再改定版は、あとがきがバリュー。
2021/03/05 15:05
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
魂の入れ替わりモノとしては秀逸な面白さだった本書。他の池井戸作品同様、TV化されたが、登場人物のキャラクターが明確に違っていたり、シリアス度もドラマより高く、出筆当時の政治スキャンダルがたくさん盛り込まれていてより興味深く面白かった。
本書は、2013年版の再改訂版であるが、ドラマ版民王に総理秘書役で登場していた高橋一生さんによる「あとがき」がいいです。
日本の社会・政治への強烈なメッセージ
2022/04/10 07:53
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投稿者:しん - この投稿者のレビュー一覧を見る
総理大臣武藤泰山とその息子・翔の人格が入れ替わってしまう、という設定の話。
入れ替わった息子は、国会答弁で原稿の漢字が読めずにバッシングにあう。翔も遊び歩いていて決して教養のある方ではないが、とはいえ、いかに国民の生活に影響を及ぼす政治が国民にわかるように説明されていないか、ということだろう。
その後、泰山の内閣で官房長官を務める狩屋が女性問題で週刊誌にスクープされた際には、任命責任を問うマスコミに対し、官房長官は政治家としての力量が重要で、私生活のことで騒ぐべきではないと毅然として言い放つ。軽妙なノリで描かれているこうしたエピソード一つ一つから放たれる日本の政治と政治報道の在り方へのメッセージが心に響く。
読み直してみても、日本の社会・政治へのみんなが感じているであろう疑問がしっかりと描かれているから、あとあじよく読み終われるのだろう。
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投稿者:おっさんの独り言 - この投稿者のレビュー一覧を見る
池井戸作品は大好きです。民王は以前、池井戸作品と知らずドラマで見て面白かった印象があります。原作を読んでみたいと思います。
ドラマと共に面白い
2021/11/07 19:31
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投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマで先に見ていたが、原作の小説もまた、面白い!リアリティに忠実で善良で真面目な池井戸氏というイメージだったが、こういう荒唐無稽なエンタメも行けるんですね。馬鹿馬鹿しいけれど、ある意味でリアル。
ラストの展開と翔と泰山の旅立ちの部分で、二人の良心・志が描かれて、カタルシスを覚える。
馬鹿馬鹿しく、やるせない政治もこれくらい気持ちよく改革できれば良いのですが。。。
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投稿者:なこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジー要素が強く、池井戸潤さんっぽくはないかもしれません。でも、私は好きです!笑えるところが多々あるのに、しっかり感動させられて、読後感が気持ちいいです。
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投稿者:さかれな - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐らく私が生きている間は起こりえないことだろう
私が池井戸作品に求めるのはリアリティであり架空、仮想のもので無い
作者はビジネス作品中心だと思うが、山崎豊子、高杉良の様に徹底取材における
企業小説が読みたかった
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『陸王』を読んだ時から、似た名前のこの小説のことが気になっていましたが、ドラマの再放送を見たのがきっかけで読みました。
池井戸作品を読むのはこれが2作目。吉川英治文学新人賞受賞作です(2010)。
原作とドラマとは、尺の長さが異なるため、設定の違いがあちこちに見られます。
翔の性格もまるで別人でしたし、黒幕まで予想外の人物でした。
ドラマは、よりコミカル仕立てになり、ややこしくなり、恋愛要素も入って、かなりエンタータインメント性が高まったものになっています。
原作は、ドラマよりもシリアス度が強く、日本の内閣の数々のスキャンダルを、かなりオンタイムに近く採り上げて小説に織り込んでいます。
(執筆当時は、自民党麻生内閣でした)
現実とリンクする設定や問題が頻出するため、さすがに雑誌の連載は不可能だったかもしれませんが、ウェブ掲載だったために、中止に追い込まれることもなく完結したとのこと。
これからの小説のあり方の参考になるだろう、発信方法です。
ドラマの助けもあるものの、ドタバタコメディで池井戸作品らしくわかりやすい展開。
息子が総理大臣である父になり切ることは、相当難しいだろうと思えても、父が採用面接を受ける方も、それはそれでなかなか難しいと気づきます。
一般人の感覚を持つ息子は、浮世の学生生活を満喫していましたが、首相として数々の政治の矛盾に触れることで、さまざまな問題意識を抱くようになります。
