紙の本
こういう小説が好きです
2022/07/19 20:31
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一頁目から惹きつけられる。女性の事を丁寧に隠さず書かれている。
愛というもの、子供に対する感情が男と女でかくも違うものか。
ありがとうございました。
紙の本
ゾクゾクするようなタイトルではないか
2022/06/10 07:04
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
受賞には至らなかったが、自身2作めの中編小説『水たまりで息をする』で第165回芥川賞候補となった高瀬隼人子さんはその後も『おいしいごはんが食べられますように』という素敵なタイトルの中編小説を発表している。
その原点といえるのがこの作品で、この作品で第43回すばる文学賞を受賞している。(2019年)
受賞後の高橋源一郎さんとの対談で、高橋さんがこの作品のタイトルに触れ、選考委員全員が「いいね!」とほめていたことを明かしていて、高橋さん自身もタイトルを見ただけでいい作品という予感がしたと語っている。
タイトルでまずは惹きつけるのが、高瀬さんの作品のひとつの特長になっているといっていい。それが、作家としての処女作から垣間見える。
その次に高瀬さんの作品の特長といえるのが、奇妙な人間関係だろう。
この作品では卵巣の手術を経て男性との性交渉がうまく行えない30歳の女性薫が主人公で、性交渉がないが何年も付き合っている男性がいる。
その彼、郁也がある時連れてきたのが、彼の子供を妊娠したという女性。
ところが、彼女は子供が生まれたら、薫と郁也で育てて欲しいという奇妙な提案をする。
人間は社会的動物といわれる。つまりは、社会での関係性をどのような形で構築するかによって、生き方が変わってくるものだが、その関係性に正解はない。
昔の概念でいえば、この作品の3人の関係性など成立するはずはないが、高瀬さんはそんな関係性から現代(いま)を描こうとしているような気がする。
電子書籍
この後の二人は
2020/03/05 10:35
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公薫は子宮の病を抱える中、結婚、子供のことを悩み考え苦しみながら、答えを出せず過ごしている。
恋人である郁也は薫の良き理解者であるが、突然ミナシロさんnという女性を連れてきて、子供ができたと告げます。
女性のデリケートな部分を逆なでするかのような郁也に腹立つが、ミナシロさんの産んだら子供をあげる宣言にはもっと腹立つ。
女性の出産、育児問題は永遠に続くであろうが、この二人の結論が出ないまま終わった内容が、きっと私たちへの問いかけでもあるのかも。
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とても好きな文章の本だったけど、主人公が救われない気がして切なかった、もう少し方向性を見せて欲しかったかも。。自分も結婚や出産を考える歳なので重く考えさせられた。
他の作品も読んでみたい。
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不思議な関係。薫と郁也は恋人同士だけど、ミナシロさんが現れる。彼女と郁也の間にできた子供を引き取る話になるが…
結局どうするんだろう、これからどうなるんだろう?
セックスとは何?子供を産むこと、育てることとは何?
と主人公の薫と一緒に考えるような物語でした。
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【犬のかたちをしているもの】
本作は第43回すばる文学賞を受賞しています。著者が愛媛県生まれで、立命館大学卒業、そして今は東京在住という事で、何か親近感が湧いたので読んでみた。
最後は残念ながら想定どおりの展開ではあったので驚きはなかったが、やはり女性の気持ちは未来永劫変わらないんだと思うことが出来ました。また我々男子はやはり女性の神秘的な部分に惹かれるけれども、真の気持ちを理解するのは困難なのかもしれないとも思わされました。題名にある犬はあまり重要ではなかったようですが、所々で出て来ますのでやはり重要なのかな?
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好きだけどエッチはしたくない。
最近の若い人たちに多いような気がする。
生きづらいだろうな。
子どもを産む。
子どもを持つ。
余計に考えればならなくなる。
その、主人公の心の声こそが
真理なのかもしれない。
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薫はつきあっている郁也との肉体関係を放棄している。それでもいいと思ってくれていると信じていたある日、郁也と大学時代の同級生ミナシロさんとの間に子どもができたと告げられる。しかもミナシロさんはその子どもがいらないので、育ててほしいと言う。
とても痛かった。
この手(どの手?)の本を読むと、自然に葉陰に隠れたくなる。目をそらしたくなる。そうやって生きてきて、そうやって生きていく。私は。
痛さ故、直面したくない故に星4つ。
誰かの書評ブログを読んだら、
この本を勧めたい人…子どものいない人、いらない人
的な描写を見て不愉快だった。
間違って子どもができてしまったことをミナシロさんに謝られて
p18
変な沈黙。謝られると、許すか許さないか、選ばないといけないような気になる。許すとか許さないとかじゃないのに。
p68
子どもがほしいのと、子どもがいる人生がほしいのは、同じことだって思う?
わたしは郁也がいないと生きていけないと思うし、郁也は自分を理解してくれていると思う。
p88
「すがり付きたいと思っている」。完璧な明朝体でもって、わたしの頭の中に言葉が浮かぶ。
ここ、すごくよくわかる表現。字体で気持ちを表現するってどんぴしゃだと思う。
p105
泣いた方がいいから泣きたくなくてもな泣くっていう場面が、時々ある。怒るのもそう。怒りたくなくても、怒った方がいい気がして怒ることが、たくさんある。
p130
トイレの個室くらいの狭さのところで両手にナイフを持って振り回しているみたいな傷つき方だった。
最後は泣いた。
私の中の何かと反応して。
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これはすごくむずかしい作品だなぁ。
愛犬を愛したように、人を愛したい。
セックスはしたくない。
どうしたら目の前の相手を上手に愛せるのか。
正直、だれにも共感はできない。
でも、だれの生き方も選択も否定もできない。
君はどうなんだと、真正面から問いかけられているような感覚。
子どもを産み育てるということ。
人を愛すること。
愛を伝える方法。
そういう正解のない答えを見つけるまで、この作品を「読了」とは言えないのかもしれない。
いまはまだ。
(それが星をつけなかった理由です
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読み始めて、やめられなくなる小説に、
久しぶりに出逢った。
この本は、特に男性に読んでもらいたい。
セックスについて
妊娠について
出産について
その子を育てることについて
女性はこんなにも
考えて生きてるんだということを知って欲しい。
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生と性と姓。
“子供”という存在に対して
女性なら誰しもが一度は考える内容。
私なら郁也の言動はどう考えても許せないな。
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男女間の関係に占めるセックスに焦点を当てて,愛でも結婚でもなくセックスはそこにどう関わっていくのか,それに伴ってできる子どもとは何だろう,と考え続ける薫の心境を語っている.最後,郁也の選択はどうなるのか,それが知りたい.
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図書館員がすすめるという企画に出ていた本。
読んだことのない作家だったけれど、タイトルに惹かれて借りる。
いやー、こんな無茶な相談、あたしなら話を聞いたあとにすぐさまお断りする。そして彼氏ともバイバイだ。
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私も婦人科系の病気をしたので、他人事ではなかった。子供をもつ、持たないという選択はこの世の中決められない。 知らないうちに子供ができているというパターンが一番考えなくていい。それができない今はつらい。
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子どもを持つということ、愛する愛されるということ、改めて考え直す。
イレギュラーな関係で、子どもを得られるかもしれないとか、恋人が別な人と婚姻するとか、言葉にすれば割とありきたりでも薫にとっては血を流すほどのこと。感情移入しながら一気読み。