- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
売れっ子作家の育て方
2020/02/05 00:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤穂信の描く限界集落で奮闘する地方公務員が主人公である。6編の短編から成る連作短編集ともいえる構成である。4編は随分前の月刊誌の連載からとり、残りは書き下ろしなので、相互には時間差、時代差が出ていてもおかしくはない。月刊誌の連載とはいえ、連載短編相互は数年離れているので、それ自体に時代のずれが出ていても不思議ではない。
南はかま市は、市町村合併でできた市ではあるが、住民が移転して無住の集落となった蓑石がその舞台である。勿論、架空の地方、集落である。その南はかま市は無住地の空き家を利用して、しかも移転費用を持つという条件で他の土地からの移住者を公募した。この結果、応募した人はいたのだが、本編はこれらの人々が蓑石でどのようにして生活しているかを描いたものである。
米澤が作家として人気が高まってきたので、旧作品を集め、さらに書き下ろしの短編で体裁を整え、出版したという作品のようだ。したがって、最近米澤が書いているミステリータッチの趣はあまりないといってもよい。あるとすれば、公募の事務局となった市役所の担当課の主人公、万願寺と対になっている女性職員観山の存在がミステリーなのかも知れない。
もう一つは結局限界集落について悪戦苦闘する地方自治体現場の姿を描くのみで、その解法については何も示唆がないという点である。書き出しの公開が2010年なので、当時の枠組みではそうなるということか。
売り出して人気の出た作家は、売れる時に打っておくというのはよく理解できる。しかし、あまり無理をして作家のイメージを壊さないように大事に扱ってほしいものだ。
紙の本
棄民ですらない
2021/12/07 17:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方行政の闇がうっすらと恐ろしくなる1冊。
始めから切り捨てるつもりで人を呼び込む行政。
甘いことばで誘いながら夢を抱いて移住してきた人たちを踏み台にする非情はには寒気がした。
ここまでいくともう棄民ですらない。
鯉の養殖をしていた人が鳥獣のことを全く考えていなかったエピソードはなんとなく薄ら寒い。
紙の本
Iとは
2020/04/06 10:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
Iターンのことでしたか。
実際、人が住んでれば、道路敷かなきゃならないし、
電気水道だって必要になる。
行政の負担は大きいよね。
電子書籍
ある意味現実的
2020/01/26 07:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sui - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の落ちが、ある意味現実的で、残酷でもあるなぁと。
紙の本
現実に立ち戻る物語
2019/11/24 15:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減少、地方都市の過疎化と限界集落の拡大…歯止めをかけようにも金が要るが、地方財政にそんな余裕はない。予算予算と頭の中で反復するのは仕方ない。そんな現実にどう向き合っていけば良いのか。この物語に答えは書いてないが、現実の問題に立ち戻るキッカケにはなるかもしれない。ミステリーが生み出す現実へのIターン、そこは悲劇で終わってほしくないが。