学力は決して高くなく、漢字を読めずに国会答弁で恥をさらした彼ですが、弱い人の気持ちに立っての政治改革を切に願い、彼なりに戦う決心をする姿には成長が見られます。
そして、はからずも青年の姿に戻ったことで、かつては胸に宿していたのに今はすっかり忘れていた当時の理想と情熱を、再び思い出した父。
息子には成長、そして父には再生がありました。
はじめは、入れ替わりを受け入れられず、互いを責めてばかりだった仲の悪い親子。
それがいつしか、弱肉強食の世知辛い現実の中でも、国民主体の世の中になるような政治を実現させようと奔走する二人の男に変わっていく様子には、感動さえ覚えます。
胸のすくようなエンディングは、やはり安定の池井戸作品。
楽しく読めて、読後は気づけば、政治や内閣の動向に興味を持てるようになる一冊です。
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池井戸さんの作品?と思うほど設定がぶっ飛んだ感じで、読み進めるのに時間がかかりました。一番の国会功労者は原稿考えてあらゆる「ふりがな」をふった貝原さんではないでしょうか(笑)
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設定がありえないので、話に入り込めない。安倍総理や麻生元総理・中川経済産業大臣などがモデルとなっているんでしょうか。
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池井戸潤の小説はかなり読んでるんだけど、この「民王」は昔 テレビドラマで見ていたので読んでいなかった。
でも、やっぱり読んでみた。
テレビドラマもよかったけど、やっぱり本は面白いね。
あとがきが、総理秘書役の高橋一生なのが良かった。
彼の文章もかなりしっかりしてるんだね。
今、放送中の半沢直樹もヒット中みたいだし(私も見てます)、池井戸潤の小説はやっぱり面白い。
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政治家というのは金、名誉、自分の欲望の実現の為になっている奴がなるものなんだな、と思っていたが、きっと最初からそういう奴もいるが、政界にいるうちに汚れていくのかな、と思った。とりあえず、二世議員にはあまり期待できないし、政治家ってそんなに偉いものなのか。名誉職の国もあるのに日本は市井から血税を巻き上げ、政治家は何をしているんだ。別に政治に詳しい訳ではないが、新聞や新書、ニュースを見ても疑問ばかりである。人の死よりも自分のプライドを護る、利権を優先する、もう普通の感覚じゃないな。マスコミも同様。日本は政治家の無能さと官僚の堅さ、マスコミの論点を履き違えた報道や印象操作によって、道を逸れていっている。
秀逸な作品。ドラマを観て興味を持って、5年越しに原作を読むに至った。笑いを混ぜながらも鋭い切り口で日本の政治を描いていた。翔くん、頭は良くない、というか勉強してこなかったのだろうけれど、賢いし自分なりの理想を持って生きていてカッコいいな、私も同じ若者として理想やビジョンを持って生きていきたい。
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総理と総理の息子の脳波が入れ替わる?
奇想天外の政治エンターテイメント小説。単なるドタバタに終わらせないところは、さすが池井戸潤。若かりし頃の熱い志を思い起こさせ、途中でウルっとさせる場面もある。久しぶりに読み返してみたが、やはり面白かった。
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池井戸作品をこれまでいくつか読んできたけど、この作品は他の作品に比べてスカッとする読み応え感がなかった。
ドラマ版は観てはいないが、配役は知っていたので読みながらイメージした各キャラクターの顔はその役者さんに自然となってしまった。
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著:池井戸潤
池井戸潤さんの作品を読むのはこれが初回。
総理大臣である武藤泰山とその息子、翔がある日突然姿は変わらず、中身だけ入れ替わってしまう。
政治に興味のない翔は、沢山の政治関係者に支えられて討論台に立ち、演説をする。泰山は息子の就職活動に赴く。
姿は武藤泰山、しかし中身は翔である総理大臣は『未曾有』をミゾーユと読んだり、『所存』をトコロアリと読んだり、随所随所で麻生太郎を重ねている。
共和党とアメリカの製薬会社の陰謀に巻き込まれてしまう。
親子愛、所々にコメディを取り入れるこの作品はとても好きでした。
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ドラマを先に見たので、そのイメージで読み始めたら大筋は違和感がなかった。
ドラマは小説から映像へ上手く変換できていたんだなあ。脚本家の腕が良いのだろうか。
とはいえ、ドラマがものすごく好きではまったのだが、こちらは予想外に下ネタが多い。
初池井戸潤作品なのだが、もしかして全部こんな感じ?
おじさん御用達作家じゃないよね?
いい歳した大人たち(ほぼ既婚者)が女子大生に欲情する姿は見たくない。
表現自体はもっと過激なものはいくらでもあるしまだマイルドなのだが、不倫や子供のような年齢の女性に手を出すことがタブーとして書かれているのではなく、咎めないどころか微笑ましい感じで書いてあるのがなんとも虫唾が走る。