『宇宙からの帰還』の偉大さを実感
2021/03/28 17:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロローグに書かれているように、本書は「日本の社会で生まれ育ち、その風土を背景に持つ日本人宇宙飛行士は、自身の体験をどのようなものとして持ち帰ったのか。そして、その体験は彼ら自身の世界認識にとって、どのような「意味」を持つことになったのだろう」という問題意識に端を発しており、当然のことながら『宇宙からの帰還』のイメージが頭にある私は、わくわくしながら読み進めた。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙へ行った日本人12人のインタビュー。
知的好奇心を刺激されるような内容を期待したのですが、全般に平坦な感じ。残念。
宇宙飛行士の体験ということならば、本書でも紹介されていますが、立花隆氏の名著「宇宙からの帰還」をオススメしたいです。
投稿元:
レビューを見る
【この地球について宇宙飛行士たちが語ること】宇宙――人智を超えた漆黒の空間で、飛行士たちは何を考えたか。全日本人宇宙飛行士への取材を敢行した史上初のノンフィクション。
投稿元:
レビューを見る
長い訓練の末にようやく宇宙へ。やはり宇宙へ行くと感じることは多いようです。しかし、飛行士によりそれぞれ感じたは違います。読み進んでいくとアースノイドとスペースノイドの違い(地球の大切さ、重力からの拘束など)についても感じることができます。一般市民が気軽に宇宙へ行くのはまだまだ先なんだろうなとも感じました。
投稿元:
レビューを見る
深淵なる宇宙への思い。ガガーリンの神の存在の否定が、神に言及するアメリカの宇宙飛行士の言葉なのだらうか。
投稿元:
レビューを見る
200101.新年一発目。
宇宙に行きたくなる本。
ミクロとマクロじゃないが、宇宙で言う地球、人間も一つの地球。修学旅行で宇宙に行ける時代がくれば争い事やら環境問題やらも前向きに進むのだろうか。
長期滞在者は感覚が宇宙に適用なるというのが面白い。
いわゆるガンダムのニュータイプかと思いきや、逆に地上への順応ができなくなってしまう。
宇宙と地球の行き来を頻繁にすることでまた違う感覚が出てくるんだろうか。
空気のない中での景色を見てみたい。
宇宙だと視力が戻るのも面白い。
地球なりISSが視界から消えるだけで絶対的な孤独感が来るというのも面白い。
どんな環境でも適用できてしまうというのはとても心強い話だった。
投稿元:
レビューを見る
日本人で宇宙飛行を経験した人はこれまで12人。その全員へのインタビューをまとめた一冊。彼らも著者も、そして私も立花隆著「宇宙からの帰還」を意識した。文化や宗教の違いを超えて、米国人宇宙飛行士たちと同じように創造主の存在や地球への愛おしさを語る人がいる一方、新世代の宇宙飛行士の中には仕事で出張に行ったのと同じと言う人がいて面白い。独特なのは日本人の宇宙飛行第一号となり、いまは農業に従事する元TBSの秋山豊寛で、印象深いのは「宇宙へ行っても自分は何一つ変わらない」と言う金井宣茂。全体的には、地球を大切にすべきという感想と、人類はもっと宇宙に出ていくべきというポジティブな意見が多かったように思う。
宇宙飛行士の多くは著書を著しているので、それを読めばもっと深く彼らの感想や考えを知ることができるだろうが、インタビューをコンパクトにまとめた本書も存在意義がある。ただ、必ずしも1人1章という構成ではなく、複数の人をまとめた章では、誰の発言なのかを意識して読まないと混同することがある点に注意が必要。
投稿元:
レビューを見る
自分は宇宙に特に興味がなくて行きたいとも別に思わないので、宇宙飛行士の人たちってどういうこと考えているんだろうと思って読んでみた。一人ひとり順番に紹介していくのではなくテーマによって重なったりする構成なので個々の言わんとするところが知りたいという自分のニーズではちょっと読みにくかった。
一番最初に出てきたのが秋山豊寛さん。「日本人初、宇宙へ」の人だ。彼は宇宙飛行士というよりやはり記者であり、記者として宇宙へ行ったんだなと思った。だからその後の生き方もTBSを退社して農業に携わるなど、この本で証言している12人のなかで最も人生が変わったのではないだろうか。対して、ほかの11人は宇宙飛行士になろうと思ってなった人たちだから、ずっと宇宙やそれに関連した分野で活動し続けている。
とはいえ同じ宇宙飛行士でも、いってみれば当然のことだけど、世代差のようなものがあるのかなと感じた。本書でも油井亀美也(1970年生まれ)、大西拓哉(1975年生まれ)、金井宣茂(1976年生まれ)の3人は新世代としてくくって紹介しているんだけど、彼らは宇宙に行くのも出張の一つとかきわめて冷静にとらえようとしている感じ。確かに、月面着陸なんかをナマで見た世代と生まれてなかった世代とでは宇宙に対する世代的な価値観が違うというのもわかる気がするけれど、そこまで冷静なのも宇宙でのミッションを託す一般の身としては何だかつまらない。まあ、若さゆえの気負いの裏返しだとしたらそれはかわいいけど。
