるべきではなかった。彼女が自分のうちに目を向けている間、彼は黙ってその姿を見守ったが、たとえ何も答えられないとしても、その時間自体が、彼を一層彼女へと近づけることになるはずだった。p184
・お互いの心の奥深くにある部分を探り合って、少しずつ分かち合って、関係性って深まっていくんだろうな。時には勇気も必要なこと。
彼は、洋子が真剣に考える時の表情が好きだった。彼女の人生に対する真面目さを愛していた。相手に対する答えは、常に同時に自分自身に対する答えでもあらねばならない。そう信じている風の彼女の誠実さに、強く心惹かれていた。p184
・自分の人生に対して真摯に向き合ってる姿、素敵。
みんな、自分の人生の主役になりたいって考える。それで、苦しんでいる。自分もずっとそうだったけど、今はもう違う。蒔野さんの担当になった時、私はこの人が主役の人生の“名脇役”になりたいって、心からそう思ったの。
どんなに想像してみても、私は自分が主演を務める人生には、ドキドキしない。
三谷早苗の伝��映画なんて、誰が見に行きます?でも、蒔野さんの伝記なら見たいでしょう?そこには、三谷早苗っていう登場人物は欠かせないんです。それって、凄くないですか?
蒔野さんが主演を務める人生に、ずっと、すごく重要な脇役としてキャスティングされ続けるなら、私の人生はきっと充実したものになる。考えただけでも胸が踊る。だから、蒔野さんのためなら何だってできる。p214
・ここが1番響いたかも知れないな。誰かの人生の脇役になりたいなんて。健気。
彼女と話がしたかった。そういう話題を、あまりに多く抱え込みすぎていた。p338
・分かるよ笑。僕にもそういう人がいる。相手が触れられないほど遠くにいるからこそ感じるものだよね。
過去は変えられる。ー そう、そして、過去を変えながら、現在を変えないままでいる、ということは可能なのだろうか?洋子は、蒔野が早苗を咎めたのと同じように、こういうのではあるまいか?「どうして黙っておいてくれなかったの?」と。p450
・過去に対する見方が変われば、これからも変わってしまう。良くも悪くも。この小説の中で一貫してテーマになっているもの。
投稿元:
レビューを見る
付箋を 貼って覚えておきたい言葉、表現がたくさんあり、その表現によって物語世界にどんどんのめり込んでいった。何度も出てくる「未来は過去を変えられる」をそれぞれが体感していくところはずっと読んでいたい!と思うほどだった。
あと、フィリップの番外編が読みたい。
投稿元:
レビューを見る
大人の恋愛
もどかしい、絶対うまくいかないじゃんこれ、って思いながら読むのがすごくしんどい
こんなにも惹かれあっているのにすれ違うことに、恋愛がうまくいくってすごく奇跡なんだと思った
投稿元:
レビューを見る
こんなに切なくて苦しくて美しい恋愛小説は久しぶりに読んだ。自立した男と女の、運命としか名付けようのない物語。