好感がもてたのはやっぱり素直に宇宙や外からみた地球に感動したという人たち。特に土井隆雄、若田光一、山崎直子といったあたりはいいなと思った。何がいいって、感動したことを糧に地球や宇宙開発が進むように意識して努めているところだろうか。ビジョンを描いたりダイナミックな将来像を構築するのってやっぱり感動や夢見る気持ちが大切なのかもと思った。
投稿元:
レビューを見る
宇宙空間に行った経験がある日本人に、宇宙に行った経験が今どう感じているか?今とどうつながっているか?のを印他ジューしている。
投稿元:
レビューを見る
『タネの未来』を読んだとき、著者の小林さんが次の氷河期を考えて行動していることがすごいと思ったが、若田さんは地球がなくなった後のことを考えている。凄すぎる。50億年後だよ!?私は、私の孫(まだいないが)くらいの先までの地球しか考えたことがないよ。
正直言って宇宙開発なんて、科学技術を試したいだけじゃないの?月とかに資源が眠っているかもしれないから、それを早い者勝ちで押さえようとアメリカとロシアが鎬を削ってるんでしょ?イーロン・マスクとかベゾスが出てくるところからして金が絡んでない訳が無い、くらいのことしか考えていなかったのだが、宇宙飛行士は皆さん子どもの頃から宇宙に憧れ、健康な身体と落ち着いた精神と優れた頭脳を持っているから、そういう下衆な考えはないんだなあ。
この本は立花隆の『宇宙からの帰還』に触発されて、日本人飛行士にインタビューして書かれている。『宇宙からの帰還』を読んでいないので推測で申し訳ないが、脂の乗っていた頃の立花隆にはものすごい力があったので、(この本で立花隆のインタビューを受けた唯一の飛行士秋山豊寛が温泉宿に三日間缶詰めにされ、立花から「最後の一滴まで絞り尽くされた」というんだから凄まじい。)それと比べると見劣りするかもしれない。しかし、日本人飛行士全員にインタビューした本はないので、価値あるものだと思う。
宇宙から地球を見た感想は意外に違うが、全員地球を大切にしなければいけないと感じている。戦争したり環境を破壊してはいけないというのを深いところで実感したというのだから、金持ちが大金払って宇宙に行くのも、それなりに意味のあることかもしれないな、と思った。広い宇宙に地球と似た星はあるかもしれないが、そこに人類が行くのはかなり難しいだろうから、地球が50億年後には無くなるとしても、その前に人間が地球を死の星にしてはいけない。
宇宙に行かなくても改めてそんな気持ちになったのだから読んで良かった。
追記
『人類が生まれるための12の偶然』(眞淳平著、岩波ジュニア新書)を読んだら、地球がなくなるのは50億年後だけど、10億年後には住めなくなるらしい。それでも長いけど。
あとベゾスやイーロン・マスクは宇宙から地球を観察して様々な変化を先に知って、誰よりも速やかに商売に繋げるために宇宙開発に関わってるそうです。これは新聞で読んだ。そこまでして商売をデカくしようという野望もまた凄まじい。
投稿元:
レビューを見る
宇宙から見た「地球」の感想を読むのが特に好きだ。
ある時、もちろん僕は地球上にいてのことだが、
地球は巨大な一個の「生命体」だと思い至ったことがあった。
この本でも、地球を生命体として感じたと、複数の宇宙飛行士が語っている。
宇宙飛行士の体験談を引き続き読んでいくことにする。
投稿元:
レビューを見る
立花隆の宇宙からの帰還。高校3年の時に親友から薦められて読み、科学と哲学の融合を、宇宙という無限を感じる存在に対して宇宙飛行士の神の頬に触れた瞬間というインタビュールポタージュで、とても心に残っている。
本書の筆者も、12人の日本人宇宙飛行士も、自分と同じように立花隆氏の影響を受けている事に、少し感動。
投稿元:
レビューを見る
宇宙にいくと重力がないので、地上ではひしゃげた状態の眼球が丸くなって近視が治るんです。
2023/4/24 再読
p46 帰還直後に歩けないのは、筋力低下ではなく、三半規管によるバランス感覚がなくなっていて、まっすぐ歩けない。
投稿元:
レビューを見る
宇宙から帰還後、名刺1枚に重さがあること、風でカーテンが揺れることのいちいちに驚くもののすぐに重量がある暮らしに慣れてしまう。持ち出した水も食糧も装備も機器も通信も地球という基盤があるから成立している宇宙での活動。地球あっての物種。地球が正常でなくては宇宙開発がままならないとつくづく思いました。
投稿元:
レビューを見る
タイトルにあるように、宇宙に行ったことのある日本人「全」員に対してインタビューを行われています。著者が影響を受けた、立花隆さんの「宇宙からの帰還」の現在版といえるもので、2017年~2019年の間にインタビューをされています。宇宙飛行士という職業に対しての想いなどについては、個々人それぞれの考え方があり、それは仕事というものに対する日本人それぞれの考え方と同じだなとも思いました。その日本人飛行士が、宇宙から地球を見たとき、一様に同じように、地球に対する感動というものを、やはり感じていたということ。この実際に宇宙に行った者にしか分からない感覚を、インタビューという形で知ることができるということ。知り得た気付きは、ありきたりなのですが、彼らの言葉だからこそ、その言葉の中でこそ、その重要さを感じることが出来ると思います。